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やっと今回、人が出てきます。

血生臭い描写もあるんで、注意してください。

2015/2/1加筆修正しました~。

次が、これの原文にひかかって詰まっとりますゴメンナサイ。


更に2ヶ月経ちました。

プーに戦闘技術と魔法の運用方法、それと日常生活においての簡単な礼儀作法を叩き込んでます。

いやぁ~教え甲斐がありますよ。

まぁ、武器に人型兵器や戦車などは苦手みたいで、無手の接近戦を好むんですよね。

これはしょうがないと思ってます、基本が獣なんでどうしても自分の爪や牙で、本能的に戦っちゃうんでしょうね。

一旦樹海の散策を止めて、拠点の上・・・あの巨大猪の牡丹ちゃんが居た場所で、修行中です。

こっちの方が、レベルの高いモンスターが多いみたいなんで、レベル上げには最適ですかね。


展望台から上に穴掘って入口作った時に、プーが一番乗りしたんですけど。

目の前に、これまたでかい6m程のカマキリが居て、驚いたんですよ。

まぁ、プーがブレス吐いて、一瞬で跡形も無く消し飛ばしちまいましたが。

人型でも、ブレス吐けるんですねぇ。

200m程、放射状に吹っ飛ばしましたよ。

本人は威力に納得してないですけど、まぁ当たり前ですね。

本来は龍の姿でするものですし、本人も吐きながら後ろに倒れちゃいましたし。

危ないので、人の姿の時はブレス禁止です。

主に私が・・・

多分この子、撃ってる最中に呼べば、そのまま振り向くとかやりかねないんで。


午前中は、プーが本来の姿の龍熊?に戻って私の騎獣役をして狩りするんです。

やっぱり、本来の姿の方が生き生きしてますね。

ちゃんと馬具付けて、乗ってます。

でかい癖に、速度も早いし、方向転換も早いんで慣れるのに苦労しましたわ。

何度落ちた事か・・・ 

私が槍を持ち跨り、プーが突撃する姿も最近やっと様になってきました。

銃は音と匂いが苦手だそうで、2人の時は弓とボウガンと言った普通の武器を使用してます。

でもね、プーよ・・・攻撃で噛み付くのは良いけども、生きたまま食べるのは止めなさい。

それ、私も食べるんだから、つまみ食いはダメですよ?


