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異世界最強のチートは強さじゃなくて創造力!  作者:
第1章 学園編(プロローグ)
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003 やらかした?


「あー、決まったか?

 じゃあ、家庭を志望するやつ?」

 学園長先生改めアイラ先生が聞くといかにも貴族っぽい雰囲気の人が手を上げる。

「ん?サラは違うのか?」

 

 アイラ先生、一々構わなくていいですよ!!

「ま、まあ、大体の事は王宮で習いましたし、自分の身位は自分で守れるようになれればなと思って魔法を選択しようかと。」

 またクラスがざわつく。

「サラ・・・様は魔法を選択されるのですか?」

「そうですよ。 

 それと、本当に様とか敬語とかいいですから。」

「ですが・・・」

「大丈夫です。もしそれに文句を言う人がいるなら私が直接言ってやりますよ。

 だから、普通にサラと読んでください。」


 また空気が固まる。しかし、貴族ではなさそうな女の子が恐る恐るという感じに声を発する。自己紹介ではニーナって言っていた。

「あの、サラちゃんって呼んでもいいですか?」

「も」

「あなた!無礼でしょ!

 王女殿下は優しさでああいって下さっているのです!それが平民の分際で・・・

 身分をわきまえなさい!」

 

 私がもちろんと言う前に、貴族オーラ出しまくりの子が罵倒した。確か、侯爵家令嬢のフェリスちゃんだった。ニーナちゃんは縮こまってなにやら怯えたようにこっちを見ている。

 

 このままでは、私のこれからも勇気を出して言ってくれたニーナちゃんのこれからも危ないので動くことにする。

 私は、ニーナちゃんの所に歩み寄る。その子はさらに縮こまってしまったが、ここはやりきらなきゃいけない。


「あなたの夢は何ですか?」

「へぇ?」 

 私の質問が予想外だったからか、気の抜けたような声が返ってきた。

「あなたの将来の夢は何ですか?」

「え、あ、その、父が商会主なので、その後を継いで、多くの人にしっかり必要な物が行き渡るようにしたいです。

 その、孤児院とかが困っていたので。」


 ニーナちゃんはいい終えると私の機嫌を伺うように顔を見た。だから、私は満面の笑みで答えた。

「素晴らしいですね!私にも、私の立場として出来る事を協力させてください。

 それと、サラちゃんで本当にいいんですよ。私もニーナちゃんと呼んでいいですか?」

「は、はい!」


 私はフェリスちゃんの方を振り向く。

「それと、ニーナちゃんの事を思ってああ言っていたのですよね。」

 フェリスちゃんは恥ずかしそうに顔を逸らす。やはり、あのままではニーナちゃんが不敬罪とかになると思ったので間違いないらしい。

「でも、私はむしろそう呼んで欲しいくらいですから大丈夫です。フェリスさんの事もフェリスちゃんと呼んでもかまいませんか?」

「もちろんです。断る理由なんてありませんもの。」


 よし、これでひと段落だ。それともう一言。

「ほかの皆さんもそう呼んでいいですか?」

 クラスのみんなが頷いてくれた事を確認した後、アイラ先生に軽く時間をとった事を謝罪して席についた。


「それで、さっきも行ったが一週間は移動自由だ。合わなかったりした時は私に一言言ってくれれば変更手続きはしてやる。

 それじゃぁ、各自指定された教室に行ってくれ。」

 私のAクラスは家庭のクラスになるので教室を出て魔法のクラスであるDクラスに移動した。

 

 Dクラスに入ると、私と同じ考え・・・かはわからないが貴族っぽい女子数人と普通の女子。それから3人の男子がいた。

 やはり、魔法志望は女子が多いらしい。 

 私が入ると全員の視線を集めるというデジャヴな後継を目にした。確かに生徒も驚いていたのだが、教師の若い女性は口が開いたまま閉じていなかった。


「サ、サラ様?何故ここに?

 ここは魔法のクラスですよ?」

「様はいりませんよ。それと、私、魔法志望なので問題ないですよね?」

「え、えぇ。問題は無いのですが・・・」

 なんですか。その顔は。

 なんで残念そうなんですか!?


