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避けられぬ衝突


目の前の光景が信じられなかった。


舞い上がる砂煙。


そこから突如表れた化け物。


丸飲みにされる狼モドキ。


ソレは体を震わせ、まるで食事を楽しんでいるかのようだ。


体は暗い緑色をしており表面は湿っている、口元にはギザギザした歯がビッシリ生えておりまるで笑っているかのようだ。


体長は見えているだけで5mはあり、太さも1mはあり、体はまだ地中へと続いている。


ソレは色や大きさこそ違えど見た目はミミズそのものだった。


目や鼻は見当たらず異様に大きな口だけがイメージに強烈に残る。


ただのミミズではない。


口元から覗く無数の歯や飲み込まれた狼モドキ、まさに肉食ミミズである。


空に向かって体を震わせていた肉食ミミズが頭をもたげこちらに振り向く。


キングはないはずの眼があった気がした。



肉食ミミズは閉じていた口をゆっくり開くと、ニタリと笑うかのように歯を見せてくる。


あまりの不気味さにキングが一歩後退りする。


その瞬間、倒れ込むようにキング目掛けて口を開けたまま襲い掛かってきた。


間一髪、キングは何とか後方へ飛んで回避したがあまりの衝撃に体制を崩す。


見ると肉食ミミズの頭の部分が何十センチか地面に埋もれている。


地面ごと喰らうつもりだ。


キングが体制を立て直すより先に肉食ミミズが再度動き始め、地面から頭を取り出そうと体を伸縮させている。


今が攻撃のチャンスである。


キングは何とか呼吸を調え精神を集中させると、肉食ミミズに向かって使役魔法を放つ。


キングのかざした両手から何かが放出され肉食ミミズに当たる。



ービクンビクンー



「やったか!」



だがそう思ったのも束の間、再び肉食ミミズは動き出してしまった。



「クッ!」



今まで使役魔法を使った相手の時と違った反応である。



今までは使役魔法が効いて昏倒するか全く効かずに襲ってくるかだった。


今回も確かに手応えはあった。


感覚的なものではあったが、一旦は確かに掴んだものがすり抜けていくような感じだった。



(どういうことだ…)



考えている間にも肉食ミミズは動き出している。



ーズシャッー



肉食ミミズの頭部に剣が突き刺さる。


精鋭部隊のゴブリンの1体が肉食ミミズにぶつかるように剣を突き刺すと、残りのゴブリンたちも各々の得物を手に肉食ミミズに肉迫していく。


たまらず頭部に幾本か剣が突き刺さった状態なのも構わず肉食ミミズが頭を上げる。


そこに狼モドキ達が飛び掛かり爪を突き立て牙で喰らい付き、肉食ミミズ諸とも空高くへ連れていかれる。


剣を持っていかれたゴブリンは背中に背負っていた単槍を手にすると、地面から出ている肉食ミミズの根本に駆け寄り突き刺しまくった。


肉食ミミズはギリギリと歯を鳴らし穴から這いずり出て全身を地表へと現す。



全長は10m程だろうか、今まで見たものの中で一番大きい。


肉食ミミズは激しく暴れると尻尾を鞭の様にしならせ横に薙ぐ。


ードゴンッー


避けきれずに1体のゴブリンが草むらの中に吹き飛ぶ。


それでも残ったゴブリンと狼モドキ達は果敢に肉食ミミズへと挑んでいく。


そのころキングは少し離れた木の影で戦況を窺っていた。


この隙に一人で逃走しようかとも考えたがここから拠点までの時間と追いかけられた時の足の速さを考え躊躇した。


更に先程の感覚がキングの足を踏みどどませている。


あともう一歩だった気がした。


こちらの世界に来て最初は分からなかったが、少しずつ使役魔法について理解してきており、何か掴めるような気がしている。



(集中するんだ…指先に神経を……)



近くで戦闘中だというのにキングは目を閉じると指先に全神経を集中させる。



指先から紐をだすようなイメージ。



ユラユラと黒い紐が指先から湧き出て肉食ミミズの方へと伸びていく。


黒紐は肉食ミミズのからだの回りを螺旋を描くようにクルクル回る。



ービクンッー



体が震える。



黒紐が螺旋を描き肉食ミミズの体に絡み付くと肉食ミミズの全身が淡くオレンジ色に光る。


(まだだ…今じゃない……)


その時をキングはジッと待つ。


ゴブリン達は戦闘によりかなり消耗していた。


たが、肉食ミミズも頭部には剣が突き刺さっており体には狼モドキの爪痕や単槍の刺し傷が無数にある。


傷口からは白濁色の体液が溢れ出ている。



肉食ミミズの頭部に喰らい付いていた狼モドキが体液で滑り振り落とされる。


すかさず振り落とした狼モドキを飲み込もうと口を大きく開け、勢いよく地面目掛けて滑降する。



ーズンー



尻尾によって吹き飛ばされ、戦闘不能かと思われたゴブリンの草むらから放たれた単槍の一撃は肉食ミミズの不意を付いた。


狼モドキを喰らおうとスピードに乗った肉食ミミズの開いた口に、単槍が飛来し深々と突き刺さる。



その瞬間キングは肉食ミミズの放つ光がオレンジから赤へと変わったことを感じた。



「いまだ!!」



螺旋状に肉食ミミズに絡み付いていた黒紐が更にキツく体を締め上げると、先端が針のように尖り深々と肉食ミミズの額の部分に突き刺さった。



ーービクンビクンビクンッー


刺さった瞬間、肉食ミミズは痙攣するように体を震わすとその巨体をゆっくり地面に倒した。



やはり私に戦闘は無理でしたm(__)m


久しぶりに書き始めたせいかキングの武器なんだっけ?とか使役魔法の描写どんなんだっけ?とか色々忘れてる設定がチラホラ……


もちろん一度全部読み返しましたが自分の書いたものを時間を置いてみるというのは何か恥ずかしくなります。


あと、張ってて忘れてたやつなども…いつか使おうと思っています。


いつか…。




閑話休題。


モグラもどきの時は花が伏線?(回収の早すぎる)でしたが今回はとくになくジメジメした場所というくらいしかひねれませんでした。


本当は腐葉土とか何かミミズっぽいの使いたかったんですがうまく組み込めず結果狼モドキが犠牲になってしまいました。


ちなみに肉食ミミズが緑色っていうのは使役魔法の光かたと別けるためです。


次回は一週間以内にはUP させたいです。


応援よろしくお願いしますm(__)m




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