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トータルエクリプス

天の砦に、声は届かず

作者:早坂知桜
後宮に似た施設「月の庭」

陪花・白雪(シアノ)が星まつりの最中に倒れた。
小皿に添えられた菫の砂糖漬け──そこに仕込まれていたのは、幻夢薬を反転調整した“人格破壊毒”。
命を奪うのではなく、精神を砕き、“陪花として咲かせぬ”ための毒であった。

制度の帳簿からは証拠が抜かれ、流通の経路も霞のように消されていた。
だが天樞・カミーユは静かに怒りを燃やし、星の座たちの沈黙の中に刃を抜く。

「わたくしの陪花を殺そうとした──それがどういう意味かわかっている?」

副管理人ロナを制度の表へと引き出し、処断を宣言するカミーユ。
その言葉は星々すべてに向けた警告であり、背後で動く“見えない主犯”に対する牽制でもあった。

天璇の主花・アーシュラは黙し、緋の司は微笑み、誰もが何かを知っていながら沈黙する。
この庭では、叫んでも声は届かない。
制度の裏に張り巡らされた選別と嫉妬の網――その中で白雪は、ただ生き延びようとしていた。

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