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発見

早朝からゴブリン&狼モドキ隊(13匹)は森の中を進んでいる。

1匹は拠点での防衛を命じてある、何かあれば遠吠えでこちらに知らせてくるだろう。

現在はゴブリンを囲むように10体の狼モドキを配置し3匹を斥候として出してある。

狼モドキの聴覚は非常に良いので奇襲を受けることはまずないだろうが何が起こるか分からないのがこの森である、ゴブリンも辺りを警戒しながら進んで行く。

今日の探索目標は洞穴から見えた一際大きな木の地点までである、ここまで探索できれば水辺と洞穴と大木の三角地帯の安全を確認できる。

大木の向こうには村へと続く村道もある、ゴブリンは早く人間を殺したかった。

魔物を殺す時に感じるあの快感、性欲を満たす感覚以上のものが身体を突き抜ける。

ゴブリンになり今まで自分の中になかった食欲の変化、対魔物・対人間。

まだ魔物しか喰らったことなかったが人間の軟らかい肉を想像すると口から涎が滴り落ちそうだった。

大木までは角兎や今まで見た事なかったくわがたモドキ、百足モドキとデカい昆虫が多かった。

ただ所詮昆虫、どれも注意して戦えば問題なくこの世界の昆虫は私達に捕食されるだけの存在だった。

先程と同じようにゴブリンがくわがたモドキの顎を避けて角材で腹部を叩き、吹っ飛んで仰向けになったところに狼モドキが殺到する。

くわがたモドキの腹部が鋭い爪で抉り取られ体液がこぼれる。

外側は硬いだけで食べれたものでなかったが中の汁はなかなか美味しかった、例えるならココナッツのような味か。

戦いかたも馴れてきていた。

ここ数日異世界で過ごして食事をしてきたがどうやら魔物を喰らうということは私にとって空腹を満たすだけでなく魔力を上げることにもなるようだ、キノコを食べたときにはなかったが魔物の肉を喰らったとき体に満ちていくものがある。

ただ魔物でも角兎や昆虫などレベルの低いモノでは少量しか増えた気がせず注意しなければ気付かない程度だった。

(やはりいるか分からんがドラゴンとか喰えれば魔力も桁違いに上がるのかな?まぁゴブリンじゃ炎で焼かれて瞬殺がオチだろうけど)

魔力を上げなければより強力な魔物を使役することができないので今は食事をして少しでも増やしていくしかない。

食事をしながら歩き探索目標の大木が近付いてきたとき斥候に出していた狼モドキ達が帰ってきた。

どうやらこの先に何か複数いるらしい、言葉は交わせないので何がいるのかまでは分からないので身を屈め注意しながら進むと大木の下に数十体の動くものがあった。



(まさか同族に会うとはな…)



広場のようにひらけたそこではゴブリン達が生活していた、どうやら集落のようだ。

数は見える限りで30体程か。

中には剣や棍棒のようなものを持った者もいる。

戦力でいえば向こうが上のようだ、ただあれを全て配下にできれば戦力の大幅UPは間違いない。

幸い現在向こうからは木々や草むらが邪魔をしてこちらを発見できていないようである。

一旦静かに後退すると一人作戦を練る。

同族だから手を組むとか友好的な関係を結ぶとかそういう気は一切ない、向こうはどう思うか知らんが私からして見れば同族など手駒にしかすぎないのだから。

現在のこちらの戦力では正面切って戦えばこちらの負けは必須である。

ただあれだけの戦力、異世界にきた初日に遭遇した得体の知れない魔物など脅威に対向や人間を殺すには欲しい戦力だった。

この戦力差で勝つためには頭と自分の能力をフルに活用するしかない。

とりあえず今日はゴブリン達の集落から離れた場所で野宿である。

明日勝つために色々準備しなければならない、今夜は寝れるだろうか。

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