午後は、獣人形態になって貰い、連携の訓練です。

私よりも、索敵範囲広いみたいなんですよねぇ、さすが野生。

私が補助で、プーが攻撃役って形で狩りしてますね。

プーは、やっぱり格闘戦が大好きみたいでして、ガチンコで滅多打ちに殴ってますね。

防具は、プーの毛を刈った物を糸にして作った深みのある色合いの赤い長袖と長ズボンに、イベントリ素材で軽くてそこそこ硬い[城砦兜蟹]の素材で軽鎧一式を装備してます。

籠手は仕掛けがあり、ヒヒイロノカネ製の爪が飛び出るようにしてあります。

人の姿でも、爪を使おうとするんですよ。

1回角度間違えたのか、生爪剥いじゃったの見たんで、直ぐに治るとは言えね・・・可哀想じゃないですか。

殆どプー無双なんですけど。


私が戦車とかの整備してる時は、プー1人で散策させてるんですけど。

両手いっぱいに、キノコや野草持って、小型の猪を口に咥えて帰ってきた事がありました。

人型で。

熊の姿になると、キノコや野草類が持ちにくいので、なんとか苦労して持って来たそうです。

褒めて褒めてと、期待の眼差しで見つめるので、いっぱいナデナデしてあげました。

これは、私の落ち度ですな・・・

アイテムの収納系スキルを、覚えさせてなかったんですよ。


スキル屋があり、そこで低ランクのスキルが買えるんですけど。

欲しいスキルが、[巻物(スクロール)]になっていて、それを読むと覚えられると言う物です。

アイテムポケット→アイテムボックス→アイテムガレージと、言った様に順に覚えていきます。

他のスキルと違って、熟練度が存在せず、そのまま進化する事もありません。

ポケットの方が異空間に、手のひら大の物しか入れらず容量も少ない、小物やお金を入れるのに適しています。

ボックスの方は、主に手に持つ武装や食料品とかキャンプ道具一式とかを入れるのに適してます。

ガレージは、車やバイクに戦車や兵器類を入れられる、大物全般の収納ですね。

私のイベントリに関しては、それらの上位互換でなんでも突っ込めるし、容量も無限大なのですよ。

10周年のイベント品です。

プレイヤー上位ランクなら、誰でも持ってました。

相変わらずの鬼畜難易度でしたね。


今まで出たボスのラッシュです。

一部屋一部屋で区切って、そこにボスがドンと構えてるわけですよ。

最奥のボスは、めづらしく人でした。

また神だと思ってたんで、拍子抜けしましたけど・・・強過ぎでしたね。

魔王連盟は、初回は敗戦です。

しょうがねぇわ、神の子だもん。

弟子もやばかった・・・投網で一網打尽にされちゃいましたよ。

次は、なんとか勝ったんです・・・かなりの辛勝でしたが。

そこで、イベントリの巻物手に入ったんですよ。

私も親方も手に入ったんですけど、他の連中が・・・ね。

頑張りましたよ~特に親方が。

何度も何度も殺して、私は観賞用・予備用・売り物用と4つ手に入ったんで余ってしましました。

親方に、「なんでそんな欲しいの?」って聞いたら、少女へのプレゼントだそうです。

あげるよって言ったら、「お前からのプレゼントじゃねぇかバカヤロウ」って、狩って自分で得た物渡すのに、こだわってました。

何度殺したか、忘れましたよ。

親方がもう1つ手に入った時には、更に5つ手に持ってましたな私は・・・

ちなみに、最後の1週間になって運営がレベルをクソ下げた所為で、大量に出回って値崩れしちまって・・・

結局売れたのは1個だけ、自分でも使ったので計7個売れずにイベントリの肥やしでした。

プーに全部覚えさせられて、良かったか。

喜んでたしね。

ちらっと見たら、入れてる物は大量の食料でしたけど・・・


この崖って、凸の字みたいに突き出てるみたいなんです。

どうも地面が隆起したみたいで、孤立してるみたい。

下の樹海と違って、全体的に更に大型なんですよねぇ。

中心の方に行く度に、デカさも強さも上がるんですよ。

そこそこプーが、使える様になったので中心を目指してみたいと思います。

私が居た、と思われる所に向かってます。

なんか手がかりがあれば良いなぁ、って程度ですけども。


ん~?

奥の方に着いっちゃったんですけども、よく見たら遺跡みたいなんですよここ。

地面も荒れ放題ですけど、かろうじて石畳解る位ですけど。

家らしい建物を、貫く様に生えてる巨木とか沢山ありますね。

これって、噴水があった広場かね?

水は出てない代わりに、木が生えててなんか芸術っぽいですなぁ。

どこか見た事が有る気がするけど、噴水の有る中央広場なんてどこも似たり寄ったりですから、気の所為でしょう。

プーどうした?

手招きしてますね、何か見つけたんでしょうか?


それは人の足跡でした。

複数の人の足跡と、巨大な足跡は人型兵器の[機甲猟兵パンツァー・イエェーガー]ですね。

機甲猟兵4機に、人の数は・・・21人で、総人数は25人か。

この遺跡の調査ですかね?

ん~でも、何人かの足跡が妙に素人臭いんですよねぇ。

歩き慣れて無い感じ?

足跡の方に向かって行くと、人の痕跡が強くなっていきます。

つうか酷いなぁ、機甲猟兵で無理やり道を作ったような感じですな。

遺跡の調査じゃないのかな?思いっきり踏み荒らしてありますよ。

それとも遺跡荒らしかね?

まぁ、冒険者と言ったらトレージャーハントですし、お宝でも見つかったかな?

お宝有りそうなら、人確認してから独り占めしますかね。

遺跡なら、冒険者を潤す財宝位どっかにあんだろう。


「しゃるネェ~血の匂いがするぅ~お腹しゅいた」


プーが、血の匂いを感知しました。

って、あんたさっきまで猪の燻製肉齧ってたでしょ?

