イナズマ走るVライバー
えー、作者の白虎さんです。最近暑さがエライことになったり、低気圧で雨がすごいことになってますね、作者は低気圧敗北組なので絶賛頭が痛い中、この話を書きました。皆さんも体調にはお気をつけ下さい。
PSいいね、感想など頂けると作者が2メートル飛びます。
「レンもこの人好きなんだー。」
「可愛いし歌も上手いしねー。」
「オレこの前コメント読んでもらったー。」
「すげー。」
数人の男女に囲まれて俺は思った。
「何でこうなったんだ!」
……………………
数分前
俺は夏休み明けの学校の休み時間に推しを見ていた。その人の名前は「夢中ライ」、昨今流行りのバーチャル系配信者だ。動画配信サービスの金字塔である「delivery」で活動している。チャンネル登録者も500万人いて、途轍もない人気を誇る。そして一週間後にはデビュー5周年のライブ配信もある。俺はそのオンラインチケットをちゃんと購入していた。8000円したが幸い?普段遊ぶ人も居ないのでお金はあった。……何だか悲しくなってきた。
そんなこんなでスマホで夢中ライの新曲が例のライブで公開されるという情報を見ていたところ、クラスメートに見つかって現在に至る。
……………………
家に帰って部屋で叫ぶ。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁああおわっっったぁぁぁぁぁ!」
「うーん、いつもの事ですが今日は一段と喧しいですねぇー、何か学校で何かあったんですかぁー?」
もぞもぞと俺の布団からハイルが出てきて目で「お昼寝を邪魔するな!」と訴えてくる。いやそこ俺の布団だから!
「クラスメートに潜在的オタクバレたぁぁぁぁ!」
「うーん、それくらいの事で叫ばないでくださいよ折角の108度寝が阻害されるじゃーないですか。」
「煩悩の回数2度寝を繰り返すなよ!……あといい加減布団から出ろ。着物着て布団って暑くね?」
「別にワタシ達死神にとっては普段着みたいな物ですからねぇー、それにワタシはこの有り余るMPで着物を温度管理とか出来るように色々いじってますからぁー。」
やっとハイルが布団から出てきた。この死神結構髪長いのによく寝癖つかないな。
「怒られないの?それ。」
「大丈夫ですよーみんなやってますからぁー。」
いやそんなみんなでやれば怖くないみたいに言われましても。
「おいハイル、寝ぼけてんのかは知らんがいつも以上に間延びした口調になってんぞ。」
「それもそうですねぇー。まぁーあここ最近は仕事も無いですしいいじゃーないですかぁー。」
そう言ってハイルは109度寝のために俺の布団に向かった。
「堕落してんな……ってまだ5時だけど俺どこで寝たらいいの?」
ハイルは顎に手を当ててちょっと考える素振りをする。やがてキメ顔で自分の入っている布団を指差し、
「一緒に寝る?」
「誰が一緒に寝るかバカ野郎!」
ハイルにバッグを投げつけた。
「むはっ!」
……………………
連日クラスは夢中ライの話題で持ちきりだった。最初こそ潜在的オタクがバレたと思っていたがチャンネル登録者も500万人いるのでみんな知っていてオタク扱いはされなかった、それどころかまた一つ人と話せる機会が増えた。
……………………
「明後日は5周年のオンラインライブだー!」
