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異世界最強のチートは強さじゃなくて創造力!  作者:
第1章 学園編(プロローグ)
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008 鋼鉄の龍


 王宮に言った時、何やらバーシアス帝国に不穏な動きがあるとか無いとか聞いたが、まあ私には一向に関係がないので気にしない。

 

 そんな事よりも大事な事がある。

 今日はホームルームで歴史について学んでいるが、アイラ先生の授業が全く入ってこない。

 

 何故なら、今、私の頭の中は明後日の校外学習でいっぱいだ。

 アイラ先生の授業なんて・・・


「・・・・・・ラ、おい、サラ、聞いてるか?」

「うぇ、ひゃい!」


 うわ〜〜〜〜〜〜っ!

 めっちゃいきなり注意されて変な声を上げてしまった。めっちゃくちゃ恥ずかしい。

 みんな、見ないで、笑わないで・・・


「お前、公務中にバレないようにとか考えて目を開けながら寝れるようになったのか?」 

「そんな事はっ!

 私は、明後日の・・・い、いえ、何でもないです。」

「まあ、いい。ほかの奴も寝たりするなよ〜。

 で、何の話だったか?」


 いや、私見られても聞いてなかったから。


「あれです、鋼鉄の龍の話ですよ。」


 おお!救世主!

 ん?流石異世界。鉄のドラゴンとかいるんだ。

 何か面白そうなので聞いてみよう。


「ああ、あれか。あれは、確か7、80年ほど前だったか。この国は龍災にあってな、あの頃の私はまだ一介の冒険者だった。」


 はぁ!?この人、いくつだよっ!?

 ロリだと思ってたらロリお婆ちゃんだったよ。


「で、もちろん私達のパーティーは少しばかり有名だったから国からの要請で軍と共に戦ったんだ。

 でも、その時の龍は古龍(エンシェントドラゴン)でこちらの軍は潰滅、私もパーティーの仲間を数名失った。

 絶望的だった国は、禁忌である召喚魔法を使った。この時、術を使うのに宮廷魔法士が犠牲になったと聞いている。

 で、この時召喚されたのが鋼鉄の龍達だ。」

「達?」

「ああ、まあ、正確に言うと数体の龍とそれを操る人間だった。

 鋼鉄の龍は多くが緑色の身体に不釣り合いに大きな赤い目をしていた。たしか、腹は白かった。

 が、中には全身が白いものもいたが目は同じく大きく赤い目だった。

 召喚陣の上空に出現した鋼鉄の龍はしばらく飛び回っていたが、街を焼き、人も含めて全てを蹴散らす古龍の姿を見るや否や攻撃を始めた。

 古龍にはワイバーンが空の護衛として大量についていた。が、鋼鉄の龍達は白い個体や緑色の一部が圧倒的なまでの速度と見た事のないような攻撃で瞬く間にワイバーンを落としていった。

 彼らの力の前にはワイバーンはなす術なく沈黙した。

 次に鋼鉄の龍達はワイバーンから古龍に標的を変えてまたワイバーンにしたのと同じような攻撃をした。それは古龍に届いていた。が、その硬い外皮に阻まれて上手くダメージは入っていなかった。」


 緑と白の龍が救世主か。カッコイイなぁ。

 私も見てみたいなぁ。


「で、古龍はどうなったんですか?」

「ふん、知りたいか?

 さっき、ワイバーンを倒したのは鋼鉄の龍の一部だと言ったな、鋼鉄の龍は何故かみんな不気味な音をならしながら飛んでいたのだが、あの攻撃はさらに衝撃的だったな。

 鋼鉄の龍はそれぞれ空へ向かって飛び始めた。初めは攻撃が効かなくて逃げるのかとも思ったが、それは勘違いだった。 

 次の瞬間、2体ほどが古龍に向かって効果しはじめた。そして、腹から何かを落としてまた離れていった。

 そして、それは起こった。

 耳をつんざくような轟音をたてて古龍に当たった物体が爆発した。」

「「「おお!(すげー!)(カッケー!)」」」

「それは、古龍の片腕を吹き飛ばした。

 それを堺に鋼鉄の龍達はその攻撃をしようとし始めたが、初めの一撃で本当の意味で鋼鉄の龍を敵だと認識して攻撃を始めた。

 そこからはもう王者の戦いだった。当日五本の指に入るパーティーと言われていた私たちのパーティーはもはや無力で、その戦いに介入することすら叶わなかった。」

 

