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友情アピール

 遼と村瀬が「友情アピール」を強化するにつれ、校内では「三崎悠斗=3人の中心人物」というイメージが広まりつつあった。

 昼休み、廊下で聞こえてきた女子たちの会話。

「三崎先輩って、あの二人の絆を支えてる感じでめっちゃ素敵だよね!」

「天城先輩と村瀬先輩、あんなに仲良いのに、間に三崎先輩がいるとバランスがいいよね」

「悠斗先輩、なんか頼れる感じがする!」

(頼れるも何も、僕は振り回されてるだけなんだけど……)

 注目が集まる中、天城遼と村瀬翔太はさらに行動をエスカレートさせていく。


 ある日、遼が昼休みに教室の机に立って大声を上げた。

「おいみんな! 俺たちの友情がどれだけ熱いか、今日放課後のサッカー試合で見せてやるからな!」

「……なんでそんな話になるんだよ」

 僕が呆れた声を漏らすと、村瀬が淡々と言った。

「天城が提案したから、俺も付き合うだけだ」

「お前たち、注目されるの楽しんでない?」

「悠斗、お前も来いよ! お前が応援してくれたら、さらに盛り上がるだろ?」

 遼は満面の笑みを浮かべて僕を巻き込もうとする。

「いや、僕は別に……」

「彩花ちゃんも一緒に行こう!」

 一条さんが加わり、結局僕はまたしても流される形になった。


 そんな中、生徒会副会長の西園寺咲先輩が再び動き出した。昼休み、僕を生徒会室に呼び出した彼女は、微笑みを浮かべながら話し始める。

「三崎くん、友情プロジェクトが学校全体に良い影響を与えているわね」

「良い影響って……ただ騒がしいだけじゃないですか?」

「それが大事なのよ。生徒会長には、学校の雰囲気を活気づける力も必要なの」

「……それ、僕がやってることになるんですか?」

 先輩は頷きながら続けた。

「あなたが中心にいるから、天城くんと村瀬くんの行動が注目されているの。そして、それを学校全体の団結に繋げるのが私の目標よ」

「目標って、生徒会長選挙の話ですか?」

「そうよ。三崎くんの行動を、選挙活動の一環として活用しましょう」

「……そんなつもりじゃないんですけど」

「謙遜しないで。あなたがいるだけで周りが動いているのは事実よ」

 先輩の言葉に押され、僕は返事を曖昧にするしかなかった。


 その日の放課後、遼と村瀬が校庭でサッカーの試合をしているのを、僕とクラスメイトたちが見守っていた。

「おい翔太、もっと本気でやれよ!」

「お前こそ、軽く流しすぎだ」

 二人が楽しそうにボールを蹴り合う様子は確かに見ていて面白い。だが、突然のことが起きた。

 ボールが校庭の端に転がり、取りに行った遼が戻ってくる途中で何かを見つけた。

「おい悠斗、こっちに来い!」

 遼が僕を呼ぶ。

「何だよ、また変なことじゃないだろうな?」

 嫌な予感を抱きながら近づくと、遼が指差した先には、他校の生徒らしきグループがいた。どうやら校庭を通り抜けようとしていたらしい。

「お前ら、ここはうちの学校だぞ! 無断で入るな!」

 遼が声を上げると、相手は少し挑発的な態度を見せた。

「別に悪いことしてないだろ? お前ら、何でそんなにピリピリしてんだ?」

 村瀬も遼の横に立ち、冷静に言った。

「天城、落ち着け。話をして帰ってもらえばいい」

「悠斗、お前も何か言えよ!」

 遼が僕に振る。

「何かって……いや、ちょっと待って。これ、僕が巻き込まれるやつじゃん!」

(こんなことで注目されるの、絶対嫌なんだけど……)


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