表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
175/181

第4章9

「まあ!レミーエにジュリア様……!」

「コゼット!ああ良かった!無事な顔を見られて安心したわ!」

「ジュリアったら、コゼットの顔を見るまでは安心できないって大変だったのよ」


与えられた自室に帰ると、訪ねてきたレミーエとジュリア様が待ってくれていた。

ほっとしたような二人の顔をみると、心配をかけてしまった事が申し訳なく……でも同時に、心がほっこりとあたたかくなった。


「随分な大立ち回りだったみたいじゃない?怪我はしていない?」

コトリとティーカップを置くと、ジュリア様が口を開いた。

優しく気遣うような口調とは裏腹に、鋭い眼光は嘘は許さない、と告げている。

「私も詳しい事はまだ聞いていないのよね。さあ、説明してちょうだい」

対して、レミーエは好奇心に瞳を輝かせていた。

「ええと……」

つい昨日のことなのに、なんだかすごく前の出来事だったみたいに感じる。

ジェットコースターのように衝撃的な事件の概要を、私はゆっくりと話し出した。


「ええ?!ミカエル陛下ったら……!なんて大胆なの!」

「もう、素敵……!まるで物語のようだわ!それで、コゼットはなんて答えたの?!」

「ええ?!いや、えっと……恥ずかしくてあんまり覚えてないっていうか」


夢見る乙女のように瞳をきらめかせる二人に、私は頰をかきつつモゴモゴと答えた。

事件の内容を話していくうちに、いつのまにかミカエルの話になってしまい、うら若い女子二人の猛攻に勝てず、根掘り葉掘りと聞き出される羽目に陥ってしまったのだ。

なんとも言えない気恥ずかしさとともに、久しぶりに若い女の子の気分になれた事で私のテンションもついつい上がってしまう。


顔を赤くしてモゴモゴする私の前で、レミーエがあーッと頭を抱えた。

「ああ!王太子殿下ったら、なにしていらっしゃるのよ!わざわざルメリカまで追いかけてきておいて!」

「全くですわ!不甲斐ないったら!」

「私はすっかりミカエル様派だわ!やっぱり大人の魅力よね!」

「そうしたら、私とコゼットは姉妹になれるのね?素敵!ねえコゼット!この際、殿下からミカエル様に乗り換えちゃいなさいよ!」

「乗り換えるって……ちょっとちょっとお二人とも!?殿下はミカエルのお見舞いにいらしたんですよ?!」

殿下に対するあまりの言い様に、私は抗議の声を上げた。

「そんなに言わないであげてください!休暇中なのにわざわざルメリカまでお見舞いにいらしてご公務を頑張っていらっしゃるんだから……休暇中くらい国内でゆっくりとしていらしたらいいのに、真面目なのよねえ」


学園に公務にと、普段から多忙を極める王太子殿下にお見舞いまで頼むなんて、陛下もちゃっかりしてらっしゃるんだから!

王位を継ぐ身であるし、この世界では当たり前のことなのかもしれないけれど……前世で考えればまだ高校生なのに!


考えにふける私を尻目に、ジュリア様はハンッと鼻を鳴らした。そのままアメリカ人のようなポーズで両手を広げる。


「お見舞いを口実にして、無理やりいらしたに決まってるじゃない!その心意気は買うけど、肝心の行動がねえ」

「その通りだわ。しっかりしているようで、ウブというか、子供というか」

「あら!やっぱり人妻になると、言うことが違うわね!」

「いやだ、ジュリアったら!」

「エリオット様とのロマンス、聞かせてもらおうしゃないの!ねえ、コゼット様!」

「キャア、素敵!聞きたくってウズウズしていたんだから!」


レミーエに矛先が向かい、私はこっそりとため息を吐いた。

私もそろそろ、観念して自分の気持ちを認めるべきよね……

脳裏に焼き付いて離れない面影を頭の隅に追いやり、私はガールズトークに花を咲かせるのだった。



11月10日、アリアンローズ様より取り巻き第3巻発売致します♪( ´▽`)

身辺多忙につき、長らくお待たせしてしまい申し訳ありません!特典などまたお知らせ致しますー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