037 冒険者
アリスから、第5近衛騎士団改め、第2近衛騎士団のある部隊に出動要請で出ていた。
「陛下、申し訳ありませんが、私達の所属は第2近衛騎士団です。いくら陛下といえども、サラ殿下のご命令でないと。」
「わかってます。これは、バーシアス帝国に単独で視察に言ったお姉様の護衛任務です。お姉様に秘密での。」
「そういう事でしたか。なるほど。わかりました。行動はサラ殿下への事後確認といたします。」
「はい。よろしくお願いします。」
この護衛部隊のことをサラが知るのはかなり先の話である。
一方、サラの心は開放的であった。
「やっと、開放された!!!
私は自由だ!!」
森の中で叫びながら、にへらにへらと笑っていた。
それは、少し、ほんの少しばかり気味の悪い笑いであった。
木の上で見ていたリスが逃げ出す程には。
そして到着した最初の街。
と言っても、王都からはそれなりに離れている。
そして、向かった先は・・・・・
「冒険者ギルド!!!」
二階建てで、双剣のエンブレムを掲げた建物だ。
そう。誰もが1度は憧れる“冒険者ライフ”というやつだ。
サラはドアを開け、中へと向かう。
「あ、これが依頼の掲示板かぁ。
ってことは、あれが受付か。」
受付は二つに分かれている。
「ほうほう。数が多いのが冒険者用の依頼受理と達成報告で、二つしかないのが依頼用の受付か。
冒険者の登録はどっちだろ?」
サラはとりあえず、冒険者用の受付に向かう。
「あの、すみません。」
「はい、えっと、依頼の受付は向こうの窓口でやってますので、そちらへお願いします。」
「いえ、その、冒険者の登録がしたいんですが。」
「登録だって?」
その声は、背中側から聞こえた。
「そうですけど。」
「おいおい、お嬢ちゃん。貴族様か何だか知らないけどな、そんなパーティーにでも行くような服装でくるとこじゃねぇ。
ましてや、冒険者登録なんてもっての外だ。
あんま舐めてると痛い目を見るぞ?」
「はぁ、人は外見で判断しちゃいけないって習わなかったの?」
「おいおい、それにも限度ってものはあるぜ。」
酒場・・・という程でもないが、ギルド内の休憩スペースにいた冒険者達の視線も集まる。
この世界は、娯楽が少ないのだ。
「あらそう?私、多分あなたよりは強いよ。」
サラはこのお決まり的展開に、少し挑発してみる。
「お嬢ちゃん、少しは人を見る目を養った方がいいぜ。」
「ええ。そうね。あなたはそうするべきね。」
「っ!わかった。俺と模擬戦をしろ!
それでお前が勝ったら、そうだな、何一ついうことを聞いてやろう。」
「まあ、売られた喧嘩は買うよ。
私が負けたらどうする?」
「その時は大人しく身の丈にあった仕事を探すんだな。」
「なら、食堂でも開こうかな?ま、負けたらだけど。」
「開いたら行ってやるよ。その時は安くしろよ?」
「そういう事は勝ってからにして。」
「いいぜ。やろう。
っと。その前に。俺の名はギルだ。」
「私は・・・サラ。」
名前をどうしようか迷ったが、サラだけならば大丈夫だろうということでそのままにした。
ギルについて模擬戦用の訓練所に向かうサラを青い顔をして見つめる受付嬢と隣でギルドマスターへの報告に走る別の受付嬢、審判のためについて行く受付嬢、面白そうだと見に行く冒険者。
色々な動きをする人がいた。
「えーと、本当にやるんですか?」
心配そうにサラを見る受付嬢。
「大丈夫。」
「その格好でですか?」
そう。受付嬢が躊躇う理由。それは、サラの服装にあった。
貴族や大商人の娘といった具合の服。
それだけである。
防具を何一つ付けていない。ギルドから貸し出された木剣。
対するはそれなりの防具をつけ、体つきの良いギル。
この状況を見れば誰だって止める。
「わかりました。冒険者ギルド、ノロス支部ヘレンがBランク冒険者ギルとサラの試合を審判し、見届けます。
ルールはどちらかが降参するか審判が続行不能と判断した時点で終了。
相手を死亡させる又は回復不能な負傷を負わせる攻撃は禁止とします。
始め!」
審判の受付嬢・・・ヘレンの合図とともに両者が斬りかかり、剣を交える。
なんて事は起きなかった。
双方、ともにお互いの様子を見て距離を取っている。
「なんだ。なかなかやるな。
何も考えずに突っ込んできたら終わらせてやろうと思ったのにな。
いいぞ。久々の模擬戦だ。楽しませてくれよ!」
サラは日本刀のに近い木剣を選び、ギルの木剣は大剣だ。
サラはどう倒すか考えていた。
明後日、今回の前に割り込ませる形で人物紹介を入れたいと思います。
それと同時に、誤字脱字の修正と多少文章の改善をしようと思います。




