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異世界最強のチートは強さじゃなくて創造力!  作者:
第2章 エターナルソング
20/49

020 王都の危機


「サラ様!」

「バイスさん、どうかしましたか?」

「はい!緊急事態です!!

 王都に残して来た部隊から伝令が!

 王都にて龍災が発生したとのことです!!」



“龍災”

 サラは1度、この言葉に聞き覚えがあった。

『ああ、あれか。あれは、確か7、80年ほど前だったか。この国は龍災にあってな、あの頃の私はまだ一介の冒険者だった。』


 そう。学校で聞いたアイラの鋼鉄の龍の話だった。

 王都が一度壊滅しかけ、恐らく召喚されたのであろう旧日本軍の航空隊の決死の戦闘によって助かったと聞いている。

 

 その時も、王都のみならず、防衛のために戦った王国軍やハンター、傭兵が大勢なくなったらしい。

 が、今はその防衛に当たった軍勢の大半である王国軍がバーシアス帝国との戦争のため国境付近で制圧活動中である。


 無論、制圧活動を中止する命令を出して帰らせることは可能だが、そんな事をしても龍災をしのげる保証はないし、むしろ、頭を悩ませる種が龍災一つにバーシアス帝国が追加されるようなものである。



 つまり、今ここで何かを考えても仕方がない。

 そういう結論に至ったサラは、王都の惨状と、これから起こるであろう血で血を洗う様な戦いに息をのみ、自分が守りたいものを守るためにリミッターを解除することもありうるのではないかと思った。



 



「サラ様、あれが・・・龍災・・・なのでしょうか?」

 

 ふと、サラの脳裏に不安が過ぎる。


 何故、帝国軍はあれほどまでに無残に壊滅した?

 何故、今この状況で侵攻を始めた?

 何故、鉄砲を使うような配置にしていたのに誰も持っていなかった?

 魔法のためか?

 いや、魔法を使う者もほとんどいなかった。



 サラがたどり着いた答えは単純にして明快。

 それでいて最悪の答えだった。



 あの平原にいた帝国軍はただの陽動であり、リステイン王国がバーシアス帝国軍の本隊だと思っていた部隊はただの囮。

 本当の狙いは王都急襲と制圧、そして、王都の王城に居るであろう国王らの捕縛ないし殺害。

 つまり、サラ達はまんまと騙されたのだ。


 バーシアス帝国はしばらく休戦している間、龍を従えるか協力を取り付けるかのどちらかに成功したのだ。

 そして、満を持してリステイン王国に侵攻してきたと。 



 いや、まだそう考えるのは早い。

 囮だったにせよ、そうでなかったにせよ、敵の主力部隊はサラが潰滅させた。

 ならば、敵の別働隊は出陣しているはずのキルク第二王子、つまり、兄が近衛騎士団と王国軍を率いて戦っているはずである。

 

 が、もし、万が一兄が負けていたら。

 もし、龍災が帝国の意図によるものだとしたら。

 サラはバイスに捕虜をその場に残し、監視に残す以外の人員を自分とともに全力で帰らせる命令を出させた。










 次第に王都に近づくにつれ、王都から立ち上る黒煙が見えるようになってきた。 

 その煙を見てさらに行軍速度を上げたサラ達は、王都を見渡せる丘の上まで来ていた。



 

 サラの予感は当たってしまった。

 王都の防衛に残された近衛騎士団や王国軍の残りが帝国軍と戦って入るが、明らかに劣勢だ。

 そして、王都の上空を我が物顔で飛び、雷を降らせる龍。


 最早そこに王都。

 都と呼べるものはなく、幾千もの死体と焼けた家、倒壊した建造物、そして、見るも無残に破壊された王城が残されるばかりだった。

 逃げたものは今王都からは離れ、逃げ遅れたものは帝国兵と戦っているか、もう既に殺されてしまったか、どこかに隠れているか。


 恐らく、王都以外の場所で降伏した者は助かっただろうが、農地がある訳でもない王都は焼いた所でバーシアス帝国として、リステイン王国を占領した後に大した損害は出さない。

 リステイン王国民の心を降り、敗戦を突きつけるいい舞台となるだろう。

 王都に残った防衛戦力も、逃げ遅れた者達も絶望的だった。




「皆さん、私は今から、勝算の薄い、無謀な、しかし、一筋の希望へのリステイン王国王都奪還及び、人員救出作戦を行います。

 しかし、生還できるの可能性は限りなく低いでしょう。この作戦は、命令ではありません。

 国と守るべき人のために、自分の命を掛け金にして行うギャンブルです。もし、今作戦から降りても私は恨みませんし、それが不忠だとも思いません。

 降りたい人は、今から反転して捕虜を見張っている部隊と王国軍と合流してから王都を迂回して東のまだ制圧されてない地域の援護に回ってください。」


 が、誰1人として動かない。

 その光景を見たバイスは頷き、大きな声でこういった。


「我々第五近衛騎士団はサラ様と共にあります!

 サラ様がこの国とこの国の民、そして、私達のことを考えた上で行動されていることも知っています。

 ですから、サラ様の進む先、そこが地獄であろうとも、全力でついて行きます!」

「「「「おおおおおおお!!!!!」」」」

 

 バイス達の声に、サラはこめかみが熱くなるのを感じながらスピーチの続き。 

 本題に入った。


「どの道、王都は焦土と化しています。 

 ですから、最優先するのは王都からの、避難民及び私たちが来るまで必死に守り抜いてくれた騎士たちの救出です!

 皆さんはそれが終わり次第東へ向かってください。」

「サラ様は?」

「避難が完了した後、王都を奪還します。

 皆さんの思いはわかります。

 私は、皆さんを信頼しています。

 そして、皆さんを含め、この国がこの国の人たちが好きです。

 ですから、そのために、少しだけ全力を出します。

 私の事を怖いと感じるかもしれません。

 その時は、今日の出来事をそっと胸に秘めて、私を嫌ってください。

 他の皆さんには迷惑を掛けたくありません。どうか、他には漏らさないでください。

 私も覚悟の上です。

 皆さん。これが最後になるかもしれませんが、王都強襲救出作戦、成功させてください。」


 


 皆さん、夏の予定はお決まりですか?


 私は沖縄でダイビングをしようと思います。

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