出世祝いのケーキと死神の秘密
えー、作者の白虎さんです。投稿が遅れたのですが理由としてはなぜかなろうにログイン出来ないというよく解らないことになっていました。すいません。あと今回は説明回みたいなものなのでいつもの半分くらいのボリュームとなっております。もしその方が読みやすいのならこれからも3000~4000字ほどで書こうと思います。それではまたあとがきでー
コウ、元気ですか?俺もたまに冥界に(仕事で)行くようになりましたが会うことはなかなかありませんね、俺はまたあなたと逢えるように今の仕事を頑張ろうと思います。今俺は……
ハイルとケーキを作っています。
「ハイル変わって!疲れた!」
「ハーッハッハッハ、愉悦愉悦。」
「何が愉悦じゃ早く変われよ!」
そう言って俺は泡立て器をハイルにぶん投げた。
……………………
数時間前
「うーんレン君も「朱」ですかぁー時の流れは早いものですねぇー。」
「いや、俺が人間なのもあって早出世なだけじゃない?」
「それもそうですねぇー……そうだ。」
ハイルは顎に手を当ててしばし考えてからこう言った。
「レン君の出世祝いにケーキでも作りましょうか。」
「まじかよ……」
俺は甘党だから嬉しかったしハイルがケーキを作っているところを見られるということに歓喜した。
ハイルがこれから手作りでケーキを作ると考えていると
「出来ましたよレン君。」
「……え?」
ハイルの手のひらには大きなお皿があり、その上にホールのイチゴショートケーキが載っかっていた。……そうだった、ハイルは自身の能力で大体の物を創れるんだった。
「…?……食べないんですか?」
「いやさ、何か味気無いなって。何て言うんだろう……手作りしてるところが見たかった感ある……なんかさ、味気無くない?」
「ケーキだけに?」
俺はしばらく頭からそのしょーもないギャグが離れなかった。
……………………
「それじゃあレン君が手作りでやれって言うので作りますか。」
「おー!」
と意気込んでみたもののケーキなんてまともに作ったことなんて無いのでハイルに色々(いろいろ)教えて貰いながら作った。……まぁ混ぜる作業が結構辛くて翌日腕が上がらなくなったが。
「ボウルに卵の殻が入っちゃった……」
「ピンセットありますよ。」
「おおぅ…大体の物創れるって便利だな……」
「何時かはレン君も出来るようになるかも知れませんねぇー。」
「だといいんだけどなぁ。」
「おやおやぁー?初めての挑戦で五芒星のワープゲートを作れているのに先行きが不安ですかぁー?」
「うん…まぁそれはそうなんだけど……」
「それではレン君にこれを渡しておきましょう。」
「ありがとう…ってなにこれ?杖?」
ハイルから渡されたものは紛れもなく杖だった。これには何の意図があるのかと考えていると
「それはレン君に先代の「朱」、エンジさんが遺した物ですよ。レン君は初めてで知らないので説明しておきましょう、ワタシが昔ハヤテさんに「睡蓮刀青峰」を渡したことは知っていますね?」
「うん。」
「ワタシはこの時に直属の部下である朱の死神達に各々(おのおの)宝具を渡し、それを継承することにしたのだぁーよ、そしてエンジさんに渡され、今レン君に継承されたその杖が宝具、「時杖木暦」です。エンジさんは元々(もともと)「紫苑」の死神だったのでそれに合わせた能力を有しているのだぁーよ。」
「能力…?」
「えぇ…時杖木暦の能力は対象を軽く叩くことであるべき老いを与えるのだぁーよ。そしてポプラのように僅かな風でさやめくような音がなりますねぇー。」
…………え?
