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道具しか召喚できないスキルの俺が、スキル進化で確定ガチャになったとたん世界最強になりました  作者: 紫 和春


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第25話 援軍

 クリスはシーゴブリンと相対する。

 シーゴブリンの群れはクリスの姿を見ると、進軍をやめた。

 クリスは高次元空間小型格納コンテナから30mm重機関砲を取り出すと、シーゴブリンの群れに向かって射撃する。

 前方にいたシーゴブリンは、射撃の衝撃と榴弾の爆発によって吹き飛ぶ。

 クリスが射撃を終えると、そこにペトラとティナが突撃した。

 エレナが後方から攻撃魔法を浴びせる。

 攻撃で隙が開いたところを、ペトラが斬り込み、ティナはぶん殴りに行く。


「はぁっ!」

「でりゃー!」


 最初のうちは善戦していたものの、なにぶん数が多い。

 ペトラとティナは次第に囲まれてしまう。


「まずい!」


 クリスは二人の援護をしようと射撃を試みるが、重機関砲では二人に影響が出てしまうかもしれない。

 その危険性からクリスは射撃できずにいた。

 クリスは重機関砲をしまって白兵戦に移行しようとする。

 すると、その横を何かがすり抜けていった。

 ステファンである。


「サウザンド・カリバー!うらぁぁぁ!」


 ステファンは純白の剣を振るって、シーゴブリンの群れを吹き飛ばしていく。

 そのまま二人のいるところまで突っ込んでいった。


「そこの二人!こっちだ!」

「はい!」


 ステファンの突撃で道が開けた。

 そこを戻るように撤退する。


「助けていただきありがとうございます」

「いいんだよ。君たちなかなかいい素質してるからね、思わず助け出してしまったのさ」


 そういってステファンはペトラにすり寄る。


「特に君は筋がいい。この作戦が終わったらぜひ僕のパーティーに来てみないか?」

「それは素晴らしい提案ですね」


 そういってペトラは剣を握りなおす。


「無事にシーゴブリンを駆除できたら考えます!」


 ペトラはすぐに回答をしなかった。

 その間にも、クリスはシーゴブリンに対して射撃をする。

 重機関砲を撃ちきるところで、エレナと、ステファンに追いついたセシリアが攻撃魔法を繰り出す。

 こうしたところで、シーゴブリンの中央部に動きが見られる。

 どうやら盾を出してきたようだ。


「はっ!今更盾を出してくるか」


 ステファンは鼻で笑う。

 だが、クリスはその盾に違和感を覚える。

 盾となる板に何かが取り付けられているのだ。

 クリスは双眼鏡で盾を観察する。


「なっ!」


 クリスは気づいてしまった。

 その盾には、身ぐるみ剥がされた女性が無残な姿で括りつけられているではないか。

 クリスは思わず、身がすくんでしまう。

 極悪非道とも呼べる行動を取ったシーゴブリンに、クリスは発狂一歩手前まできた。


「クリス?」


 クリスの異常に気が付いたエレナが声をかける。

 クリスは絞り出すように、声を出す。


「奴ら……、人間を盾にしてやがる……」


 クリスの言葉に、その場にいた人は全員盾の異常に気が付く。


「ゲテモノどもめ、心がないのか!」


 ステファンはシーゴブリンに向けて吠える。

 エレナやペトラは直視できないようなのか、目をそらす。

 その場にいる誰もが一歩も動くことができなかった。

 その間にも、シーゴブリンの群れは盾を持ってジリジリとクリスたちに近づいていく。


(くっ!どうすれば!)


 クリスは思考を張り巡らせる。

 どうにかして彼女たちを救出しながら、シーゴブリンを倒す方法がないものか。

 だが、どうにも思い浮かばない。

 近づくシーゴブリンの群れに、クリスたちはゆっくりと後退するしか手段を取るしかなかった。

 その状態が延々に続くかと思われた。

 その時、重武装のシーゴブリンの後ろから何か地鳴りのようなものが聞こえてくる。


「な、なんだ?」


 クリスはそちらのほうを見てみると、土煙をあげて集団のようなものが突っ込んでくる。

 それは馬に乗っているようで、勢いよくシーゴブリンの群れに突撃した。

 なんのためらいもなく、シーゴブリンの群れを一直線に通過する。

 その際、馬に乗っていた人は太刀や薙刀を使って目の前のシーゴブリンを斬っていく。

 そしてそのままクリスたちの目の前で止まった。


「やぁやぁ我こそは、扶桑国の百騎隊が一つ、甲部隊の正成なり」


 先頭にいた男が名乗る。

 そして近くにいたクリスに問う。


「貴殿がエルメラント王国の傭兵か?」

「え、えぇ。そうですけど、フソウって?」

「おっと失礼。海の外では我が国はヤーピン皇国と呼ばれておる」


 どうやら友好国である部隊が到着したようだ。


「して、我らの敵はあ奴らだな?」


 正成はシーゴブリンの群れを指して言う。

 シーゴブリンの群れは混乱しているようだ。


「はい、そうです。しかし奴らは人間を盾にしています。さっきのように奇襲がうまくいくか……」

「ほう」


 正成はシーゴブリンの群れをぐるりと見渡す。


「見たところ、盾に括られているのは、我が国の女どものようだ」

「それならどうするんです?」


 クリスはせかすように聞く。


「何、簡単な事よ」


 そういって正成は太刀を引き抜く。


「全て斬る。それのみよ」


 正成は前に出ると、味方に対して声をかける。


「敵は目前!海小鬼を滅ぼすのみ!」

「おぉぉぉ!」


 そういって甲部隊は攻撃を開始する。

 馬上から弓を引き、それを射た。

 矢は放物線を描いて、「盾ごと」射貫いた。


「なっ!」


 その場にいた冒険者は驚いた。

 それは盾に括りつけられていた女性もろとも射貫いたからだ。

 甲部隊はそんなこと気にせず、シーゴブリンの群れに突撃する。

 突撃後は一方的な展開だった。

 盾が役に立たないことに気が付いたシーゴブリンの群れは混乱を極める。

 その混乱に乗じて、甲部隊は次々にシーゴブリンを斬っていく。

 ものの10分程度で、群れは1割程度まで減った。

 そのままシーゴブリンは海へと戻っていく。


「全てとは行かぬが、まぁ数を減らせただけよかろう」


 正成はクリスたちのもとに戻り、こう話した。


「……どうして」

「何?」

「どうして人質を殺したんですか!もっとうまくやれば助けられたはずなのに!」


 クリスは正成に詰め寄る。

 その言葉はその場にいた冒険者の気持ちを代弁するものだった。


「どうしてというものはない。あ奴らは盾を使った。我らはそれを破った。それだけぞ」


 正成はさも当然のように言う。

 クリスはこれ以上の議論は無駄だと判断し、その場を去る。

 そこに、前衛の近衛師団の司令官がやってきて、話を始めた。

 クリスは重機関砲を高次元空間小型格納コンテナにしまう。


「クリス……」


 そこにエレナ達が来た。


「あいつら、人間をなんだと思っているんだ」


 クリスは一言文句を言う。

 エレナとティナはクリスに同意するように、深刻な顔をした。


「でも見方を変えれば、これも正しい考えかもしれません」


 そうペトラが切り出す。


「彼らにとって、敵を倒すことこそが全て。そこに大局的な勝利があるならば、例え味方が捕らえられていても一緒に斬るという判断ができるのでしょう」


 ペトラは彼らの本質を見抜く。

 そう考えて見れば、彼らの説明も付くことだろう。

 こうして後味の悪い中、シーゴブリンの駆除作戦は終了したのだった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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