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キング誕生

戦いから一夜明けてゴブリンの前には33体のゴブリン達と12匹の狼モドキ達が並んでいた。


昨日の敵は今日のナントカではないが、戦力としては格段にアップしただろう。


最前列にはザンギも肩を並べている。


さすがにこれだけ自分の下に同族がいるとなんだか王様のような気分になる。


(あぁ王様というのもいいな。)


「聞けお前達よ、私がゴブリンキングだ!これからはキングと呼べ!」


ザンギだけが頷いていたが他のゴブリン達はどこかキョトンとしていた。


なんとなく言ってみたが言葉にすると何か恥ずかしいものがある。


とりあえず色々やりたいことが山積みだった。


ゴブリン達に命令して武器や防具など集めさせたが、やはり錆びたりボロボロな物ばかり。


ついでにお宝も集めさせたが銅貨や銀貨などこの世界のお金っぽいのが少しと欠けた壺などだった。


ボロボロの防具をあさりつつその中から比較的キレイ目な皮の鎧を見つけ装備する。


思えばこちらの世界に来てからずっと裸だった。


ゴブリン達を見ても何も着けていないものもいるので、裸がおかしいということはないんだろう。


ただ、この前のように不意に攻撃される場合もあるのだから機動力は重要だが最低限の装備は必要だろう。


初めて鎧なんてものを装備したので手間取ったが、なんとか一人で着られた。


元々身長が低いので、少しぶかっとしてしまうがしょうがない。


武器に関しても本当は剣や刀など恰好良く使いたかったが、元々こちらの世界に来るまでに使った事がある刃物なんて包丁くらいだ。



(これならまぁ使えるだろう…)



選んだ獲物は棍棒だった、長さは40cm程か。


今まで使っていた角材の代わりには丁度良い、素材は何か分からないが木よりは丈夫だろうし殺傷力も十分ありそうだ。


振ってみるが力だけはあるので軽く振れる、いざとなれば力にものをいわせ投擲してもいいだろう。


棍棒を手に持ち考える。


ゴブリン達に鋳造技術なんてものはないであろうから、おそらく人間を襲って手に入れたんだろう。


確かに村道からまだ少し距離はあったが、最初のねぐらである洞穴から見れば距離は近付いてきている。


自分達はゴブリンなのだ。


数は十分でも弱い存在であるのは変わりない、あまり村道に近付き過ぎても集落毎討伐されかねないのだ。



(こんな世界なら冒険者なんて者もいるだろうし、ギルドとか魔物に対する対抗策もされているだろうしな…)



集められた物の中に人間のベルトがあったので付けてみる、左側に止め具がついており棍棒を止めてみると柄の部分でうまく止まる。


止め具はボタン式だったので急な戦闘を意識して取り出してみたがなんとかボタンが外れ構えることができた。


元々は剣の鞘とか水筒でも止めるためのものだったのかもしれない、まぁ使い方は個人の自由だろう。


ボタン自体も簡単な作りだが、流石に日本のような作りではないので本来の用途以外で使っていれば消耗も早いだろう。


壊れたら壊れただ。



またその時に考えよう。


とりあえずこれで常時両手が使える。


使役魔法を使うには両手が空いていないといけなかったので、今までは武器を地面に置かなければならなかったのだ。



(片手では木にも登れないしな。)



木の上に登ることが多かったので、邪魔になる武器を腰に携帯できるのは大きい。


本当は背中に背負って戦闘時に抜けるようにするのが一番いいのだが、無い物ねだりをしてもしょうがない。


武具に関してはこれでいいとし、次に集落の運営に関して考えだした。



既に洞穴は放棄すると決めている。



洞穴に配置していた狼モドキにも撤収の連絡を出している。


拠点はこちらに置いた方が何かと動きやすいだろう、ザンギに聞いたが近くに湧き水が出る場所があるらしく水の心配もない。


食糧は狩ればいいし今までもそうしてきたようだ。



(問題は守りか…)




大木を背にはしているが三方向から攻められる可能性があるのだ、見張り台が欲しいところだろう。


一から見張り台を作るのは手間がかかるので、森を利用して木の上から見張らせることにした。


座る場所でも作ってやればあとは各自よじ登るだろう。



人間頭上には注意が疎かになるものだ。



とりあえず見張りは三方向にゴブリン達を一体づつ出し、別で集落の周りを巡回するようゴブリン3体狼モドキ1体の部隊を2部隊組み送り出す。


フォーマンセルというやつだ、何か漫画で読んだので組んでみた。


魔物を混ぜて部隊を組んだ理由だが、狼モドキ達と長く一緒にいて分かったが迫りくる危機や辺りの気配を読むなど感知能力が高いようだ。


見た目が狼だから当然か。


ただ単体の戦闘力はそれ程高くはないのでゴブリンと組ませてみた。


狼モドキならば遠吠えで仲間同士連絡もできるし、何かと重宝しそうだ。


残りのゴブリンと狼モドキ達の中から更にフォーマンセルの部隊を4部隊作り狩りに行かせる、食糧は余るくらいが丁度良い。


まだ集落の中には行動を指示されていないものもいたがこちらは普段通り生活させることにする。


ふと疑問に思ったのでザンギを呼びゴブリンの繁殖方法について聞いてみた。



「ゴブリンはどうやって増えているんだ?」



「オンナ サラッテ コドモ ウマセル」



どうやらゴブリンは雄しかいないらしい、繁殖するには女が必要ということか。


村を襲えば女は手に入るだろうが、敵の戦力が分からないのであまり迂闊なことはしたくない。


村道があるということは何らかの人の行き来はあるだろうから、まず最初は村道に張って手頃な者が通るのを待ち伏せし襲うことになるだろう。



(いよいよ人間狩りか、楽しくなるな)



キングは見張り台作りに精を出しつつ舌なめずりしていた。



人間襲うまでもうちょい!執筆頑張ります。

配下の数が増えてきて読みづらくなってきたので数字の表記をかえてみました。

投稿済みの文章も少し修正してみました。

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