部屋で叫ぶ、相変わらずハイルは俺の布団で寝ていたがそんな事はどうでもいい、オンラインライブに向けて俺は今までのライブ配信を見返していた。特に面白いのが初配信で、かなりおどおど喋っている。当時同時接続者数は企業の関係者を除くと僅か40人しかいなかった。因みに俺はその20人の内の一人でデビューから応援していた。現実ではあり得ない程長く緑色の髪を束ね、大きな瞳は深い蒼、その奥に黄色のハイライトが入っていてこれまた緑と蒼、そして彼女のトレードマークであるイナズマをあしらったアイドル衣装に身を包み可愛い声で歌い、コメントを読み上げてくれる。当時俺は11才だったが、もう少しで2次元の民になるところだった。
そんな初配信を見ていた時、友達から連絡が来た。綴られたメッセージを見ると、
「うっそだろ……」
そこには彼女が所属する企業より、夢中ライがダンスレッスン中に急死したと書かれていた。明後日に控えているライブの料金は希望者全員に明明後日より返金の手続きを行うとも書いてあった。
頭の中が真っ白になった。
……………………
翌日クラスは亡くなった夢中ライの事で持ちきりになっていた。SNSの注目ランキングにも一位のところにあった。
「はぁ……」
「レン君、何もすることが無いなら今日は一緒に仕事を取りに行きませんか?少しは気も晴れるんじゃーないかな。」
「ハイル…そうさせて貰おうか。」
……………………
冥界に着いてハイルと本局に行く、ハイルは仕事の話を聞きに行った。ハイルが受付で夢見の手紙を受け取り説明を聞く。するとハイルは困ったような顔をしていた。
結局その日は仕事を受け取っただけで家に戻った。幻想的なあの空間のお陰で少しはリラックスできた。ハイルに仕事の事を聞くと、
「んー、この案件は過去一番難しいかもしれませんねぇー。いやー、どうしたものか……」
と珍しく頭を抱えていた。
……………………
次の日の夜、ハイルが10時に起こしてきた。
「何だよハイル、朝はまだじゃん……」
「レン君、仕事です。難しい案件なので、少し手伝っていただきたいところだぁーよ。」
そう言ってハイルは夢見の手紙を出した。
「……これって、」
「ええ、そうです。夢中ライさんの夢見の手紙です。」
「え、これは誰宛ての手紙なの?難しいってまた喪中だからってこと?」
「いいえ、喪中が理由ではありません。」
「じゃあ、理由は?」
「理由、というより今回の宛先は……」
次のハイルの言葉を俺はよく聞き取れなかった。
「今回の宛先は、500万人の彼女のファン達です。」
「……え?」
500万人?無理だろ……
「500万人にこの夢見の手紙を届ける方法が果たしてあるでしょうかねぇー。」
「……どうやって…」
今までの夢見の手紙はいつも一対一だった。今回の差出人である夢中ライさんは自身のファンである500万人に手紙を届けたい、そしてライブを見せたいと言っていた。500万人に手紙を渡しに行くか?いやそれはあまりにも時間が掛かりすぎる、ハイルが難しいと言っていたのはこういう事か。
「すいません、私のワガママで……」
ハイルの持っている夢見の手紙がおもむろに喋った。そういえば以前ハイルから夢見の手紙は未練が大きい時、夢見の手紙自体から心の声が聞こえる事があるという。ライさんの未練も相当な物だったのだろう。
「いえいーえ、ワタシ達死神はこれが仕事ですからぁー、差出人である貴女はお気にする事ではありませんよー。」
ハイルはそうキメ顔で言ってみせるが顔には冷や汗が出ている、何も案が無いのだろう、それに今は夜、もう11時になっている。みんな寝静まっている時間だ。今から500万人に手紙を届けることは不可能、ん?夜?