最近プーの語尾が、お腹空いたか、寝ようのどっちかの気がする。

あっ、苗字をあげたので、これで私とプーは義理姉妹です。

頭が良くても、舌っ足らずは治りませんねぇ。

可愛いので、治させる気は更々無いですが。


「とりあえず様子見て、何にも無かったらおやつにしよっか」


あ~・・・メンドクサソウ

絹を引き裂く乙女の悲鳴。

まぁ、人とのファーストコンタクトだ。

諦めましょう。


「プー索敵しながらここで待機!おやつ食べてても良いからしっかりね」


こそこそと近づき、茂みから覗いてみると。

女性3名が装備を剥かれて、男達に組み伏せられています。

ん~?

男の数が9人で、見える位置に機甲猟兵3機で人は乗ってませんね。

あ~・・・仲間割れですかね?

テントが踏み潰されて、赤い汁(ケチャップ)が撒き散らしてありますね。

恨みが有ったんでしょうね・・・必要以上に踏んだ跡がありますから。

面倒だなぁ、何人テントの中で死んでんのか解らないから、横槍が有りそうね。

助けてあげますか、男共も自分のズボン下げようとしてますし。


スススス・・・

音も無く、男共の後ろに忍び寄り、無針注射器で「パシュッ!パシュッ!」っと打ち込んで無力化します。

中身ですか?

1週間は、ろくに動けなくなるだけのお薬ですよ。

ちゃんと痛覚も有りますし、なんと痛みは2倍になるお得な薬です。


『ってめぇ!どっから現れやがった!』


機甲猟兵に1人残ってましたか。

降りて、スケベ根性丸出しで混ざってろよぉ。

面倒臭い・・・


縮地で足元に飛び込んで、イベントリから大太刀[山断ち]で、足を腕を切り飛ばします。

使い終わった大太刀をまた仕舞い、搭乗者の乗り口である背中に廻り、気力と魔力を混ぜて全身に纏い戦う新しいスキル[覇功武闘術]を使い殴って行きます。

殴って、殴って、殴って、殴って、殴って、殴って、たまに蹴って、殴って、殴って、殴って、殴る。

思ったより柔かったですネ。

圧縮されたコックピットから、呻き声が・・・

よし、完成です。

シャルロッテ作[泣き叫ぶ鋼鉄の柩]です。

まぁ、アイアン・メイデンでも良いですよ?

部分的に、加減間違えたのか中の人の手足が潰れたみたいで、機械オイルに紛れて血の匂いもしますから。

どうでも良いんですがね。

なんかこっち見て、呆けてる女性3名居ますけど。

話を聞きますか。


・・・なんかショックな事でもありましたかね?

私に、怯えてるみたいです。


「人数は、ここに居るので全員ですか?」


黙っちゃって、びくびくして話にならないんです。

なんで私の前に、正座してるんですか皆さん?

なんか、言えよぉ・・・


「この男共は薬で動けないだけです、そういうプレイ中でしたか?」


「「「違う!!」」」


まったく、喋れるじゃないですか。

んじゃ、襲われてたわけか。


「あ、あのさぁ・・・」


緑髪のショートカットの女性、狩人スタイルのエルフで種族に似合わない巨乳の人が手を挙げています。


「はい、なんでしょう?」


「・・・助けに来てくれたんだよね?」


「勿論そうですが・・・余計な事しました?」


今度は、額よりちょい上の生え際付近から1本角の生えた、黒髪でポーニーテールの女性、前衛の侍スタイルの鬼人族の方ですね。


「助けてくれた事は有難いが、その・・・何してるだ?」


「見ての通り、身ぐるみ剥がして縛ってる最中ですが?」


最後にオレンジ色で天然パーマかな?もさっとした頭髪、西部劇のガンマンスタイルの人種ひとしゅの女性が、口を開きました。


「も、もう1人仲間が居るんだが、もう1つのPTにさっき付いて行っちまったんだ・・・見えなくなってから私らは襲われたんだ」


「助けに行ってきましょうか?後他は敵ですか?」


「他は敵だ、敵じゃないのはそこで潰されちまった。特徴は、コイツと同じ顔したエルフで胸が無い!」


「姉妹ですか~?まぁいいやちょっと行って・・・来なくても良さそうです」


5人中4人が、こっちに銃口を向けています。

その後ろで全身甲冑の男が、少女と猿轡をし縛られた女性を両脇に抱えてますね。

あちゃぁ・・・プー、寝ちゃったかぁ。

おやつ過ぎれば、いつもお昼寝でしたからねぇ。

それに、あの程度の連中じゃプーの索敵に入っても、驚異とみなさないのかも?


