番外小話
12日に書籍版4巻発売になります。明日には書店に並ぶとのことで、番外小話です!
書籍版を読んでいなくても大丈夫なお話にしますのでご安心ください。
4巻共々、お楽しみいただければ幸いです。
「お嬢様、宝石はどちらになさいましょう?」
そう言ってシシィが差し出したビロード張りのトレイの上には、見たこともないくらい美しい宝石たちが並んでいる。
しかも、ビックリするくらいおっきいのだ!
前世だったらガラス越しにしかみたこともないような、素晴らしく大粒の宝石がずらりと並ぶ様子は、まるで現実感がなかった。
大きすぎて、まるでオモチャみたいなのよね。
宝石の鑑定なんて出来ないし、色でしか区別出来ないけれど……多分あれはルビーにサファイアあれはダイヤにエメラルド……一番大きなもので、5センチ近くはある。
……これひとつで、家が建ちそうね。
目の前に庭付き一戸建てが並んでいるみたいだわ。
期待に満ちた瞳で私を見つめるシシィには悪いけど……
「……どれもこれも恐れ多くて、全く身に付けたいと思えないのだけれど」
私の言葉に、シシィはおやおや、という顔をする。
「お嬢様は、これからお妃様になられるのですよ?これくらいで驚いていては身が持ちませんわ」
「だってこんなの着けてたらまるっきり、歩く身の代金じゃない!走りこみのおかげで逃げ足には自信があるけれど、羽根が生えてないから囲まれたら終わりだわ!」
「囲まれません。これからはその御身を近衛騎士がお守りするのですから」
「トイレの時とかもあるじゃない!近衛騎士は入ってこられないし、私も流石にトイレはひとりではいりたいわ!」
「出入り口に待機してくれますので大丈夫です」
「でもでも……」
シシィの額に青筋がたっているのが怖いが、私は必死に抵抗を続けた。
自慢じゃないけど、財布に大金が入っていたら挙動不審になるタイプなのだ。
いつなんどき襲われても大丈夫なように、給料日の後に銀行に行ったら、壁を背にしてあるくのだ。
こんなモノを身につけていたら、「私の後ろにたつなあ!」とか叫んでしまうかもしれない。
「はあ……お嬢様は頑固ですわね。でも、今日だけは何と言っても無駄ですわよ」
「……今日以外も聞いてくれないくせに……」
「……はい?」
「ナンデモゴザイマセン」
短くてすみません!続きはまた明日また!∑(゜Д゜)




