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異世界最強のチートは強さじゃなくて創造力!  作者:
第1章 学園編(プロローグ)
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005 決闘


 今日は学校生活二日目だ。

 

 昨日?

 あの後、復活したカレン先生に色々と質問攻めにされたがなんとか切り抜けて寮に戻った。

 寮は一人部屋だったので寛げた。


 で、二日目の今日。

 教室にお父さん。つまり国王がいる。


 はぁ〜〜っ!? 

 何しに来たの!?


「で、サラ、魔法科を選択したというのは本当か?」

「はい。お父様。」

 家族や知り合いしかいない時は普通にしゃべるが、それ以外では仕事モードではなす。


「何故だ?」

「え?」

「何故魔法科を選択したと聞いている。」


 うん。だいぶ怒ってるね。


「私もいざと言う時に自分の身くらいは自分で守れるようにならなければと思いましたので。

 それに、家庭科でやるような内容は既に習いましたから。」

「サラ、その心意気は素晴らしいと思うぞ。

 しかしな、お前は守られる立場でなぁ。」


 やっぱりそう来るよね。

 でも、それに対する答えはちゃんと考えてある。


「もし、万が一他国との戦争や災害級の魔物が出現した時、多少なりとも指揮系統は混乱するでしょう。

 その結果、私がやむを得ず護衛から離れるという場面もあるかと思います。」

「そんな事は!」

「無いと言いきれますか?」

「それは・・・」

「ですから、そういう状況において私が少しでも自分を守る力を持っていたのであれば兵のみなさんの負担を減らすことができるでしょう。」


 よし。完璧。


「流石だな。

 流石私の娘だ。

 その考えは分かった。ならば、ジルが選んだ宮廷魔法士と戦って見せろ。

 もし、自分の力でそれに勝つことが出来れば認めよう。」


 つまり・・・

 身を守るために勉強したいって言ったのに、今すぐとその力を見せろってことか。

 うん。やらせる気無いね。


 でも。



「わかりました。

 では、明日という事で構いませんか?」

「っ!?

 サ、サラ、本気か?

 怒らんから今辞めてもいいんだぞ?」


 どんだけ娘LOVEなんだよ。

 まあ、ちょっと戦ってつまらない勉強を回避できるなら安いもんかな。


「いいえ、お父様。

 一度やると決めた事はやり通すべきでしょう。

 それに、上に立つものがその様では示しがつきません。」

「そ、そうだな。

 わかった。ジルに話はつけておく。

 明日、また来るぞ。」


 そう言うとお父さんは帰っていった。

 教室を見ると、普通見るのことできない国王を間近にみて目を輝かせている人やちょっと怯え気味の人、頭を抱えているアイラ先生がいた。

 

 

 

 遂に初めての戦いだ。

 今日は思いのほか朝早く起きてしまった。


 多分、緊張と共に魔法による戦闘というものに純粋な興味を持っているんだろう。


 ん?昨日?

 お父さんが帰った後、事情を知ったカレン先生が倒れたり、魔法科のみんなに戦闘の注意点を教わったりした覚えがない事はないが、実際、ほとんど覚えていない。

 


 で、アイラ先生が余計な事をしてくれたようで何故か全クラスが観戦に来ている。

 こっちとしては、あまり魔法についてよくわからない状態で魔法を使うのも避けたいが、それ以上にそれを大勢に見られるのはまずい。


 決闘が行われる校庭には先生達による防御魔法が周りに張られて周りに被害が出ないようになっている。

 そして、対戦相手はかなり若い。多分、宮廷魔法士の中で弱い人だろう。

 

 そんな事を考えていたら開会式が始まった。

 アイラ先生曰く、宮廷魔法士と王宮騎士団協力の模擬戦大会という事になっているらしい。


「では、生徒諸君、今日は国王陛下と宮廷魔法士、王宮騎士団が来てくれている。

 この機会に、色々な事を学べるようにしっかりと見ておけ。

 では、まずは今回のイベントのメインであるサラ王女と宮廷魔法士によるエキシビションマッチ!

 両者、決闘場へ!」


 どうやら、司会進行をアイラ先生が受け持つらしい。


「サラ様。」


 不意に声をかけられた。


「あっ、ジルさん。お久しぶりです。

 この度はご迷惑をお掛けしました。」

「嫌ですな。サラ様もいつも通りで構いませんよ。」


 いつも通り?


 あ、なるほど。ジルさんにはいつもお世話になってたから意外とフレンドリーに接してたのね。

「はい。ジルさんは応援に来てくれたの?」

「はい。

 それもありますが、サラ様、気をつけてください。本当は私が受けるつもりだったのですが、国王陛下が一番弱い者にしろと仰って聞きませんでしたので。」


 ん?おかしい。

「それならば、安心なのでは?」

「いえ、強い者なら手加減も出来ましょう。

 ですが、あれはまだ未熟です。上手く手加減出来るかどうか・・・

 それに、国王陛下は絶対に負けるなとも仰っていました。どうか、お怪我をなさらずに。」

「ジルさん、ありがとう。行ってきます。」



 話によれば、相手はライゲルト子爵家の次男。バイス・ライゲルトだ。

 次男でも貴族の血を引く者なら心配はないはず。

 バイスさんと向かいあって初めて異常なまでに緊張していることが伝わってきた。


「私のために胸を貸してくださってありがとうございます。今日はどうか、よろしくお願いします。」

 私は笑顔でこう言った。少し、バイスさんの緊張が和らいだ様なので良かった。



「では、両者位置についたな?

 始め!」


 アイラ先生の合図で戦闘が始まる。

 

 

 本職の魔法士による魔法戦闘がどんなものか。

 そう思った矢先、バイスさんはベルトからステッキではなく剣を抜いた。


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