表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/18

異世界に到着!

 読んで頂きありがとうございます。

投稿を続けていきますので末永くよろしくお願いいたします。

 気がつくと、広い部屋にいた。


 しかし、広いと言っても学校の教室程度で、天井も低く部屋の雰囲気は田舎の納屋のようだ。


 足元は石畳で、何やら魔法陣のようなものが青いペンキのようなもので、床いっぱいに描かれている。

 この魔法陣の中央辺りに、俺は立っていた。

 俺の他に魔法陣の中に立っているのは、女3人、男2人だ。


 女のほうは――。


 近くにいるのは、金髪の20代前半くらいの女性で、身長は160cm位で顔は幼さを少し残した感じの可愛いお姉さんで、スタイルはかなりいい。

 なぜか、頭にケモ耳をつけたコスプレをしている……。

 そしてなによりも……、胸が大きい!


 俺は、おっぱいが大好きだった。


 若干離れた所にいるのは、12歳前後くらいの小学生に見える幼女だ。

 銀髪で身長は140cmくらい、可愛いというよりはどちらかというと、美人という印象を受ける整った顔をしている。

 凹凸の全く感じられないスタイルで、先ほどの金髪のお姉さんとは正反対だ。


(だが、それもよし!!)

 俺は、軽度のロリコンだった。


 その幼女の隣にいるのは、同い年くらいの黒髪ロングで、今時の感じのする若干キツめの顔をしている。

 人数の多い、某アイドルグループにいそうな感じだ。

 身長は150cm位だろうか?スタイルはスレンダーで若干……? いや、かなり胸のあたりが心許ない。


(貧乳最高!!)

 俺は、おっぱいならなんでもよかった。


 男のほうは、というと――。


 一番近くにいるのは、男の俺からみてもかなりのイケメンだ。

 整った顔をしていて、リア充オーラが半端ない。

 身長は170cm後半はありそうで、背も高く、身体つきもスポーツマンといった感じだ。

 年齢は、同い年くらいだろうか?


 もう1人は、メガネをかけていて、いかにも頭良さそうな秀才タイプの印象だ。

 俺より若干背が高い、こちらも年齢は同じくらいだろうか?


(まあ、どうでもいいけど……。)

 俺は、女の子にしか興味がなかった!


 何故か俺も含めて全員が、揃いも揃ってRPGで言うところの、布の服のような格好をしている。

(俺の服は、一体どこへいったんだよ……。)


 それから前方に目をやると、ドアが一枚あり、近くに男が二人いる。

 部屋には窓も無く、出入り口も他には無いようだ。


 右側の男は、中年のなんだか冴えない感じで

格好は、ファンタジーもののRPGにでも出てきそうな住人Aというような感じだ。


 左側の男は、かなりのお年寄りのようで、見るからに魔法使いですよと言わんばかりの出で立ちで

大量の白いヒゲが胸の当たりまで伸びている。

 深緑のローブを纏い、身長ほどもある、木で出来ているであろう杖を携えていた。


(なんだこれ……。なんだよこれはっ!!)


(これじゃあ、まるで某小説投稿サイトで読んだ、小説みたいじゃないか!? もしかして上手いこと立ち回れば、美味しい展開が待っているんじゃなのか……?)


 俺は、今まで読んだ小説の数々を思い出す。

 そして……。


 (モブは嫌だ、モブだけは嫌だ!! お、落ち着け、きっと俺は主人公枠なはすだ……、きっとそうさ! とりあえずここは、モブ認定されないためにも主導権を握りにいこうか!)


「そこの二人! 異世界から俺たちを呼び出して、何か頼み事があるんだろ?」


 と、したり顔でメガネが詰め寄った。


(しまった……。メガネに先を越された……、こいつも某サイト読者だったのか!?)


 俺が、先を越されたショックのあまりに膝をついて項垂れていると、隣から金髪のお姉さんが小声で声をかけてきた。


「ご主人様、大丈夫ですか?」


(なんだこいつ……、変態か!?)

 若干引き気味に「大丈夫です」と、返事を返したら納得して貰えたようだった。


 ケモ耳を装着しているだけでも、かなりのインパクトなのに、初対面の人間に対してご主人様とは……。

(このお姉さん大丈夫か……?)


 俺は、比較的常識人だったのだ!


「何わけのわかんないこと言ってるの!

