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25話 WGA入学試験Ⅶ

新作の方が落ち着いてきたので、こちらも再開していきます。

一週間に2回くらい更新できると思います。

 

 視点:天霧夜

 地点:空中都市 WGA 第一闘技場




 《第二試合》




「只今より、2642対1997の試合を行う!」


 第一試合と同じように始まった第二試合。

 そのお相手は──


「竜族、それも【彩りの白竜】ラウラ・アージェント……つくづくくじ運が悪いな」



【竜族】

 五種族の中で最も数が少ない種族であり、他の種族より寿命が長く温厚な性格であると有名だ。

 他にも成長が15歳前後で止まる事、他種族とのハーフでも竜族の血が強く出る事、竜族の殆どが女である事等他種族にはない特徴も多くあるが、竜族と呼ばれる一番の所以は【竜化】──身体を竜に変化させる、竜族だけが使える体質変化能力を扱える事だ。


 この竜化だがとてつもなく使い勝手がいい。

 竜化には段階が存在し、それによって自身の体力の消費量や力を調整できるそうだ。

 単純な力だけでなく、魔法威力の上昇も期待出来るとか。

 更には身体の一部のみを竜に変化させる事も可能で、体の表面に竜の鱗を発現させる【竜装】を使い、その上で武器を扱う戦い方もあるとか。

 完全な竜化を経れば、魔力を使わない単純な属性攻撃である【ブレス】を口から吐くことも可能だ。


 ちなみに俺が竜族と戦うのを嫌がっているのは、この竜の鱗の発現が原因だ。

 情報によれば、竜族の鱗は物理的な衝撃をほとんど受け付けないらしい。

 つまり、攻撃手段が剣のみの俺とは相性が悪い。


 そして竜化前ですら竜族の能力は低くない。

 強靭な体力、多めの魔力、竜族独自の技術を有し、他種族の良いところを総取りしているかのような種族。

 五種族の中で基本スペックが一番高いのは間違いなく竜族だろう。


 さて──そんなエリート種族=竜族のそのまたエリートである【彩りの白竜】ことラウラ・アージェント。

 他種族の情報がほとんど回ってこない人間界においてもその名は誰もが知っている。

 それだけの実力を持っているということなのだろう。

【彩りの白竜】の能力について出回っている訳ではないが、二つ名に関しては、なんでも戦場に出ていた兵士が彼女の戦いを見て付けたものらしい。

 二つ名から戦い方のヒントが得られるかもしれないな……


 そんな彼女──ラウラ・アージェントは、凛々しい雰囲気を纏っている。


「貴方が私の対戦相手さんなのです? よろしくなのです!」

「あ、あぁ。こちらこそよろしく」


 胸を張ってご丁寧に一礼するラウラに沿って俺も一礼。

 なんというか……凛々しい雰囲気に似合わない小柄な身体に加え、語尾が『なのです』。

 小さな子供が背伸びしているみたいで非常に可愛らしい。


 ……そのせいなのか。ラウラには熱狂的なファンが付いているようだ。


「ラウラ様ハァハァラウラ様ハァハァラウラ様ハァハァラウラ様ハァハァラウラ様ハァハァラウラ様ハァハァ……」

「ラウラ様ペロペロラウラ様ペロペロラウラ様ペロペロラウラ様ペロペロラウラ様ペロペロラウラ様ペロペロ……」

「ラウラ様! ラウラ様! ラウラ様! ラウラ様ぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ……ああ……あっあっー! あぁああああああ!!! ラウララウララウラぅううぁわぁああああ!!! ゴソゴソ……(カバンからラウラのパンツを取り出す音) あぁクンカクンカ! クンカクンカ! スーハースーハー! スーハースーハー! いい匂いだなぁ……くんくん! んはぁっ! ラウラ・アージェントたんの絹のような水色の髪もクンカクンカしたいお! クンカクンカ! あぁあ!! 間違えた! モフモフしたいお! モフモフ! モフモフ! 髪髪モフモフ! カリカリモフモフきゅんきゅんきゅい!! 竜界写真集の12月号のラウラたんかわいかったよぅ!! あぁぁああ……あああ……あっあぁああああ!! ふぁぁあああんんっ!!」


 他試合もしっかり行われ、舞台上は非常に騒がしい。

 それでもそういう声が聞こえてくる。

 一人特にヤバイ奴いたよな!?

