表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で配信してたら神々がスパチャしてきた  作者: def
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/39

34. 引き金


拡散は、始まった。


切り抜き。

同時視聴。

切迫した空気。

世界の危機。



《#カナト生存戦争》

《#同接1億耐久》

《#神々VS形ある王》


数字が、跳ねる。


20,000,000

23,000,000

30,000,000


世界中の画面に、同じ配信が映る。


《見に来た》

《なにこれ本物?》

《神とか出てるんだけど》



「禍々しいもの」がカナトを襲う。

神々達が撃ち落としていく。


形ある王は、その様子を楽しそうに眺めていた。


「面白い」


「恐怖は、最も拡散されやすい」


彼は、軽く指を鳴らす。


パチン。


空間が、開いた。


カナトの目の前に、

“何か”が落ちてくる。


どさり。


鎧は砕け、

血に濡れ、

それでも――生きている。


「……エイリン?」


彼女だった。


息は浅く、

体は裂け、

それでも意識は、ある。


「人間にしては、よく耐えた」


形ある王が、淡々と言う。


「強度があったから」


「壊すのに、時間をかけた」


エイリンは、かすれた声で笑った。


「……配信……続いてる?」


その瞬間。


カナトの表情が、消えた。


《嘘だろ》

《やめろ》

《マジでやめろ》


同時視聴者数:

45,000,000

50,000,000


「ほら」


形ある王は、両手を広げる。


「盛り上がってきた」


「もっと、数字が欲しいだろう?」


エイリンの体が、きしむ。


じわじわと。

壊さない。

殺さない。


“視聴に耐える形”のまま。


カナトの拳が、震えた。


「……やめろ」


形ある王は、首を傾げる。


「なぜ?」


「君は、数字が欲しいんだろう?」


次の瞬間。


――音が、消えた。


風も。

戦場も。

コメントも。


カナトは、ゆっくりと顔を上げる。


目が、完全に冷えていた。


「……ラグニエル」


《創造神ラグニエル》

『……』


「もういい」



同時視聴者数:

78,000,000

85,000,000


形ある王が、初めて僅かに身構える。


「……何を、する?」


カナトは、一歩前に出る。


そして、はっきりと言った。


「=ダラを解放しろ」


世界が、止まった。


《全知神オルメギア》

『……』


《戦神バルド》

『ついに、か』


《魔王ゼル=ヴァルド》

『封印解除は――』


ラグニエルの声が、震える。


『それをすれば』


『世界は、一度――壊れる』


「知ってる」


「だから、頼む」


「壊せ」


カナトは、エイリンを見下ろす。


「……もう、十分だ」


同時視聴者数:

99,200,000



闇の奥深く――

鎖が、限界を迎えていた。


ギィ……。


34話 完


次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