「お嬢さん方、抵抗は止めて手を上げて、そのままうつぶせになりなさい」


今手が離せないんだけどな、剥いた男共を亀さん縛り中なんで。

あんまり使いたくないんだけど、あの手を使いますか。


「プー!ご飯の時間だよぉ起きれば龍肉上げる!!」


「血迷いまし「ごはんんんんんんん!!!」」


起きましたね。

続いて、注文オーダーです。


「そこの男共は、手足いじゃいなさい!その後でご飯です」


「ご~は~~んんんんんんんんんんん!!!!」


プーの本能が目覚めます、目を爛々と光らせて、口からは大量の唾液が溢れます。

プーは抱えられてた腕を甲冑ごと握り潰し、足が地面に着く前に甲冑男の両足を蹴り砕きます。

一瞬の事で、事態を理解できない彼らは、私から目を離し急いでプーに銃を構え様とします。

その隙を突いて、私も突撃です。




私達に挟まれ、逃げ場も無く彼らは、達磨になりました。




終わったぁ~と思ったら、女性陣は口から泡を吐いて気絶中です。

・・・人の仕事させといて、寝るなんて。

まぁいいです。

プーが血塗れになった姿で、「お肉まだ?お肉まだ!?」と言っているので、1切れ龍肉ジャーキーを渡します。

帰ってから、改めてあげるから今は我慢してね。

龍肉を大量に所持してるからと言っても、限度があるのです。

下位中位高位問わず在庫の4割を、こないだのパーティーで消費してるので。

とりあえずは、こいつらの身包み剥いで、止血して放置です。

さっきの注射も打っておきます、魔法はこの痛みの中じゃ撃てないでしょうけど念の為。

残ってた、機甲猟兵もかっぱらいますよ?

迷惑料です。

ドックタグも、もう要りませんよね?

プー、それは食べちゃ駄目。

男だし年食ってから、肉が筋ばっかで硬い硬い。

煮れば良い?

やるだけ時間の無駄無駄。

絶対に不味いから、食べちゃ駄目。

ハラワタも黒そうでしょ?

そんな物より、おやついっぱい持ってるの知ってんのよ?

そっち食べてなさい!

後で、補充してあげるから。


ちょっと行った所に、まだ建物として使えそうなのがあったんで、女性陣をそこに置いて来ました。

また、気絶されても面倒です。

アンモニア臭がしましたし、破けた服着せてるよりは良いだろうと思って、魔王連盟って書かれた浴衣を着せてあります。

下着は無いので、拠点に戻ってからですね。

ざっと、簡易結界を張ってあるので大丈夫でしょう。

この周辺はちょっと寒いので、ちゃんと手厚くふかふか羽毛の寝袋に入れて来ましたよ?

女性は、冷やしちゃいかんのです。

皆さん美人でしたしねぇ~役得です♪

落ち着いて、話しができる環境を作らないと。


さてと、潰されたテントも含めてイベントリに収納です。

うわぁ・・・テントの中に、人間だったのが6人も居ましたよ。

人数から考えて、別のパーティかな?

共同の依頼だったんだろうけど、彼女達は帰るのに足が重くなりそうよね。

依頼は失敗と、ギルドに認定されるんだろうなぁ。

私には、今んとこ関係ないけど。

ぐっちゃぐちゃだけど、どうしよう?

埋葬しちゃおうかね。

ちゃっちゃと深い穴を掘り、そこに纏めて埋葬です。

彼らの所持していた物も、へし折れたり潰されたりでしたけど、遺族らの為に取って起きます。

遺品も無いよりは、合った方が断然良いでしょう。

この遺体は修復限界超えてるからどうしようもないし、家族らには見せん方が良いだろう。

勿論彼女達もね。

遺体を底に置き、聖水を掛けて、浄化スキル[天上へと昇る魂]を使用し冥福を祈ります。

穴から這い上り、土で埋めて、樹を1本切り倒し加工して人数分の十字架を作っています。

おや?

1人起きて来たみたいですね。


「どう?調子は大丈夫?」


十字架を作りながら、振り向かずに近付いて来た女性に話しかけます。


「あ、これ?テントの連中・・・6人の墓作ってんのよ」


「・・・なんでですか?」


墓作んのが気に食わなかったのかな?

