親友天城遼
昼休み、バスケ部のエース・**篠宮蓮**が現場に声をかけてきた。
「三崎、お前、生徒たちと一緒に選挙活動してるんだってな?」
「え? あ、うん」
「だったら、バスケ部にも参加してくれよ。選挙活動としてな」
「えぇ……俺、バスケ得意じゃないんだけど……」
「なら、代わりに天城、君が試合に出ろよ」
「お?」
遼が不敵な笑みを落とす。
「お前と勝負するの、久しぶりだな」
篠宮はボールを軽く振り返りながら言った。
「仕方ないな。いっちょやりますか、篠宮」
遼も笑いながら腕を回す。
(……え、なんか、すごく『メインバトル』っぽい展開になっちゃう!?)
「おい聞いたか、天城先輩と篠宮先輩が1on1やってるってよ!」
どこからともなく噂が広まり、昼休みのバスケットコートには生徒たちが集まり始めた。
僕はその様子を見ながら思った。
(これ、僕の選挙活動のはずだったはずなのにな……)
(いつの間にか、遼がメインになってるぞ……?)
こんな僕の戸惑いをよそに、試合が始まりました。
圧倒的なスポーツセンスを見せる遼
「いくぜ、篠宮!」
遼はドリブルを開始すると、一瞬でディフェンスをすり抜け、華麗なレイアップシュートを決めた。
「おおっ!!」
「速すぎる……!」
周囲の生徒たちが歓声を上げる。
(あいつ、なんでバスケ部じゃないのに、そんなに動けるんだ!?)
遼のプレーはまるでスポーツ漫画の主人公だった。
まあ、篠宮も負けてない。
「どううだ天城、やっぱりバスケ部にはいらないか?」
「俺は自由に動きたいタイプなんでな」
「……だが、次は入れさせないよ!」
篠宮が本気を出し、スピードを上げる。
遼 vs 篠宮の1on1は、周囲の注目を集め、昼休みの最大のイベントになっていた。
最後の一点、決めるのは―
「天城先輩、カッコよすぎる……!」
「なんか、これもう試合じゃなくて、青春のバトルみたいになってない?」
見ていた女子たちが盛り上がる中、試合は9対9の同点。
残り時間はわずか。
「決めた方が勝ちでいいよな?」
篠宮がニヤリと笑う。
「望むところだ!」
遼がドリブルで入り込む。
篠宮が鋭いディフェンスを仕掛ける。
(遼、どうする――!?)
次の瞬間――
「……キュッ!」
遼はフェイントで篠宮をかわし、綺麗なフォームでジャンプシュートを放つ。
――スパッ!!
「決まったぁぁぁぁ!!!」
コート中に歓声が響き渡った。
「はぁ、やっぱりすごいな……」
篠宮が息を切りながら言う。
「当然だろ?」
遼は額の汗を拭きながら笑う。
(……これ、もう僕の選挙戦じゃなくて、『遼のスポーツ伝説』になってない?)
僕はそんな遼の姿を見ながら、心の中で確信した。
(ああ、やっぱりコイツ、「主人公だわ……」)
「天城先輩、かっこよかったです!」
「さすがです!」
「今度、一緒に練習しませんか?」
試合が終わって、女子達が遼を囲み始めた。
「いやいや、俺はただ選挙活動を頑張ってるだけだから!」
「それがカッコいいですよ!」
(……いやいや、どう考えても選挙関係ないだろ!)
この状況を見た一条さんが、僕に肩をぶつけた。
「三崎くん、大丈夫だよ。遼くんは遼くんで、しっかりとあなたの選挙活動を盛り上げてくれたんじゃない?」
「う、そうだったけど……」
(主人公力が強すぎるせいで、俺の影がますます薄くなってるんだよなぁ……)




