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第1話 二人っきりだね。ずっと会いたかった。

 球体スフィア。ロボットミラーの暮らしている街。


 二人っきりだね。ずっと会いたかった。


 神様は人をお作りになり、人は人の形をしたロボットミラーを(神様の真似をして)作った。


 ロボットミラーが生まれてから百年後。


 人が作り出した『人の形をしたロボットミラー』たちの暮らしている巨大な透明な泡のようなドームに包まれた自然豊かな緑の森の中にある街スフィア。(スフィアはロボットミラーたちの街の中で一番大きな街だった)

 その中央にあるピラミッドの形をした建造物の中にある大きな白くて丸い形をした部屋の中に二人のとても美しい(まるで天使のようだった)ロボットミラーの女性がいる。

 丸い部屋の中心にある丸いテーブルの上には『白い箱ボックス』が置いてあった。

 白い箱ボックスはとても貴重なものを持ち運ぶために用意される、とても頑丈で、法的にも勝手に開けることが禁止されている、神聖な箱だった。

 白い箱ボックスの『蓋は開いている』。

 そして中身はからっぽだった。

 誰かがもう、『白い箱ボックスの中身を取り出している』のだ。

「どうして私たちは人の形をしていて、人の真似をして、人と同じような道具を使って、人と同じように泣いたり笑ったりして、人と同じような生活をしていて、人と同じような街に住んでいるのでしょうか? その答えは私たちが人が作り出したロボットミラー、つまり、『人の心と形を写す鏡』だからです。

 きっと人の科学とは、あるいは人の好奇心や探究心とは、もっと言えば宗教とは、神様を信じる心とは、『人』を生み出すためにあったのです。人が人と同じ心と同じ形をしたものを作りたいと思い、願ったことが科学だったのです。人の科学は私たちロボットミラーを作り出すためにあったのだと思います」

 スフィアの市長であるロボットミラーのむーむーは丸い部屋の壁一面にある透明なガラスの向こうに広がっている美しいスフィアの街を見ながら(ゆっくりとした口調で)言った。

 むーむーは腰まである白い髪に白い体をしている。大きな瞳は青色だった。

 むーむーはゆったりとした白い服を着ている。(まるで古い時代の哲学者や、あるいは巫女のようだった)

 その見た目は人にそっくりだったのだけど、あまりの美しさにどちらかと言うと人よりも、(完璧な造形をした)お人形のように見えた。

「もし、その通りだとしたら、では私たちロボットミラーはなんのためにこの世界に生まれたのでしょうか? 私たちは鏡に写っている虚像に過ぎないのでしょうか? 私たちはただの幻なのでしょうか? それともそうではなくて、私たちには本物の心と形があるのでしょうか? 私たちは『命と呼べる存在』なのでしょうか?」

 白い椅子に座って、むーむーを見ているびーびーは言った。

 びーびーは耳が出るくらいの長さの金色の髪をしていて、瞳は青色だった。やっぱり、むーむーと同じように人とそっくりだったけど、美しすぎてお人形のようだった。(あるいは、まるで中世の物語の中に出てくるお姫様のようだった)

 むーむーと同じようなゆったりとした白い服を着ているけど、びーびーは綺麗な足を太ももまで見えるくらい大胆に出していた。

 むーむーは振り返って、びーびーを見ると、ちょっとだけ悲しそうな顔をしてから、「それは、残念ですけど、私にもよくわかりません。でももしかしたら『その質問の答え』を見つけるために、私たちロボットミラーは生まれたのかもしれませんね」と、そう言って、とても優しい(まるでお母さんみたいな、あるいは女神さまみたいな)顔をしてにっこりと笑った。

 ロボットミラーたちの中で一番の天才と言われるむーむーにわかりませんと言われてしまったので、びーびーはそれ以上、もうなにも言うことができなかった。

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