 ……後から聞いた話だが、こういう声の殆どは同族の竜族のものらしい。

 理由は……まあいいか。


「た、対戦前にごめんなのです……」

「お疲れ様です……」

「所でミーシャ、なんで私のパンツ持ってきてるのです?」


 気を取り直して……試験官も試合を始めるタイミングを掴めないでいるようだ。

 それに気付いた俺とラウラが試験官にOKサインを出す。

 それを見て頷いた試験官が──


「始めっ!」


 試合開始の合図を出す。

 まずは……


「【感覚拡張(スプレッドセンス)】」


 これで敵の攻撃パターンを見切る事から始めよう。

 ガイアとの試合では【集眼(ゾーンアイ)】を使うタイミングが早すぎたからな。

 この試合ではその反省点を活かして戦うつもりだ。


「【竜装・黒曜(こくよう)】」


 ラウラの身体が黒い鱗で包まれる。

 その鱗は物理攻撃は通しませんと言わんばかりに黒光りしている。

 ただ──関節部は鱗で包みきれないようだ。そこだけは地肌が出ている。

 ……そこを狙う以外で、剣でラウラにダメージを与える方法は無さそうだな。


「第一試合見ていたのです。人間だからって油断はしないのです! 【強化(ブースト):腕力、脚力、竜装】【衝撃強化:轟】……先手必勝で行くのです!」


 魔法による強化を施して向かってくるラウラ。竜装も魔法で強化出来るのか……

 得物を隠しているときに現れる特徴的な凹凸も見れないし、武器は素手と見て良さそうだ。


 ん、素手? これなら……もしかしたら剣で竜装の間を狙うより効率的にダメージを与える方法があるかもしれない。

 ……試してみるか。


「でりゃー! なのです!」


 とてつもない衝撃が込められているであろう突進を横に回避──


「それも読んでるのです!」

「なっ!?」


 したが、前方向に向かっていたラウラの突進の勢いが、唐突に横方向──俺のいる方向へと変わる。しかも前より加速して。

 もう避けるのは無理だな……

 やむを得ず愛刀を抜き、【流墜(りゅうつい)】を突撃するラウラに叩き落とす。


「っ!」


 が──


「【部分竜化:腕(ドラゴンアーム)】なのです!」


 腕を竜に変え、刀を振り下ろす【流墜】とは逆に、竜化した腕を下から上に振り上げる。


「らァァァァァァ!」

「なのです!?」


 その力のぶつかり合いを制したのは──【流墜】。

 全身全霊の振り下ろしだったからな……これで破られていたらまずかった。

 下から上への衝撃を上から下へと書き換え、ラウラの拳を地面へと叩きつける。

 が──


「なら、こうです!」


 もう片方の手を地面に付け、俺の方向に向いた全身の勢いを足に乗せ、逆立ち状態から俺に蹴りを入れる。

 剣を全力で下に振り空きだらけの俺にその蹴りを避ける手段はない。

 顎を蹴り上げられ、身体が宙を舞う。

 とてつもない衝撃が俺の体を走り抜ける……が、上手く着地に成功。剣も離していない。

 なかなか試せないな……大胆なようでスキがなさすぎる。


「私のアッパーを叩き落とされたのは始めてなのです。さっきの戦いといい、お兄さん本当に人間です?」


 竜化した腕を戻すラウラ。


「ちょっと戦闘が得意な普通の人間だ。さて……次は俺から行く!」

「どこからでも来るのです!」


 今度はこちらの攻め。

 竜族相手じゃ体力が保たない。次で終わらせるつもりで攻める!

分からない方はル○ズコピペで調べてみてくださいな。

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