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使い道

GWは時間が取れず投稿が遅れてしまいましたorz これからは随時書いて投稿していきます。

お気に入り件数435突破!

皆さんに読んでいただけて本当嬉しいです。



もぐらモドキを連れて集落に帰ってきた。


皆足取りは重い。


雨のせいもあるが、行きより帰ってくるのに時間がかかったのには理由がある。



もぐらモドキの足が遅かったのだ。



連れて帰ろうとしたが、足が短く歩幅が狭いためいかんせん遅い。


ならばと地中に潜って付いて来いと命令してみたら、スピードは上がったが今度は幾らか進むと動きが止まる。


どうやら地中移動は体力の消耗が激しく、すぐ疲れてしまうようだった。



仕方がないので進んでは休憩、進んでは休憩といった感じで思ったより時間がかかってしまった。



(うーん、使いづらい…)



移動に時間がかかった分、キングのもぐらモドキに対する評価は下がっていた。


身一つで穴を掘れるというのは、工作員としては優秀である。


潜って移動すれば移動中も敵に気付かれずに敵地で工作できる上に、地面の下から現われて奇襲などもできるからだ。


ただ元々の体力が少ないため機動力に問題がある。


それでも集落まで連れ帰ってきたのには別の使い道を考えたからだ。


到着後、まずもぐらモドキに体力回復を命じる。


今から働いてもらうためにも、まず万全の状態にさせる。


集落にいたゴブリン達に槍に使うものより二回り太く頑丈な木と長い蔦、2人で運べる程の重さの石を4つ集めるよう指示する。


集めてくるまで暫く時間がかかるため、食糧係りに貯蔵場所から肉を持ってこさせ今回付随させた精鋭部隊に振る舞う。



(これからも私のために働いてもらわなければならないからな)



キングは貴重な戦力には労力も惜しまない。



ついでに横で仰向けに倒れて休んでいるもぐらモドキにも肉をやると、喜んで喰っていた。



どうやらもぐらモドキは肉大食漢のようだ。


あんだけ喰って役に立たなかったら、喰われる側に回ってもらおうと一人考える。


飯を喰い終わる頃にはゴブリン達が森から帰還し集落の真ん中に木や蔦、石などが積まれていた。



(これだけあれば十分だろう)



さっそくもぐらモドキに穴を掘るよう命令する。


色々指示しながらの作業であったが、なんとか掘らせる事が出来た。


訓練も兼ねて、細かい仕上げはゴブリン達にやらせる。


キングはゴブリンに仕上げを任せると、別の作業を開始していた。


まず木を十字に置くと、中心の部分を木と一緒に取らせてきた蔦を使いきつく結んでいく。


慣れた手つきというわけではなかったが、漢字の田の文字を沢山くっつけたようなものを完成させた。



「ギェギィ!」



丁度あちらも完成したようだ、ゴブリンがキングに声を掛けにくる。


見に行くと、縦横2m深さは3m程の穴が出来ていた。


その上に先程キングが蔦で編んで作ったものを乗せると、四隅に持ってこさせた石を置く。



簡易の檻の完成だ。



こちらの世界にくる前、何かの戦争映画で見たことがあったので作ってみた。



深さなど対人間用に作ったので、これで捕虜にした人間を長期間集落内に拘束しておくことができる。


捕虜はジワジワ拷問して情報を聞き出すためもあるが、やはり食糧は新鮮な方がいいからだ。


無事に一仕事終えてもぐらモドキの評価を少し上げておいた。



これで当分食糧にはならないだろう。



ただよく喰うだけに食糧の確保には気をつけなければならない。



作業を終える頃には辺りは真っ暗になっていた。





以前手に入れた火打ち石を使って火を起こしてみた。


いつもは魔物の生肉を喰らっていたので今日の夕食は焼いてみようと考えたのだ。


火の中央に拾ってこさせた平らな石を置く。


別に生でも喰える体なのだが工夫は何にでも必要だろう。


隣りに座っていたザンギが、キングの手にある角兎の肉をチラチラと見ている。



「ソレ クウカ?」



「まだだ、こうするんだ」



キングは火の中心に置かれた石の上に角兎の肉を乗せた。



ージュウゥゥゥー



辺りに心地良い音が響く、ザンギもジッと肉を見つめている。


塩胡椒なんて気の利いた物はないが、まぁいいだろう。


暫くすると肉が焼ける匂いが漂ってくる。


ザンギがヒクヒクと鼻を膨らましていた。



肉を焼くという習慣がないだけにこの匂いは魅力的なようだ。



ひっくり返し両面を焼くと、ナイフを使って切っていく。


焼き加減はミディアムにした、角兎は肉が引き締まっているのであまり焼くと硬くなりそうだったからだ。


熱々の肉汁滴るそれをナイフで突き刺すと自分の口の中に運ぶ。



(美味いっっ!!)



生肉が不味い訳ではない、ただ焼くという行為、温かい食事というのはやはり格別だった。


これはゴブリンや人間でも同じ感覚なのだろう。


ただそれをするかしないかの違いでしかない。



(ソレ クイタイ…)



石の上から一切れ取るとザンギの口に入れてやる。



(ウマ¨ァァァー)



ホフホフ言いながら鼻の穴を膨らませている。



どうやら気に入ったようだ。


ふと見ると、いつの間にかキング達2人を囲むようにゴブリン達が集まっていた。


どうやら匂いに釣られて来たようだ。


皆がヨダレを垂らしている。



(まぁたまにはこんな事もいいか…)



近くのゴブリンに貯蔵場所から肉を持ってこさせると、キング自ら次々と焼いていく。




ゴブリン達がまだかまだかとジッと肉を見つめている。



意外と世話好きな一面を見せるキングであった。





もぐらモドキには集落で働いてもらいました。


少しづつ話しが進んでいってる感じですが、次で少し時間を飛ばしたいと思ってます。

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