それとも、こいつらも敵だったんだろうか?

振り向くと、狩人の女性と同じ顔で、長い緑の髪を背の辺りで纏めたエルフの魔術師系(・・・精霊使いかな?)の女性でした。

今は、皆お揃いの浴衣着てますけどね。


「こいつら敵だったの?んじゃよけ「違います」いだった・・・」


「彼らは遺跡の調査に来た学者さん達です」


なら、何の話でしょうね?


「敵とは言え、生きたままあんな酷い姿にした人が、その・・・お墓を作ってたので」


そうゆう事ね。


「簡単な線引きよ、敵か味方かもしくは唯の他人かの違い・・・」


「私はね、死にたくないのよ」


「だから敵は容赦無くやるし、他人や味方には優しいつもりよ?待遇の差は有るけどね」


「うちのがそこで転がってるでしょ?益々死ねなくなっちゃったしね」


木陰で、お昼寝してるプーを見て苦笑いする。


「・・・そのお手伝いさせて貰って良いですか?」


「うん・・・お願いしようかな」


「あ・・・私はミズキ・ウッドマンです、見ての通りエルフです」


「ご丁寧にどうも、シャルロッテ・エルフリーデ・・・夜魔族よ」


握手してるんだけど、若干引きましたね。

やっぱ、種族が原因か・・・


「種族に関しては私は関係無いからね~、私以外の夜魔族よく知らないし」


良かった、納得したみたいだ。

ん?

私の顔を見て・・・

あっ、あの~ミズキさん?

顔が近いづいてくるんですけど?

はっ、とした様に慌てて身を引いた、ミズキさん。


「・・・あの、その、スミマセン!!」


「えっと・・・その右の黄金の瞳と、左の聖銀の瞳がとても綺麗でしたので・・・スミマセンでした」


忘れてた、最近ぜんぜん眼帯付けてないわぁ・・・

イベントリからヒョイっと取り出して、久しぶりに鍔眼帯を装備してみる。

しっくりくるねぇ。

まぁ、眼帯って言ってもこれって、内側からは普通に見えるのよねぇ。

外から見えないだけだし、趣味装備と言われる所以ゆえんです。

あっ、って残念そうな声が聞こえた気がするけど、スルーしましょう。


1時間位で、お墓を作り終えました。

ぶっちゃけ私1人の方が、早いんですけども速度よりコミュニケーションを取りました。

私の設定は、今まで世捨て人の爺と暮らしてて、生きる為に必要な技術から普段どうでもいい事まで叩き込まれ、成人の14才になったからって転移装置(ポータル)で飛ばされたら、ここに居たという事にしてある。

んで、その時にプーを拾ったって言ってます。

信じるかなぁ?

街と街を繋ぐ装置で、土地から土地へパワースポット繋ぐ龍脈線路に見立て造った、転移装置だけど事故も無く一瞬で到着するけど、その事故って事にしちゃいました・・・確率的には無いわけじゃないんだけどね。

1回の利用料金も結構するし。

そんな物を持ってる爺なんて、うっさん臭すぎて話にならないよね?


「・・・よく無事でしたね・・・」


お?信じたか。


「今でも残ってる転移装置はありますが、100程前の天変地異で龍脈がずれてしまい、殆どが機能不全です」


「何度か学者や技術者の方達が集まって、復旧させようとした計画はあるんですが・・・その・・・」


随分言い淀むなぁ、どうぞ続けてください。

今そんな危険な物なのかな?


「殆どの方が帰って来てません、座標が狂ってしまってる様で・・・ある日、他の街に空から降って来た事があったんです・・・多分他の方達は・・・」


地面を見ながら言う、ミズキさん・・・

あ~・・・うん、そういう事ね。

了解。

街や遺跡の転移装置は、触らない近づかないで行きましょう。

プーにも、教え込まないと。


お仕事でここに来たんだろうけど、依頼は失敗扱いになるのかな?

街は、近いの?

冒険者のランクはいくつ?