ここはどこ?私の服と持ち物は、どこいったの!!」


 黒髪女子高生は若干ヒステリー気味に叫んでいる。


 まあ、普通の人間はこういう反応をするよな……。

俺も、服が如何にも防御力の低そうな布の服に変わっているのには、若干戸惑ってるし。


 魔法使い風の老人が、メガネのほうを見ながら、先ほどの問いに口を開いた。


「流石は勇者様、何もかもお見通しとは恐れ入ります。」


「いや、意味わからないんだけど……、どういうことなの!?」


 黒髪女子高生は若干……。いや、かなり怒っているようだ


「僕も、この状況にはかなり困惑している……。きちんとした説明を願いたい。」


 イケメンも言葉を重ねる。


「そうですな、状況をご理解されていない勇者様もおられるようですので、まずは説明をさせて頂きます。」


 魔法使い風の老人が、口を開いた。


「私は、ラインベル・ルーメミラという、代々予言と歴史を伝える広める家系の人間ですじゃ。あなた方を、この世界に召喚した理由は一つ、世界を滅亡から救って欲しいのです。」


「この世界の予言に、こうあります。

『滅びの運命が迫りし時、異界から現れた、勇気を持つ5人の勇者により、世界は破滅を退け、勇者達は再び異界へと還らん』

あなた方は、予言に選ばれた勇者なのです。」


「服や持ち物に関しては、私にはわかりません。異世界からの召喚の影響でしょうか?」


(やはり、そういう展開か……。)


 メガネのほうも「やはり……。」と小声で呟いている。


「それでは、魔王を倒せばいいんですね!」


(ああ……。)

 俺が言おうと思ったセリフを、またしてもメガネに先を越された……。


 俺は、かなり焦りを感じた。

 (この状況って……。モブコース真っしぐらなのでは……?!)


 しかし、ルーメミラはキョトンとした顔をしていた。


「いえ……。魔王の件は、三百年前に別の予言の勇者が打ち倒し、今では魔族と人間は小競り合いはあるものの、魔族が人間を滅ぼそうということは無くなっておる。その時も、勇気を持つ勇者が異世界から召喚され、魔王を打ち倒して予言を達成したことで、神に望みを一つ叶えて貰い、再び異世界へと還ったという古い記録が残っておるのじゃ。」


「そんな勝手なこと言わないでよ。私たちを、元の世界に返して!」


 黒髪女子高生の言うことも、最もだ。


「残念ながら、元の世界に戻る方法は一つしかないのです。300年前の勇者のように、予言を達成することでしか、戻る方法はありません。」


「そんな……。」


 イケメンの方へ向かい、力なく崩れ落ちる黒髪女子高生を、イケメンが支えた。


「ありがとう……。」


 気のせいか、若干黒髪女子高生の頬が赤い気がする……。


「あなた方に科せられた、勇者の使命は過酷でしょう。しかし、預言を達すれば元の世界への帰還の折に、勇者一人に神が望みをなんでも1つ叶えてくれると、そう伝承には残っています。」


「え。なんでも!?」


 黒髪女子高生が喰い付く。

 さっきほどのショック状態からの変わり身の早さに、若干ルーメミラも困惑しているようだった。


「え、ええ……。神が叶えてくれる願いですからね。恐らくは、何でも叶うのでしょう。」


 黒髪女子高生がしきりに、何か頷きながら考えているようだ。


「それでは話を続けます。世界の破滅の運命がどんなものかは、実は今だ、判明していません。あなた方、五人には、それを探し出し世界の滅びの運命を回避して頂きたい。」


 (あれ?)


 先ほども違和感を感じたが……。


 (五人ってなんだ? 俺たちは、六人いるぞ?)


「少しお待ち頂きたい。予言の勇者は五人ですが、私たちは六人います。これは、どういうことでしょうか?」


 (くそ! メガネ……。またしても……。)


 目の前の二人は、鳩が豆鉄砲をくらったような顔していた。


「た、たしかに……。サントン、魂の写し鏡をこちらに。」


「はい。」

 と、サントンと呼ばれた男が、手のひら二つ分の大きさの手鏡に、宝石や装飾を施したものを差し出した。


「これは魔力を込めることで、対象者の運命と、才能を視ることの出来る鏡じゃ。勇者であれば、運命に勇者と映し出されるようになっておる。

一人ずつ私の前に来て、名前を名乗って頂けないか?」


 まず、最初に動いたのは、イケメンだ。


「わかりました、僕の名前は、五十嵐(いがらし) 勇輝(ゆうき)です。」


 ヤダ、このイケメン……。俺と名前がかぶってやがる…。

 (空気読めよ……。イケメンと一緒とかハードル高いわ!)


「ふむ。この者、五十嵐勇輝は、間違いなく勇者である。」

「では、次のお方。前へ。」


 (あれ? そういえば、花子は、どうしたんだ? 一緒に、穴の中に落ちたはずじゃ……。)


 超展開過ぎて、花子のことを考える余裕がなかった……。

 この部屋にはいないみたいだな…これが済んだらまずは、急いで花子を探そう。


 (大丈夫だよな……。花子……、おまえ死んだりしてないよな……?)

 そう考えていると、涙が出そうになった。


 すると、再び隣の金髪のお姉さんが声をかけてきた。


「ご主人様。本当に大丈夫?」


 空気読めよ、このド変態!

