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 今シーズン最初のお茶会は、王太子殿下主催なだけありそれはそれは華やかなものだった。


 普通、お茶会では夜会とは違い、弦楽器の四重奏などの演奏がなされるが、今回はなんとオーケストラ。

 豪華にもほどがある。

 お茶会というよりは、ガーデンパーティーに近いかもしれない。


 会場であるガーデンテラスは中と外を区切るガラス扉が解放され、自由に行き来ができるようになっていた。


 テラスの奥、周りよりも一段高くなっているステージから王太子殿下の声が響く。

 私も皆さまと同じように王太子殿下のほうに目をやった。

 殿下が会場をぐるりと見回す。

 なんだろう……なんだか目が合った?

 ほんのしばらく見つめ合った気がしたが、王太子殿下の視線はすぐに外れていった。


「今日はよく集まってくれた。このように爽やかな晴天に恵まれ、私も嬉しく思う。咲き誇る花々も暖かい春の訪れを喜んでいることだろう。皆も楽しんでくれたまえ」


 その言葉を合図に給仕がそれぞれのティーカップに紅茶を注ぎはじめた。



 私たちは庭園に据えられたテーブルに腰掛け、ファッションの話に花を咲かせていた。


「それにしても、シグノーラがエーデルワイス伯爵家のブランドだったなんて。通りでエーデルワイス伯爵夫人の靴がいつもステキだったはずだわ!さすがはエーデルワイス夫人!」


「うふふ、ありがとうございます。母も喜びますわ」


 私が発案やデザインをしているとバレると色々面倒くさそうなので、シグノーラのデザインはお母様がしている、ということになっている。これはお母様も了承済みだ。

 それに、私がデザインしているというより、評判がいいと思う。信用性が違うというか。カリスマ性みたいな。

 モデル兼広告塔としてもバツグンだしね!


「あと、ずいぶん痩せましたわよね。ダイエットをしていた、とおっしゃっていましたが、どんなことをされましたの?」


 信号機令嬢のなかでも少しぽっちゃり気味の子爵令嬢、ひとよんで黄のマリエッタ様がずずい、と身を乗り出してくる。

 マリエッタ様は気にしてらっしゃるけど、おばちゃん目線で言わせてもらえば、これくらいふくよかな方が女の子らしくて可愛いんだけどな。

 まぁ、若い女の子にとってダイエットは永遠の命題だしね。

 しかし、これはチャンス。


「ええ、よくぞ聞いてくれました!見てくださいませ!

 ここに取り出しましたるは、ハイヒールと並ぶシグノーラ自慢の新作商品でございます。

 こちらのソールをご覧ください、ここにボールがついておりますでしょう?何を隠そう、このボールがダイエットのキモなのでございます。このシューズの特徴は……」







「コゼット嬢!コゼット嬢!」


「いいえ、お高くなんてございませんわ!見てください、このお値段!今回は特別にこのお値段でご用意させて頂きました。いまだけ!ここにいらっしゃる皆様だけのお値段です。このお値段でのご奉仕は本日の御注文に限らせて頂きます!さぁ……」


「コーゼーーーーットじょーーーーーーーーう!!!」


 耳元で叫ばれ、肩を掴んでガサガサ振られた。

「はっ!!私は今なにを……?」

 気付けばテーブルの周囲に人だかりが出来ていた。

 レミーエ様たちと話し出してからの記憶が曖昧だ。なにかに意識を乗っ取られていたみたい。

 怖いわ……これもゲームの影響なのかしら。

 なんだかレミーエ様たち、特にマリエッタ様の私を見つめる目が怖いし。まるで教祖をみる信者のよう。

 それに周りの方達がなんだか太いわ。少し暑いわね……


「コゼット嬢、気づかれましたか。王太子殿下がお呼びです。お越しいただいてよろしいでしょうか」


「王太子殿下が……?なにかしら。すぐに伺いますわ。」


 私はすぐに席を立つと、レミーエ様たちにご挨拶して侍従のあとを着いていった。



感想をありがとうございます!返信が遅いですが、全てありがたく読ませていだだいております。更新に力をいれているため遅くなりますが必ず返信いたします。

これからも頑張りますので宜しくお願いいたします!

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