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 目を覚ましたら、見慣れた部屋の、見慣れた天井が目に入ってきた。

 いつの間に帰ってきたんだろう。ゆっくりと身を起こそうとした私は、金だらいを被せられて棒で叩かれるような激しい頭痛におそわれた。


「アイタタタタ……なにこれ……二日酔いみたい〜」


 あまりの痛さに涙目になりながら、再び寝台に倒れ込んだ。

 頭痛と戦いながら頭を整理すると、ここではない世界での記憶が、次々と蘇ってきた。


 そう。私は……転生者だったのである。




 とは言っても、自分が転生者であるという確信を得たのは、今が初めてだ。

 幼い頃から時々見る夢が、なんとなく同じような世界の話であるとは感じていた。しかし、それが自分の前世であるなんて、誰が考えるだろうか。


 前世での私は、高校生の娘を持つ四十代後半のオバちゃんだった。

 平凡な家庭でごく普通の主婦として生きていた私は、通学途中の娘をトラックからかばってひかれたのだ。

 恐らくそれで死んだのだろう。その辺の記憶が曖昧なため娘が助かったのかどうかまではわからないが、最後に娘の声を聞いた気がするのと、なんとなくいい前世だったなぁ〜と思っている自分がいるので、多分助けられたのだろう。


 そして、生まれ変わったこの世界……アンジェのおかげで気づくことができた。この世界は、驚くべきことに……乙女ゲーの世界であった。


 何故、四十代後半の私が乙女ゲーを知っているのかというと。まぁ、娘がプレイしては、経過報告や、好きなキャラだのイベントだののことを教えてくれたのだ。

 当時は興味もなかったので迷惑極まりなかったが、今となっては娘に感謝してもしきれない。



 何故ならば……この乙女ゲーには、世にも悲惨なバッドエンドが存在するのである……



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