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白狼使い  作者: 向日葵
第1章
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9 フラグは一度立つと回避不能

 




 アイリーさんが出て行ってしまったので、私とライトはとりあえず部屋にあった椅子に座って待つことにした。


『あの人間はどうしたんですかねぇ?』


 ラルトは首をかしげながらこっちを見てきた。


『どうしたんだろうね?』


 私はラルトのあごの下を撫でながら答えた。


 決して、ラルトの魔法の加減の仕方がまずかったなんて思ってないよ。うん。思ってない。


 ラルトをしばらく撫でていても戻ってくる気配がないので森の中で見つけた木の枝を鞄からだし、投げるとラルトがそれ目がけて走って、キャッチ!!


 しばらく続けてるとラルトが私の膝の上に乗り枝を噛みはじめた。


 噛みごたえがあるようで、楽しそうに枝を噛み続けている。


 遊んだり、こうしている姿を見ていると子狼と言うよりは子犬に見えるけどこれは内緒。


 しばらくするとラルトの耳がピンと立ったと思った後、バタバタと複数の足音が聞こえてきた。


「お待たせしてすみません。」


 ドアからはアイリーさんと、男の人と、マントをかぶった人が入ってきた。


 きっと男の人はギルドマスターなんだろうけど・・・もう一人の人はいったい誰なんどろう?


 一緒に来たっていうことは只者ではなさそうだけど・・・。


 ギルドマスターだけでもめんどくさそうなのに、これ以上は対処しきれないよ。


 そんなことを考えていたら、アイリーさんが紹介を始めた。 


「ゆきさん、こちらはギルドマスターと闇帝です。」


「初めまして。俺はここでギルドマスターをしているダルト・イーソンだ。」


「俺は闇帝だ。姿と名前は事情がありあかせないがよろしく頼む。」


「初めまして。私はゆきと言います。この子は使い魔のラルトと言います。」


 頭の中で闇帝?という疑問が浮かんだがとりあえず挨拶されたので、私も自己紹介し、腕の中のラルトも紹介した。


 それぞれ「よろしく」と言い、ラルトの方にも声をかけてくれたがやはりツンっとして横を向いてしまった。


 ラルトはやっぱり、白狼なんだなぁと改めて感じた一面だった。


「ところで闇帝ってなんですか?」


 疑問を解消すべく質問してみると私とラルト以外の3人の表情が固まった。闇帝はマントを被っているので表情は見えないが固まっている感じがする。


 あぁ、これは質問してはいけない質問だったかも。


 この世界の人なら誰でも知っている一般常識だったりして・・・


「ユキさん、帝がどういうものかご存じないのですか?」


「はい、お恥ずかしい話、実はあんまり詳しくなくて・・・すみません。」


 とりあえず、まったく知らないというのではなく、あくまで詳しくないから質問しているというふうに言ってみたけど通用するかな?


 嘘がばれないか緊張しながらアイリーさんの返事を待っていると・・・


「そうだったんですね!確かにユキさんの出身の村のようなところでは名前くらいしか聞かないかもしれませんね。帝というのはそれぞれの魔力属性に一人ずつ存在する、つまりそれぞれの属性の頂点に立つ人達のことです。いわば二つ名というものですね。ですので、闇帝様の場合は闇属性の頂点に立たれている方だと考えていただいたらいいかと。」


 うまくごまかせたみたいで、アイリーさんは帝について説明をしてくれた。


「なるほどー!ありがとうございます。」


「それといきなり出て行ってしまい申し訳ありませんでした。ユキさんの魔力量は私だけで判断できるものではありませんでしたので、ギルドマスターに来ていただきました。」


「この水晶は100万まで測ることが出来るのだが、それが蒸発してしまったという現象は今まで起きていなくてこちらとしてもどうしたらいいのか判断しかねているんだよ。」


 普通はどのくらいの魔力量なのか聞いてみると、子供は5万、大人で20万、帝で100万ほどらしい。


 っということは、魔力量が帝より多いということっていう認識をされているらしい。


 ラルトもこの話を聞いて、魔力の少なさにびっくりしているようだ。


『主、ごめんなさい。人間がこんなにも魔力量が少ないと思ってなかった。』


『いいよ。ちなみにどれくらいに制御してくれたの?』


『・・・・1200万。』


 そりゃぁ跡形もなく蒸発してしまうよね。


「水晶が蒸発してしまったというのは初めての事例だが、100万以上魔力があった人は今までにもいてな。だから500万ほどまで測れる水晶を持ってきたからこれでもう一度測り直してくれるか?」


 ギルドマスターに言われたので、もうこの際多めにしようと開き直り、ラルトに300万程度に抑えてほしいというお願いをし、私の魔力は表向きは300万となった。


 しかし、300万を超える人物は世界で少数しかいないらしく、帝では3人しかいないらしい。


 これで終わるはずもなく、今度はギルドランクを決めるためにギルドマスターと戦うことになってしまった。


 戦うことが決まったが考えてほしい。私はまだ戦ったことがなく、力を使う練習をしたことがないのだ。


 また、何か起こりそうな予感がする・・・・・。


 のんびりライフまでの道のりは長いなぁ。


 そんなことを思いながら私はギルドマスターたちの後についていった。


 ちなみにラルトは私の腕の中でじっとしている。話は聞いているのか耳はこっちを向いているが、顔は人のいない方か私の顔しか見ていない。


 そういえばなぜ闇帝が一緒にいたかというと、面白いことが起こりそうな気がしたかららしい。


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