「……それめっちゃ使いづらくない?あとそれ仕事でどんなシチュエーションの時に使うの?」
「えぇそれは過剰な能力を必要としないエンジさんに形式上与えた物ですからねぇー、あ!でも持ち主に合わせて自在に伸縮するので使い易いですよー。それにこれをついて歩くと杖がそよそよさやめくので風格は出るかもしれませんねぇー。」
俺はおじいちゃんか
「使いやすいってそういうことじゃないんだけどな……まぁありがとう、ハイル。早く俺もMPを使いこなせるように練習するよ。」
「そうですねぇー、楽しみにしてますよぉー。」
そんな事を言っている間にケーキが焼けた。
……………………
俺の出世パーティー…とは言ってもケーキを食べるだけだったが……にはハヤテさんとアニマさんも来てくれた。
「ワタクシもレンさんをお祝い出来て嬉しいです。」
「アタシを呼んだんだ、何か美食、あるんだろうね。」
「アニマさん、ハヤテさんも!わざわざありがとうございます!」
ケーキを食べながらハヤテさんとアニマさんから近況報告を聞いた。アニマさんは最近冥界に来た魂を死神になれるように教育し始めたらしい……というのもアニマさんの仕事は最早夢見の手紙を届けることではなく次世代の教育係みたいなものらしい。それに物凄く残念な話だがアニマさんの寿命はもうあまり長くないらしい……
「そんな……」
関わる時間は短かいがアニマさんは俺からみても師匠のような存在だった、俺の顔に翳りが映ったのを見てアニマさんは力強く、
「何湿気た顔してんだ、人だろうが死神だろうが何時かは死ぬんだよ……限られた時間の中で煌めくのは人も死神もいっしょさ……それに、アタシはただでくたばる気はないさ。」
そう自信に満ちた顔でそう言い、ハイルに創ったやつでもいいから追加のケーキを寄越せと言って笑った。この死神は人の不安を吹き飛ばすような、なんとも言えない不思議な魅力がある……そう思った。何とか雰囲気を変えようとハヤテさんに前から気になっていたことを尋ねてみた。
「……そう言えばハヤテさん。」
「はい、何でしょうか?」
「ハヤテさんって顔に帯巻いてますよね、何で顔に巻いているんですか?普通お腹のところに巻くような……」
「あぁ、ハイル様から賜ったこれですか?……これは顔を隠すためです、まぁ理由としては他の死神さん達からの求婚を避けるためです。」
「へ?」
「死神の間でも色恋はあります、けれど顔を隠してしまえばワタクシの性別はよく解らないでしょう、ワタクシには心に決めた人がいるので……あぁ長々とすいません。」
そう言えばハヤテさんの性別ってどっちなんだろう、初めて会った時は男性かと思っていたけど着物で微妙に隠されたシルエットを見ると大分華奢にも見える……まぁ深く探らないようにしよう。……因みに昔に性別を気にしないからと求婚してきた死神がいたらしいが丁重に門前払いしたらしい……
……………………
ケーキを食べ終わってハイルが真剣な面持ちになる。
「レン君……」
「どうした?用件は?」
何となくキリッとした雰囲気を醸してみる、
「いや、真面目に。」
「はいすいませんでした。」
「それでは改めて……レン君は「朱」の死神になりました、なのでレン君は「橙」のお付きを最低でも1人…最大で3人受け持つ必要があります。」
「お、お付き……」
「えぇ。」
そう言えば見たことは無いがハヤテさんにもお付きが3人いるし俺もお付きを持たないといけないらしい……俺は今になってやっと死神としての階級が上がったのを実感した。
「お付き…っていっても具体的に誰をお付きにしたらいいんだよ。」
「うーん、そうですねぇー。まず冥界の本局で橙以外の見習いをお付きにするとか、またはあなたの友達でもいいですよー。」
「いやいや、友達にこんな仕事してるって言えないし、そもそも友達ほぼ居ないんだけど……」
なんか言ってる内に悲しくなってきたしハイルは
「あっ、あー……ごめん。」
「やめて!これ以上俺を憐れまないで!オーバーキルしないで!」
「解った。これからは善処することにしようじゃーないか。」
「……頼みます。ぐはっ……」
瀕死で答えてその内冥界に候補と顔合わせするということで一応話は終わった。
登場人物の豆知識のコーナー
・アニマはレンより遥かに甘党(レンもかなりの甘党)
・エンジさんは昔紫苑の系統の死神だった。(今回注目すると紫苑系統の死神の能力がわかるかも)
・ハイルの好物はさばの味噌煮(これさえあれば生きていけるらしい)
それではまた7話でー。