「ハイル……」
「何でしょう?」
「ハイルなら出来るかも知れない、500万人に夢見の手紙を届ける事!」
俺にアイデアが浮かんだ。しかしそれはあまりにも荒唐無稽ハイルに負担の大きな物だった。
……………………
「ワタシのMPを使ってイメージを実現する死神の力を使う…どういうことなんだぁーよ?レン君。」
「ハイルってさ、一番上位の死神なんでしょ?なら出来るハズなんだ。」
「うーむ、そうですねぇー、出来ることには出来ますがいくら死神の力を使ってもいちいち手紙を届けていてはレン君は勿論、ワタシだって死んでしまいますよぉー。」
「いちいちじゃない、まとめてやるんだ!」
「といーますとぉー?」
俺はアイデアを口にした。
「ハイルの力で今寝てる500万人のファン達の夢と夢中ライさんの夢見の手紙を繋げるんだ!」
「……ワタシに死ねと?」
「やっぱり無理か…」
流石に荒唐無稽すぎた。しかし、
「……試す価値はありそうですねぇー、時間も無い…いーでしょう、やってやろうじゃーないか。」
ハイルはそれを了承した。彼にも仕事のプライドはあったらしい。
「ありがとうございます!」
夢中ライの夢見の手紙が強く輝いてそう言った。ハイルはにっこりしていた。
……………………
深夜0時、ハイルは俺の家の屋根に登り胡座をかき、手に夢見の手紙を包んでいる。そして瞑想を始め、作業にかかる。俺は出来ることが無いので帰ろうとすると、
「何帰ろうとしているのですかぁー?レン君、君はこれからワタシを見守る役割がありますよ。」
「そうだね…任せて。」
「それでは、始めようじゃーないか……500万人の夢の同時接続!ライさん…これは過去一番の同接者数ですね…」
「はい、私もがんばります!」
それを最後にハイルは500万人の夢と夢見の手紙を繋げる作業にかかり、ライさんはラストライブへと向かうのだった。
……………………
私は今、本来出来ないハズのライブのステージに上がっている。本当に観客達には見えているのかな?と、いつも以上に緊張する。でも今私…初配信……いやそれ以上にワクワクしてる!皆、見ててね、私のラストライブ!
「みんなー、見ってるー?あなたの心を撃ち抜くイナズマ!アイドルVライバーの夢中ライでーす!今日はみんなの夢の中に来ちゃいましたー!……私は死んじゃったけど、どうしてもこのライブを届けたくて最期に舞い戻って来たの!みんなー、今日は瞬き禁止だぞー!」
あちこちで緑と蒼と黄色のペンライトが煌めき出す、今までもこうしてオンラインライブをしたことはあるがここまで沢山のペンライトが振られているのは見たことがないし、これ程人が集まっているのも見たことがない、それもそのはず、ここは死神さんが創った架空の空間であり、今このライブ会場には500万人がいるのだから!
……………………
「ミュージック、スタート!」
かけ声と共に音楽がなる、ライトが輝く。あのライブの予定通りの選曲だ。今日はいつもよりもっともっと声が出る。歌っている間、私は5年前に思いを馳せた。
……………………
私は5年前、ただの社会人だった、勤めていた会社がブラック、といった訳では無いが毎日毎日同じ時間に起きて同じ仕事をして同じ時間に帰って同じ時間に寝る。規則正しいことこの上無いが退屈だった、ずっと同じ事の繰り返し…何だか人生まで嫌になった頃、スマホのネット記事にバーチャルライバー募集とあった、
「何これ?」
調べていく内にいつも寝る時間を越えていた。私に落雷のような衝撃が走った。こうして生活リズムが少しでも変わったのはいつ振りだろうか?私はその記事のページから、バーチャルライバーのオーディションに応募した。自分でも出来るかな?少しは退屈しなくなるかな?という思いもあった。
オーディションの日、面接練習やらスーツやらを準備して、会場に向かった。何人いるかな?グループかな?単独かな?色々な感情が渦巻きながら会場に入ると、
「え?」
そこには審査員以外誰もいなかった。
「あの…ここで合ってますか?オーディション……」
「はい、合ってますよ。」
……………………
オーディションは淡白なものだった、それもそのハズ私以外候補者がいないのだから……履歴書を見て軽く何がしたいかなんて聞かれてその日は終了。後日採用のメールが届いた。自分の中で大きな習慣が終わったのを感じた。
仕事は売れるまでは事務所が手当てを出してくれるらしいので辞めた。それほどまでに私は毎日が退屈だったのかも知れない。
……………………
そして迎えた初配信、自分のアバターを見て感動した。アバターは幾つかの要望通りに創られており、大変満足行くものだった。緑の長い髪、深い蒼の瞳、その中にある微かな黄色のハイライト。衣装は髪と瞳の色を基調としていて私を象徴するマークであるイナズマを散りばめた素敵なデザイン。イナズマはあの時自分に落雷のような衝撃が来たからっていうのもあったし、自分を見てくれた人に、私がそう感じたように、イナズマを感じて欲しかったからそれにした。