 あれだ。恐らく、と言うか絶対あれだ。

 絶対魔法志望じゃないと思って安心してたのにそれを打ち砕かれた奴だ。

 私が席に着くと時間だったらしくすぐに始まった。ちなみに、ニーナちゃんも一緒だ。

「え、え〜、では、自己紹介から始めましょうか。」

 

 という訳で自己紹介でお姫様扱いしないでねアピールをして全員の名前と顔をある程度覚えた。

 が、私は先生の爆弾発言によって、今重大すぎる問題に気がついていた。


「では、このまま訓練所に行って皆さんの実力を見ますのでついてきてください。」


 ・・・はい?  

 魔法ってもう既に少しは使えるもんなの?

「ね、ねぇ、ニーナちゃん。魔法ってみんなどれくらい使えるの?」

「え、え〜と、多分ですが、ほぼ全員が初級魔法、できる人で中級魔法ってとこですね。

 持って来ている人は自分のない人は学校が媒体は貸してくれるらしいので、持ってなくても大丈夫ですよ。

 でも、媒体の形は人それぞれですから自分の物があった方がいいかもしれません。」

「そうなんだ。ありがとう。」


 なるほど。媒体ってのは魔道書とか魔法の杖の類だろう。

 しかし、問題はそこじゃない。

 魔法を使った経験どころか魔法に関する知識が全くない。

 小さい時に政治や作法はたくさん習ったが魔法に関してはほぼ習っていない。魔法に関係したことなんて宮廷魔法士長の・・・そう、ジルさんの魔法訓練を見学したくらいだ。

 見学はよくしたが見たからと言ってわかるものでも無かった。見学と言うより見てただけだ。


 これは、ひとまず能力に頼るしかない。

 と言ってもどうすれば・・・

 物を創る能力では魔法はどうにも・・・


「サラちゃん、魔法がポンポン撃てたらいいですよね。宮廷魔法士なんて憧れちゃいます。」

 はっ!

 魔法をポンポン撃つ。

 地球で見たアニメで銃から魔法を撃っていた。

 あれだ。


 内容は・・・

 まず、そんなもの人が勝手に使ったらまずい。

 そして、魔法が使えなくても使えるヤツ。 

「あっ、ニーナちゃんすぐ追いつくからちょっと先行ってて。」

「え、あ、うん。」


 よし、これで誰にも見られない。

 目を閉じてイメージに集中する。

(私にしか使えず、引き金を引くだけで思った通りの魔法が撃てる拳銃を手の上に!)

 手に確かな重さを感じてから目を開けるとそこには赤い銃があった。

 これで出来るはず。

 あとは、不自然じゃないようにジルさんの魔法を撃てば完璧だ。

 

 私は小走りでニーナちゃんに追いつくとそのまま足並みを揃えた。

 魔法銃は手に持っておくのは不便だったのでついでに太ももにつける用のホルスターを創り、そこにはめている。

 アイテムボックスにしまっても良かったが、それだと人前で取り出せないのでこうした。

 制服がスカートで本当に助かった。

 いや、冗談抜きで。


 訓練所・・・と言うより射撃場の方がしっくりくるが、まあ、到着した。

「では、呼ばれた順に何でもいいのでできる魔法を撃ってくださいね。

 では、レーナさん。」

「はい。」


 レーナちゃんは支持された場所につくと、的のカカシに向かって立った。

 手には水晶のようなものを手に持っている。

「我に使えし正義の炎よ!焼き払え、ファイアーボール!」

 そう言って手のひらを向けると水晶が薄く光り、手のひらから魔法陣が出現して火の玉が飛び出した。


 なるほど。ああいうふうになるのか。

 でも、ジルさんは魔法名しか言ってなかった気がするんだけどなぁ?

 魔法の難易度が簡単だと詠唱が要らないのかな?


「では、次、サラさ・・・サラさん。」

 あれこれ考えているうちにクラスの大半が終わり、私の番が来た。

「はい。」


 私は指定された位置につき、太ももの辺りのホルスターから魔法銃を抜く。

 そして、ジルさんの見よう見まねで魔法を撃った。

「ライトニングスピア!」

 

 引き金引くと銃口に魔法陣が出現し、そこから光の槍の様なものが飛び出して的のカカシに突き刺さると同時に爆発した。




 やばい。

 なんかやらかした感が半端ない。

 もしかして、あれですかね、威力からしてそこそこ強い魔法だったけど、宮廷魔法士長のジルさんだから簡単に使えてたとかそういうやつでした?

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