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【悲報】レベル1の妹。兄の装備でダンジョン配信を始める。(84億円相当の激レア装備で最下層スタート、未確認ドラゴンに遭遇した模様)  作者: 高瀬ユキカズ
フレイムドラゴン討伐編

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15/121

第15話 ドラゴンの最期

 逃げて、逃げて、逃げまくる。

 ドラゴンのブレスは、計12回。12回でいったんは打ち止めということだ。

 次のブレスまでの時間はわからない。

 そして洞窟の奥に引っ込んだ私に対して、何もできないドラゴンの苛立ちは頂点に達しているだろう。


 まあ、そうだよな。

 わざと怒らせているのだから。

 ドラゴンは思いっきりマグマを口に含み、上層から流し込んでくる。

 だけど、きっと喉の奥まではマグマの熱から保護されていないはずだ。


 さすがのドラゴンにも必ず弱点がある。

 どこもかしこも硬いなんてことは絶対にありえない。もしそうなら、勝つのは不可能だ。

 しかしまあ、誤算というか、予想通りというか。

 このフレイムドラゴン・ロードはロードの名を冠するだけあって知力が高い。


 フレイムドラゴン・ロードのいる場所はマグマが溜まっていて、その周囲が壁になっている。壁には洞窟の入り口がいくつも口を開けている。

 その口をドラゴンは最初に岩で塞いだのだ。

 そして、今は上層からマグマを注ぎ込んでいる。

 すると、まずは地下215階がマグマで満たされるだろう。次に、地下214階、地下213階が沈む。

 最後に地下212階。

 時間こそかかるが、私が移動できる範囲は完全になくなる。


 どうやらマグマはさらに下の層から湧き出ているらしい。ドラゴンがマグマを汲み上げたところで、その分は補給される。


 私はドラゴンに見つからないように、こっそりと顔を出す。

 ダンジョンデバイスをドラゴンに向ける。

 なるほど。

 マグマを口に含んでいるだけあって、ドラゴンも無傷では済んでいないようだ。


 HPは99.4%、99.3%、99.2%と僅かずつだが減っている。つまり、喉はマグマに耐えきれず、当然、飲み込むこともできない。マグマを飲めば致命傷になりかねないはずだ。硬い皮膚の内側は弱いのだ。


 もちろん、私が魔物石を埋め込んだ右眼もね。


 マグマを飲み込ませるのは難しいだろう。狙うのは右眼だ。ここしかない。


 フレイムドラゴン・ロードがマグマに顔をつけないことはわかっている。右眼からマグマが入れば致命傷になる。だからこそ、私は奴の頭を下げさせ、マグマに沈めなければならない。


 作戦はうまくいくだろうか。

 そもそもこの作戦が成功する保証なんてどこにもない。


 私の罠が発動し――。

 思惑通りにドラゴンの頭を下げさせ――。

 そして、傷を負った眼球にマグマを注ぎ込む――。

 そんなことが可能なのだろうか?


 魔物石を使って?

 ドラゴンがマグマを注ぎ込むことを予期して?

 洞窟の入り口を塞ぐことを見越して?

 そして、いつでも破壊できるように仕掛けをして?

 やるだけのことはやった。もう、あとは見守るしかないのだ。


「では、カウントしましょうか」


》その前にどういう作戦か説明してよ

》ハルナっちの邪魔しちゃだめだよ

》さっき見始めたばかりで状況がわからない

》誰か 説明plz


「5」


》アイテム生成で爆発玉を作った

》爆発玉を洞窟の出口全部に置いた

》それじゃ、モンスターすら倒せないよ

》別にいいんだよ 岩を割るだけだから


「4」


》魔物石は? ドラゴンの右眼に埋め込んだやつ

》あれ、使えねー。ゴミアイテムじゃん

》モンスターをポップするやつ?

》ポップ数は乱数だったよね? でも最低10匹は湧く

》ああ、そういうことか

》そういうこと

》頭いいね


「3」


》ドラゴンに、通路をマグマで満たしてもらったんだ

》それを一気に放出ってことか なるほどね


「2」


》でも意味なくない?

》ドラゴンの右眼を狙える?


「1」


 着火……


 私は地下212階の高さから、フレイムドラゴン・ロードを見下ろす。

 マグマは十分に溜まっていた。

 地下215階、214階、213階の洞窟の出口が次々と爆発し、ドラゴンに向かってマグマが放出される。

 その時だった。フレイムドラゴン・ロードの頭部が、強力な力で押さえつけられたかのようにマグマの海へと沈んだ。

 奴の右眼の中では地下215階のモンスターがポップしている。当然ながら、モンスターの層間移動はできない。ドラゴンの頭ごと、地下215階の高さで固定されたのだ。

 頭を上げようとするフレイムドラゴン・ロード。見えない何かに押さえつけられるかのように、首が上がらない。

 その間にもマグマが奴の元へと流れていく。ドラゴンの体が、頭ごとマグマに埋もれていく。

 グ、グオオオォ……

 悔しそうにドラゴンは声を漏らす。

 右眼にマグマが触れる。

 グギャガガガ……………………

 それと同時にポップされたモンスターも死んだのだろう。少しだけドラゴンの首が上がった。けれど、すぐに次のモンスターが産み出された。

 がくっとドラゴンの首が落ちる。

 マグマはドラゴンの右眼へ流れ込む。

 グギャガガガ……………………

 グギャガガ……………………


 地下215階のモンスターは上層に運べない。これはドラゴンをしても不可能なことだ。ダンジョンの摂理には何者も逆らうことはできない。よって、フレイムドラゴン・ロードは頭を持ち上げられない。

 奴が死ぬのが先か、魔物石の効果がなくなるのが先か。

 ドラゴンの右眼の中で、モンスターが生まれては死んでいく。


 グギャ……………………

 グギグ……

 グ……


 フレイムドラゴン・ロードが動かなくなった。


 おそらくマグマは脳へと達しただろう。脳を焼き、フレイムドラゴン・ロードは絶命した。

 終わってみるとあっけないものだ。


 見下ろす一面はマグマの海。

 そこに沈むのは巨大な龍の死骸。


 ダンジョンデバイスをフレイムドラゴン・ロードへ向ける。

 残存HP0%


 私は勝利した。


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― 新着の感想 ―
凄い殺り方しましたね…!? 色んな小説が世の中に有りますが、こういう手段はかなりレアな手法だと思います。
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