配信開始、挨拶は決めてあった。関係者を除くと同時接続者は20人くらいだったけど上等、
「みんなー、見ってるー?あなたの心を撃ち抜くイナズマ!アイドルVライバーの夢中ライでーす!」
コメントが何件か打ち込まれる。
「おおー、喋った。」
「これ何て言うジャンル?」
「バーチャルライバーらしいよ。」
「声可愛いな。」
自分の声にみんなが反応してくれる。私はそれが途轍もなく嬉しかった!初配信は今に比べると拙く、時間も短かったが、それでも私の中には確かな達成感があった。
……………………
それから一年間、同時接続者数は200人で安定していた。事務所はチャンネル登録者が増えないと収益化が出来なくてこれではビジネスにならない、と現実的な事を言っていた。私は今に満足していたけどそうもいかないらしい。そもそも同時はあまり世間にバーチャルライバーという認識も少なかった。この業界に先人はいない…自分が先人なんだ。
「このままではだめなのかな?」
そういった迷いも出て来はじめた一周年ライブ直前だった。でも、
「いや、こんなんじゃいけない!」
私は一周年に向けて事務所と相談し、これが失敗したらこの仕事を辞めて今まで貰った手当ても全額返済するという条件でオリジナル曲を作って貰うことにした。正に清水の舞台から飛び降りるくらいの覚悟だった。
……………………
「みんなー、今日は集まってくれてありがとー!あなたの心を撃ち抜くイナズマ!アイドルVライバーの夢中ライでーす!一周年ライブ、はっじめるよー!」
ライブは順調に進んでいった。同時接続者数も500人を越えており盛り上がりも上々だった。少しでも知名度を上げるためライブは完全無料で配信のスクショなどもSNSに乗せて良い決まりにした。
一時間のライブも最後の一曲になった。それは事務所に無理を通して作って貰ったオリジナル曲だった。そう、このライブはもともとカバー曲だけで構成されていたのだ。
「みんなー、最後に今日は私、夢中ライのオリジナル曲を披露するよー!」
コメントは驚きの声で満ちていた。初オリジナル曲のタイトルは「雷」、自分のデビュー前から一周年の今までの軌跡をもとにした曲だった。これが失敗したら……と思うと怖くて足がすくむがそうも言ってられない。これが最後だと思って全開で歌った。
……………………
次の日、全開でやったライブの反動で私は起きるのに事務所の電話が12回もかかった。
「少しの間だったけど、楽しかったな。」
自分が夢中ライである間は正に夢の中にいるようでイキイキとできた。
「もしもし、夢中ライです。」
そうだ。自分はもう夢中ライでは無くなるのだ。
「夢中ライさん、delivery見て!」
マネージャーはやっと繋がったと矢継ぎ早に報告してくる。パソコンを開けて自分のチャンネルを見る。
「……!?なにこれ?」
「ライさん、オリジナル曲がSNSで大量に拡散されて、ランキングにも乗っています!」
「ち、チャンネル登録者が……」
チャンネル登録者は昨日まで600人だったのに、18.25万人に増えていた。更に別途動画として投稿していた「雷」は瞬く間にミリオン再生を超え、一周年ライブも再生数が恐ろしい事になっていた。そう、負け確定の博打に勝ったのである。
「私、私……」
「ライさん!あなたこれからもバーチャルライバーとしてやって行けますよ!」
「!?…やった。」
同時接続者数実質2桁から一年間、自分を諦めずに挑戦してきた自分にとって、あの時を超えるイナズマが走った。
……………………
それから5周年の今日まで、色々な事があった。世間にバーチャルライバーという認識が増えてきていつの間にかチャンネル登録者は500万人にまで増え、コメントは全てを読みきれない程流れるように、事務所の手当ても受け取らなくても生活できるようになり、グッズも多数制作された。よそを見ると他のバーチャルライバーの事務所も沢山出てきて、deliveryはあっという間にバーチャルライバーの天下となった。それでも私、夢中ライは常に最前線を走り続けて、5周年を迎えた。
けど私はレッスン中に心臓発作で急死してしまった。毎日が多忙で自分の体調を考えていなかった。死ぬ前に私は、
「ライブだけでもしたかったな。」
それが遺言となった、レッスンはライブのダンスのレッスンだったのだ。
……………………
でもこうしてイレギュラーな形だがライブができている。やっぱり私の居場所はここなんだ!ライブは最初こそ一時間の予定だったが私は知らぬ間に三時間も歌っていた。でも、夢見の手紙がもうあまり長く続かないのを私は感じていた。
「みんな、ライブの前に死んじゃってホントにごめんね。私、もう少し自分の事も考えるべきだったかも知れない。時間ももうあまり長くは無いの、でも、最期まで私……精一杯頑張るから!みんなも置いていかれるんじゃないよー!それじゃー新曲、「夢中」瞬き厳禁だからねー!」
私は5周年ライブで披露予定の新曲を、魂を賭して歌った。
「ミュージック、スタート!」
私今、人生で一番幸せ!
