表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/181

13

 最近、気がつくとスリッパのことで頭がいっぱいだが、そもそも私の本来の目的はダイエットである。


 そしてゆくゆくは、悪役令嬢の取り巻きB(またの名をチュートリアル令嬢)としての敗北を回避することが最終目標だ。


 というか、何故にこんなにスリッパに振り回されねばならんのだ。

 最近で一番の衝撃はあれだ。


 この国で最高の権勢を誇る女性、つまり王妃殿下が、国王主催の夜会にスリッパで登場されたのである。

 年齢的に夜会に出ることの叶わない私がお母様からそれを聞かされた時の衝撃がいかほどだったか、おわかりいただけるだろうか。

 むしろ夜会に出席出来なくてよかった。

 思わず突っ込んでしまうところだった。

 嬉しそうに報告してくださるお母様を張り倒さないのが精いっぱいだった。


 しかしもはや、スリッパが室内履きであるなどと誰がいえようか。

 まあ王宮は室内だし、広い意味でいえば舞踏会場だって王妃様のご自宅みたいなもんだからギリセーフか?





 いや、アウトだろ……





 だめだ。自分をごまかせなかった。

 しかし私がどう思おうと、この国一番の女性がスリッパを夜会で履いたのならば。それはもはや正装である。

 スリッパだけど。

 足元スリッパだけど!!!


 これだけちまたで流行っているのだ。流行に敏感な王妃様がスリッパを見逃すはずがないに決まっている。


 バカ!バカバカ!私のバカ!


 まあ、落ち込んでいても仕方がない。

 このうえは、新たな靴の流行を作り出し、スリッパを速やかに時代の波におし流す所存である。

 そう、可及的速やかに。



 ということで、私はダイエットと同時進行で新たな靴の開発に乗り出すことにした。



 靴に関しては発見されたゴムを使った製品を考えている。

 同じくダイエットでもゴムを使ったエクササイズを取り入れるつもりだ。

 あとは日課の屋敷内散歩の範囲を屋外まで広げ、速足でのウォーキングに切り替えることでさらなる効率アップをはかっていく。



 新たな構想に目覚めた私は、さっそくシシィに頼んで靴職人を呼び出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
[良い点] 前世知識が想定外の使われ方するの面白いです。健康スリッパで夜会で踊る貴族婦人(笑) ファッションって変なもの流行りますしね!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