 なんか、凄く壮絶な戦いだったんだな。


「鋼鉄の龍は古龍の攻撃を受けると多くが燃えながら落ちていった。

 鋼鉄の龍達は的確に無駄なく攻撃して後は回避に徹していたが、もう古龍は動くもの全てを破壊しかねないほどだった。

 この戦いを一言でいうとまさに“ラグナロク”だな。

 そして、激闘の末、鋼鉄の龍の数も半分以下にまで減ってしまっていたが古龍は沈黙した。」


 なんか、もう、想像もつかないな。

 でも、なんか違和感があるんだよなぁ。


「先生、鋼鉄の龍はどうなったんですか?」

「それが、古龍を倒したのはいいがなかなか降りて来なかった。

 初めは広い平場とかに降りようとしていたが、近づくとまた離れて行ってしまった。

 しばらくすると、1体、また1体と静かになってゆっくりと落ちていった。

 結局、原型を留めていたのは3体だけだった。

 3体を操っていた人間はみんな不思議な服を身につけていて、鋼鉄の龍は彼等が離れると動かなくなった。

 と言うか、その遺骸は明後日の校外学習で見れるぞ。」

「「イェーイ!」」

「うぉー!」

 

 クラスは大盛り上がりだ。

 私は話にどことなく疑問を持ったが、恐らく異世界的要素に惑わされたのだろう。

 だから、問題なしだ。

 今日の授業は楽しかった。




 朝は普通だったから大丈夫だと思っていたけど、やっぱりバイスさんの事は質問攻めにされた。

 なんでも、朝はその話題に触れていいかわからなかったらしい。

 私が元気なのを見て判断したとか。


 復帰早々校外学習なので、準備日で明日は休みだが、私としては都合がいい。

 明日は、今いる近衛騎士団の整理と校外学習の荷物の整理をしなければいけないからね。


 うん。校外学習の荷物と同格扱いの近衛騎士団ってどうなんだろうね。自分でいうのもなんだけど。




 帰り際、アイラ先生に鋼鉄の龍は何処にある聞いたら、逆に知らなかったのか?と目を丸くされた。

 なんでも、王立魔法館に展示されているらしい。アイラ先生の認識では、それなり有名な話らしい。



 確かに、そんな話もあった気がするが、自由奔放に生きてきたサラ・リステインである。

 面倒な歴史の授業はあまり真面目に聞いていなかった。


 も、もちろん、王女としての王族としての教育は受けてたけど・・・・・


 3歳くらいの時、王立魔法館に行ったことがあるかな。それならその時に見てるはず?

 覚えてるわけないでしょ!



 さ〜て。近衛騎士団との顔合わせと行きますか!


「バイスさん!皆さんはもう集まっていますか?」

「もちろんです。現時点で10453人が編成されていて、そのうち小隊長以上の者が集まっています。

 残りの者は訓練、警備など様々な仕事についています。サラ様の近衛騎士団は人数が多すぎるため、サラ様の許可の下通常任務にもつく事になりました。まあ、主にサラ様のある所の近くですが。」


 すっかり回復した(精神的に)バイスさんが答えてくれた。

 

「それと、4個小隊ある諜報部隊の内2つは現在任務中という事でしばらくかかるようです。

 他はまもなく通常業務状態を維持しつつサラ様の指揮下に入る予定です。」

「あの、バイスさん、諜報部隊って何をするのですか?」

「それは・・・その、情報収集とか、潜入任務とか・・・・・・・暗さ」

「わかったわ。ありがとう。じゃあ、始めましょうか。」

「はい。」


 私は、私の騎士団に入ってくれる人達に挨拶と、簡単なルールを説明しよう。


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