43
といっても、具体的にどうしたらいいものか。
お父様の部屋から退出した後、私は自室のベッドでごろごろしながら考えていた。
まずひとつは、一騎打ちに敗北した令嬢たちの受け皿として、居場所を……働ける場所を作ること。
実際には貴族の令嬢が働く、というのは本人のやる気次第な部分があるが、要は貴族の女性が活躍する場を作り、そのプロトタイプに自分がなる。
または、結婚出来るように支援するのもいい。
しかし私自身も結婚していないし、これは保留。
時期がきたら前世で鍛えたお節介おばちゃんとして暗躍しよう。何を隠そうお見合いの斡旋は得意中の得意だったのだ。
次に、王妃候補だが……
王妃候補レースに名乗り出る覚悟は、正直にいうとまだできていない。
だから、私のことはまずは保留にしておく。
アンジェ嬢については、アルフレッド先生との関わりについてお父様が調べてくださることになったが、学園祭内での行動には注意しておくべきかもしれない。
アンジェ嬢に王妃になるだけの資質があるならば彼女が王妃になることはやぶさかではないが、殿下のお気持ちの行方もわからない今はまだ彼女を応援するとはいえない。
最後にドランジュ公爵の不正についてだ。
私が出来ることは少ないが、レミアスの様子を見て相談してみようかと思っている。
レミアスにとっては父親であるが、幼い頃から付き合いのあるレミアスの清廉さを信じているからだ。
これは王妃になることを熱望しているレミーエ様にはまだ話せない。
レミアスに話すことも、慎重にしていかなければならない。
大まかな方針は決まった。
私はベッドで一度大きく伸びをすると、シシィを呼んだ。
「お嬢様、およびでございますか」
「ええ。シグノーラのことなんだけれど……」
以前から考えていたことだが、シグノーラの高級靴店とダイエット部門を分け、ダイエット関連のものを別店舗で展開することにした。
高級靴店の方ではこれまで通りハイヒールを主力商品として展開し、王侯貴族たちへのオートクチュールをメインにしていく。
ダイエット部門の店舗には健康志向のカフェを併設して、ハーブティーや美容にいい食材や健康にいい料理を食べられるスペースを作る。
米ぬかを使った入浴剤や美容パックなども開発しているが、今私が力をいれている料理はズバリ、ぬか漬けだ。
ぬか漬けは健康にいいこと間違いない!
少々塩分は気になるが。
元日本人としては漬け物は生活に欠かせない。
毎日ぬか漬けを掻き回しているおかげで、私の手はツヤツヤぴかぴか。
ちょっぴりぬか漬けくさいことは置いといて、みんなに褒められる白魚のような手を体現している。
話が逸れたが、シシィに店舗拡大の相談をして、私は眠りについたのだった。
本編を進めるため、シリアスな話が続きました。
コメディを書きたくてウズウズしています…(´Д` )
今日は沢山のご意見を頂けて、本当に参考になりました。
応援してくださっている皆様、本当にありがとうございます。
皆様の応援を励みに小説の完結にむけて頑張ります!




