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異世界で配信してたら神々がスパチャしてきた  作者: def
第二章

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最終話 維持神

いよいよクライマックス!


世界は、静かだった。


終わるという概念そのものが、今は宙に浮いていた。


空に浮かぶのは、

飴玉ほどの球体。


無限の事象。

生まれようとする世界。

形あるものの“なりそこない”。


すべてを押し込めた、

圧縮の極致。


ラグニエルは、空中で膝をついていた。


『……ここまで』


『これ以上は、私でも――』


声は、かすれている。


神々は、誰も口を挟まない。

スパチャ欄も、沈黙していた。


それは恐怖ではない。

理解だ。


今、世界の行方を決めるのは

神でも、王でもない。


地上に立つ――

一人の配信者だった。


カナトは、空を見上げる。


その瞳に、怒りはない。

破壊衝動も、もう暴れていない。


ただ――

制御不能の小さな球体を

見つめていた。



その一歩で、

カナト=ダラは、空へ跳んだ。



誰も、止められない。



カナトは、球体を手に取る。


重い。


カナトは、笑った。


「……めんどくせぇな」


そして。


球体を、口に放り込んだ。


《!?》

《え》

《飲んだ!?》


喉を通る。


抵抗はない。

暴れもしない。


ただ、中で――生まれ続けようとする。


同時に。


破壊衝動が、壊し続けようとする。


壊せ。

壊せ。

壊せ。


だが


壊れない。


いや――

壊させない。


カナトは、深く息を吸う。


「……うるせぇ」


体の奥で、

破壊と生成が、ぶつかり合う。


だが。


どちらも、消えない。


どちらも、勝たない。


その瞬間。


世界が、ふっと軽くなった。


《全知神オルメギア》

『……安定』


《戦神バルド》

『はは……そう来たか』


《魔王ゼル=ヴァルド》

『壊さず、壊れず』


《精霊王イリシア》

『……ほんと、最悪で最高』


ラグニエルが、空から降りてくる。


その表情は、疲れ切っているが――

どこか、安堵していた。


『……名を呼ぶなら』


『維持神というところか』


カナトは、肩をすくめる。


「神とかやめてくれ」


「俺は配信者だぞ」


その瞬間。


世界が、巻き戻る。


壊れた王都。

崩れた大地。

倒れた人々。


時間ではない。

“元に戻る”という事象だけが、再定義される。


エイリンは、地面に座り込んでいた。


体に傷はない。


ただ、震えながら

カナトを見上げる。


「……おかえり」


カナトは、少しだけ照れて言う。


「ただいま」


同時視聴者数:

――0


配信は、いつの間にか切れていた。


誰が切ったのかは、わからない。


でも。


それでよかった。


世界は、救われた。


神々は、引き際を知った。


扉は、もうない。


ノックも、聞こえない。


ただ一人。


破壊と生成の狭間で、

バランスを取り続ける存在がいる。



だが本人は。


今日もきっと、言うだろう。


「炎上? 上等だろ」


「数字は、力だ」


世界は、続く。


壊れながら。

生まれながら。


――ちゃんと。



お付き合いありがとうございました!

これからも応援よろしくお願いします!

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