等、色々話を聞いてみたら、結構有意義な情報が聞けました。

今回の仕事は、遺跡の調査とその護衛だったんだけど。

遺跡から高純度の魔力結晶が出土してしまい、冒険者から盗賊に鞍替えしたそうな。

高純度の魔力結晶は、天変地異の前・・・私が知ってる頃は、ちょっと高い素材って物だけど専用の機械があれば作れたのよ。

今は小指の先程の大きさ1個で、最新の機甲猟兵に全オプション付けても20機は買える金額だそうです。

それが、大人の拳大の物が出てきちゃったんで・・・こうなったのか。

天変地異と同じくして高名な冒険者や技術者、果てには1部の王や皇帝まで失踪してしまい各国は大混乱。

悪い事は重なるもので、当時の技術をふんだんに使用した人の乗らない機甲猟兵・・・冒険者や兵の損耗抑える為に開発された自立型戦闘機兵[機械化騎士マシナリーナイツ]が、すべて暴走しました。

製造ラインの中核に母機が有り、金属を含む合成生物つまりはモンスターの中に、人も入れる様に指示し人を他の動物と同じ様にし管理しようとしました。

記録では、モンスターからは今まで通りに守ろう、ただし動物とは戦わない、獣の様に人も武器も道具を捨て生きれば良い、それが自然と言う物だ、逆らうならば危険因子として排除すると、戦線布告されました。

全ての機械化騎士が、有線無線問わず一瞬にして世界に電波し反旗を翻しました。

今では、機械化騎士があまり配備されていなかった地域、人種の生存域は大陸の東側に追いやられています。

機械化騎士・モンスター・人種の三つ巴の形になってるみたいよ?

魔王なんざ生まれても、3方から攻撃されるんで出現から1月持たないそうです・・・

話が世界情勢に、流れてるので元に戻しましょう。

箱入りの世間知らずと思われてるみたいなので、楽に情報が手に入り良いんですけどね。


依頼は失敗になるか、成功になるかは微妙だそうです。

護衛としての仕事は失敗だが、遺跡の調査としては魔力結晶が発掘されたんで成功だと思われる・・・自信無さそうに言われても、困るんだけど。


ここから反対側つまりは、うちの拠点と逆方向にここに登る場所があるんだそうだ。

そこを下って、徒歩で大体2週間の位置に街があるんだって。

なんで徒歩なのかは、学者さん達と大型車両に一緒に乗っていたので、足が無いそうです。

元々ここの調査は領主様からの依頼で、車両自体が領主の自衛軍の物で調査終了日にならないと来ないそうです。

街の拠点には、自前のが有るけど今回は、置いて来てしまったそうだ。

転がってるバカ共が使ってる筈の整備車両とかわ?って聞いてみたけども、修理機材置いて一緒に帰ったそうです。

・・・えっと、バカじゃないの?

危険地域だから自分とこの出来の良い本業の整備士帰らせて、なんちゃって整備しかできないが戦闘もできるって中途半端なのがここに残ってたとか。

いやいやいやいや、そこはガチの戦力と本業整備士で来なさいよ。

整備して貰ってんだから守ってやんなさいよ、と言うと。

整備士さん達と言うか、生産系の職業連中は戦闘職と折り合いが悪いそうで。

戦闘職は強さを基準にして考えるので、軟弱な生産職と鼻で笑われてる。

生産者は生産品で利益が出れば良いって商人根性、戦闘職は物の価値を解らん無能だと暴利でせせら笑ってるそうだ。

領主様が和解をしろと言っても、両方から拒絶されこんな状態になったそうです。

終わってるわねぇ。

ランクは、彼女達揃ってAランクに成り立てだって。

ただ・・・ダンジョンが専門だってさ。

機甲猟兵は欲しいけども、今回来れなかったメンバーが2人居て、前の仕事で怪我をして療養中だから少しでも治療費の足しにしようって、この仕事を受けたそうです。

ここの地域は、ギリギリ人種の生存域でAランク以上推奨の場所だって~、無茶するねぇ。

とりあえず、移動しましょ。

仲間の人達を起こしてくれる?


さてと、1人しか喋ってないけど良い子そうだし、うちの拠点にご招待しますかね。

プーを起こしに行こうと、立ち上がったらふとした違和感。

結界内の気配を探ると、男共の数がおかしい・・・

ひぃ、ふぅ、みぃ・・・・達磨にした人数が1人足らない・・・

急いで、現場に行ってみると、全員死んでました。

首筋に、2つの特徴のある穴があって、干枯らびてました。

もう夕暮れで、後数分位で夜の帳が降りますね・・・

まずった・・・


ドゴンンバキバキィィィイイイイ!!