……………………
次の日、SNSでランキングトップに入っていた記事、それはあまりにもあり得ないものだった。それは夢中ライのファンが全員、夢の中で夢中ライの5周年ライブを見たというものだった。これは世間に色々な憶測が飛び交ったりもしたが、世間にイナズマが走ったのは間違いないだろう。そして、夢中ライの5周年ライブの払い戻しを要求する電話は、事務所には一件も来なかったという。もしかしたら、今回の件で一番イナズマが走ったのは事務所なのかもしれない。
……………………
「ハイルっ!ハイルっ!」
ハイルはMPを使い果たし、白目を剥いて倒れた。それは当たり前だろう。あまりにも無茶苦茶な事をしたのだから。500万人との意識を同時に繋ぐなんてバカげてる。でもハイルは死神のプライドでそれをやってのけたのだ。三時間も!
「ハイル、くたばるんじゃねぇぞ!」
緋色の美しい髪は黒が混じり、呼吸すら浅い。俺は冥界の本局をイメージし、ワープゲートを作る。しかし目的地があまりにも遠いのか、俺のMPも殆ど使いきってしまった。でもハイルのためにハイルを担いでワープゲートをくぐる。ハイルは筋肉質でガッチリしているため、80キロはあった。重すぎだろ!
「ハァ、ハァ、ハァ…」
「!?…どうしたのですかレンさん!?それに、ハイル様まで!」
俺がワープした本局の扉に偶然ハヤテがいた。
「ハイルが、ハァ、MPを使い果たしたみたいで、ハァハァ……助けて下さい、ハヤテさん。」
「承知しました。待っていて下さい!直ぐに戻ります!」
そう言ってハヤテは背中に黒い翼を生やし、文字通り飛んでいった。ハヤテを見届けたとき、
「レン君…ありがとうございます……役目を……ちゃんと果たせたようだぁーね…………」
「ハイル!」
しかしすぐにハイルはまた目を閉じた。
数分ハイルを地べたに寝かせるとハヤテが藍色の着物を着た女の死神?を連れてきた。
「此方です!」
その死神はこう言った。
「ハイル、こういう案件はアタシ達に任せれば良いのに、カッコつけやがってもう!あんたは色死神になる前からこうだった……!」
「ハヤテさん、そちらの方は?……」
ハヤテが答える前にその死神は言った。
「アタシかい?アタシは藍の色死神「アニマ」、ハイルと同じ色死神の一角さ!そしてハイルの師匠だよ!ボウズ、よく橙の出涸らしみたいなMPで此処まで来れたね、こいつはアタシに任せな!死なせはしないよ、死神だけどな!」
そう力強く、妖艶に、そして雄弁に語るのだった。
今回の話を考えるに当たって、頭痛と戦った結果、イナズマが走ったような頭痛に進化したので私も今から108度寝して、バーチャルライブを見てきたいと思います。あと、バズった時の18.25万人は365日×5年は1825日(うるう年は無視)になるので、彼女がバーチャルライバーとして活動していた日数の伏線?になってます。それではまた5話でー。