 初対面にご主人様とか、ほんと、どんな設定だよ! とは言えず、「大丈夫です。」と答えると納得はしてくれたようだ。


 次は、黒髪女子高生のようだ。


「私は、白石(しらいし) 優希(ゆうき)よ。五十嵐くん名前一緒だね☆」


 まさかの、名前被り祭り。

(黒髪女子高生まで名前が一緒とは……。どうなってんだ。)


(まさか……。いや。そんなことは無いはずだ。そんなことはありえない、次はきっと違う名前のはずだ。)


 この時。俺は、ある一つの可能性を思いついていた。


 「ふむ。この者、白石優希は、間違いなく勇者である。」

 「次のお方。前へ来てくだされ。」


 次に、メガネが前に立ち……。


「私は、桐生(きりゅう) 悠木(ゆうき)。お二方、本当に偶然ですね。」


 白石が、舌打ちして小声で「空気読めよ……。」って言ってた。

(白石怖っ。)


(こいつも、やはり名前被り……。やはりそうなのか!?)


 予言にあった『勇者を持つ者』って、名前のことかよ!

(阿呆らし過ぎる……。)


「この者、桐生悠木も間違いなく勇者である。」

「次のお方、前へどうぞ。」


 次に、幼女が前へ出る。


「僕は、宇佐美(うさみ) ちかって言います。宜しくお願いします。」


(まさか、これは……。こいつは……。)

(幼女の僕っ娘!? 最高過ぎる……。異世界に召喚されたこととか、全てがどうでもよくなる程の魔力を秘めていやがる……。)


 俺は、僕っ娘が大好きなのだ。


 幼女の名前は、宇佐美ちか……。とすると、この子は勇者ではないということか?

 まあ、幼女だし勇者ってことはないよな。


「うーむ、この者、宇佐美ちかも、間違いなく勇者である。」


(え!? 嘘だろ……。どういうことだ……。)


「あっ。僕のお父さんの名前は、ユウキっていいます。皆さんと一緒ですね。」


(そっちかよ!)


 選定基準が適当過ぎるし。残念過ぎる……。

 なんかこの世界が不安になってきた。


 残り2人……。


 (大丈夫だよな? 俺、勇者だよね?)

 そう、自分に言い聞かす。


 隣の金髪のお姉さんには悪いが、初対面の人間をご主人様とか言う、そんな変態が勇者のはずないよな。

 ともあれ次は、俺の番だ。


「次の者、前へ。」


「はい。(おうぎ) 祐樹(ゆうき)です。」


 名前を言った瞬間、白石が肋骨に嫌そうな顔をする。


 流石に、みんな名前の法則に気が付いているはずだが……。

 一緒だって事実がそんなに嫌か!?


「ん? まさか……。この者、扇祐樹は、ただの勇者ではない。」


(来た! 主人公枠のお約束、チート枠だろこれ!!)


(ふふふ、悪いなメガネ……。この勝負は、俺の勝ちのようだ。)


 勝鬨(かちどき)の笑みを浮かべながら、メガネに一瞥をくれてやった。


「この者……。魔獣(ペット)となっている。私も、こんなことは始めてなので、少々困惑している。扇殿は、勇者では無いようですな。」


(え? なにそれ……。それって勇者ですらないよね? ペットって、なんですか? そもそも、魔獣って人間ですらないような……。)


 あまりの事実に呆然としていると。白石が、これでもかってくらいに笑っていた。


「ペットだって、きゃははは。魔獣(ペット)……。お腹苦しい……、ペットってなに……、きゃはははは。」


「笑っては、扇さんに失礼ですよ。」

 と、メガネが笑いを堪えながら言っていた。

 

 イケメンも、何故か反対を向いているが、肩が震えているので、声こそ出ていないが笑っているのがバレバレだ。


 がっくりと肩を落として元の位置に戻ると、金髪のお姉さんが再び声をかけてくれた。


「ご主人様。元気出してください。魔獣なんて、凄くカッコいいですよ。」


「ははは、そうですね……。」


 完全に、生気の失われた声で、そう答えた。


「では、次の者。前へ。」


「私の名前は、花子です!」


(え? 花子? うちの犬と同じ名前なんだ……、あのお姉さん。今時かなり珍しい名前だな。)

(このパターンは、幼女と同じく家族にユウキがいるのかな?)


「ふむ、この者。花子は、間違いなく勇者である。ん? 既に才能が1つ、開花しているようですね。魔獣使い(ビーストテイマー)の才能が目覚めているようです。それに、既に一体の魔獣(ビースト)を使役しているようですね。どういうことでしょうか?」


「花子殿、片目を閉じてそちらに意識を集中してください。そこに、様々なステータスが見えるはずです。使役している魔獣(ビースト)の項目はありませんか?」


「うん、見てみるね。」



「あ、あった。使役しているビーストの名前は――。」


「私のご主人様の、扇祐樹さんだ!!」


お気に入りに入れてくれたり、感想を頂けると泣いて喜びます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