・・・プーがやったなら、良いんだけどなぁ。

急ごう。

あ~始末はして置くか、この死体。



-------------------------------------------------------------

【プー視点】


寝てたら、首筋を羽虫に噛まれた。

イラっとしたから、殴ったら思ったより大きかった。

その羽虫は、木を何本か倒して飛んでいった。

五月蝿い・・・

目が冴えてしまった、しゃるネェのごはんが食べたい。


「プー!噛まれなかった?」


しゃるネェが、心配そうに聞いてくる。


「羽虫に噛まれたけど、プーの防御力は破れなかったよぉ」


甘噛み程度だけど、お口が臭かったので匂いがうつったみたいで気持ち悪いの。

首筋を撫でながら、しゃるネェに報告します。


「まぁ・・・そりゃそうか、私だって本気にならなければ傷も付けられないし」


そう言って、頭をなでなでしてくれます。

しゃるネェのなでなでは好きぃ。

プーよりも、先に寝てたおねえちゃん達が走ってきます。


「プーは、そこのお姉ちゃん達と一緒に居てね」


おねえちゃん達が集まったと同時に、しゃるネェが黄色い布の付いたナイフを足元に指しながら言います。


「これからこれ中央にして結界張るから、枠から出ないでねぇ~」


「何があったんだよ!?でかい音するわ、木が何本も倒れてるわ、訳わかんないんだよ!?」


緑の髪が短い奴、五月蝿いなぁ・・・

長いのは、大人しくしてるんだから黙ってれば良いのに。


「1人男共の中に厄介のが居たみたいで、これからリターンマッチ」


緑・赤・白・黒の布が付いたナイフを、しゃるネェは四方に飛ばします。


「プー、私はこれからちょっと面倒なのシメテ来るけど、お姉ちゃん達外に出しちゃ駄目よ?」


しゃるネェの言う事なので、しかたなく頷きます。


「私をシメルとは、また面白い事言うお嬢さんだ」


さっきの羽虫の匂いがする、羽虫ってしゃべれるんだっけ?

お腹が空いたので、しゃるネェから貰ったイベントリから焼きたてほかほかのパンケーキを取り出して、めーぷるしろっぷをたっぷり付けてモグモグ。

おいしぃ~♪


「お、おい、良いのか?加勢しなくて?」


やっぱし五月蝿い、短髪。


「プーの仕事は、しゃるネェ言うとおり、おねえちゃん達を外に出さないことぉ」


「吸血鬼ですか・・・同じ鬼としても嫌な相手です、加勢しましょう」


「姉さんに刹那さん、駄目です!ミカエルさんも止めてください!!」


「止めときな、あの嬢ちゃんの邪魔になるし、そこのちっこいのの目が怖い」


「大人しく観戦しときな・・・なぁちっこいのその美味そうなの分けてくんない?」


じっとオレンジのもじゃもじゃが、プーのおやつを狙っています。

これは、プーのです。

食べ物はあげません。

自分で何とかしてください。

しゃるネェと羽虫が戦うみたい。


「夜の私に勝てるとでも?先ほどの実力は見事でした・・・四肢を捥がれたのは何時ぶりでしょうか・・・」


「ご褒美に、かの有名な魔王連盟の後を引き継いだ、新魔王連盟幹部の私のお人形の1体に加えてあげましょう!!」


相手の実力もわかんないから、虫はきらい。

羽虫の目がキラキラ光ってから、しゃるネェがフラフラ羽虫に歩いていきます。

あっ・・・


「オレンジのおねえちゃん・・・これあげる」


「どうした急に?これおまえんだろ。加勢するのか?」


しゃるネェが、俯いて羽虫の前に立ちました。


「プーは、しゃるネェの笑ってる顔が好き・・・でも、今してるあの顔はキライ」


すごく怒ってると、思う。

みんな寒くないの?

しゃるネェから、冷たい空気が漂ってきます。

プーは、すごく寒いです。


「とっても怖いから」




-------------------------------------------------------------


今なんて言ったコイツ・・・魔王連盟の跡を継いだ?

新魔王連盟だって?

幹部・・・

嗤いが止まりませんね


「うふふふふふふ・・・あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!」


「笑いが止まらないよ新人ルーキー・・・熟練ベテランの先輩が本物を見せてあげよう」


「私達、いや俺達の魔王連盟を舐めるなよ?お前如きが名乗って良い名前じゃないんだ」


「な「お前は、もう喋るな!!」」


「生きてる事を後悔させてやろう。一分一秒の時の中で愛しい死が訪れるまで丹念に殺し尽くしてあげよう。まともな姿で死ねると思うなよ?」


「貴様には敵の烙印押された・・・貴様の仕事は、ただただ無様に屠殺される豚の用に歌うだけだ・・・さぁ懸命に歌え奏でよ哀れな豚の灯火が消えるまで!!」


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・


あ~すっかり、熱中しちゃったなぁ。

殺気だけで、霧になって逃げようとしたので、聖水を風で散らしたら全身大ヤケドの状態で姿を現しました。

銀を練り込んだ糸で貼り付けにしたので、蝙蝠にも狼にもなれず、錆び付いてた各種拷問の技工を味わって貰いました。

小手調べは、嫌がらせからですね。

擦ったニンニクを全身に塗りたくって、眼・鼻・口・耳と言った風に全身の穴という穴に擦り込んでみました。

口の中にも大量に突っ込んだんで何言ってるのか、解らないんで聖水と純粋で薄めた物をバケツでぶっかけて落としました。

ニンニク臭いですね。

続けていきます。

両手の爪と肉の間に1本1本丁寧に銀の針を刺し込んで、爪が剥がれ無い様に爪ごと銀糸で縫ってあげたり。

糸で貼り付けにしてあるだけで、不安定なんで木の杭で手の平・手首・肘・肩・太腿・膝・足首・足の甲で縫い留めます。

もう身動きできないみたいなんで、プーを呼び人体の弱点の説明及び練習台になってもらいました。

勝手に修復するんで、手間要らずです。

朝方になってきたら、修復速度落ちんでやんの。

しょうがないから、回復剤を使用して延命させてたんだけど。

プーがうっかり、心臓潰しちゃったんでそれでお開きです。

まぁうっかりって事にしてあげてます、眠かったんだろうし。

吸血鬼の素材なんで、まぁ各下ですけどレアっちゃレアなんでイベントリにしまってます。

格下相手に、頭に血が上っちゃいましたよ、まったく。

他の死体は、モンスターが綺麗にしてくれるので放置です。

ちゃんと心臓に杭打ってあるので、安心です。

久しぶりに、徹夜しちゃった・・・


すっかり彼女達の事、忘れてましたねぇ。

四人で固まって、ガタガタと震えていますね。

今回は、泡吹いて気絶は・・・しませんでしたか。

あ~・・・でも、魂が抜けてますね。

冷たい水を、ざばっと掛けてあげます。

ついでに、私とプーも返り血が酷いので、同じ様に血を洗い流します。

正気になった所で、質問です。


「私達拠点に戻りますが、どうします?」


随分悩んでますね、まぁ仕方ないか。


「レア食材の料理と、温泉と、ふかふかの寝床に、おまけで戦車か機甲猟兵も人数分付けますよ?」


「「行きます!!」」


ガンマンのお姉さんと、エルフの姉の方は行くのが簡単に決定しました。

ガンマンお姉さんはリーダーみたいなので、鬼人のお姉さんとミズキさんは強引に押し切られましたね。

まぁ、装備一式を私が握ってますから、結局来る事になるんですけど。

どうしたプー?


「しゃるネェ~龍肉まだ食べてない・・・」


ごめん、忘れてた。

拠点に帰って、温泉入ってから食べようね。

これで、我慢して?

龍肉のジャーキーを、1切れ渡しますが・・・首を振ります。

片手を突き出して、5切れ欲しいと交渉してきましたよ。

私が今回悪いので、倍プッシュの10切れ渡してご満悦のプー。

ガンマンのお姉さんが、物欲しそうに見てますね。

と言うか、みんなプーの手を凝視してます。


「食べてみます?」


「「「「是非!!!!」」」」


・・・このパーティ、食い意地が張ってますねぇ。

さっきまで、血生臭いもん見てた筈だけど、冒険者はやっぱし強いですねぇ。



戦闘って書くの、難しい・・・

これで人数増えたら、大変だぁ・・・どうしよう?

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