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異世界最強のチートは強さじゃなくて創造力!  作者:
第1章 学園編(プロローグ)
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002 入学式


「凄い人ですね。」

 あぁ、言葉遣いだけでも何とかならんもんかね。喋りにくすぎる!!


 私は馬車の窓から学園に登校する人の人数を見て驚いた。そして、それに気を取られるあまりに自分の乗る馬車が校門を通り過ぎるのに気がつくのが遅くなった。

「何処に行くのですか?」


 私は隣りに座っているヒルトさんは何を当たり前な事をと言うような顔をすることも無く優しく微笑んで答えてくれた。

「サラ様がご入学なさる事は入学式で公表されます。ですので、裏口から入って学園長殿に先に御挨拶をしていただきます。」


「わかりました。」

 うわ〜!めんどくさい!!

 そういえば、学園長先生ってどんな人だろう?

 おじいちゃんかな、おばあちゃんかな、美人さんかな、イケメンかな?


 まあ、おじいちゃんかおばあちゃんのどちらかだろうと思っていた時期が私にもあった。

 馬車降りて迎えに来た人を学園長先生だと言われてびっくり。今の私と同じ、いやそれより若いじゃないですか!?


「王女様、私が学園長のアイラだ。3年間よろしく頼むぞ。」

「え、はい。サラ・リステインです。よろしくお願いします。」

 

 ん?

 私、王女様でこの人それを知ってたよね?

 何でこんなラフなの?私はいいんだけど、学園長先生の首がとんだりしないよね?物理的に。


「アイラ様はバート様のご友人です。」

 バート?誰だそれ・・・あ、お父さんか。

 お父さん!?王様と友達なの!?なら、なんか納得。それより、学園長先生の歳が気になる。

 すっごい気になるけど聴いたらとてつもなく不味い気がするから黙っておこう。


「では、早速だが入学式で挨拶をしてくれ。」

「はい・・・・・はい?」

「言い忘れてたんだがまあ、即席で考えてくれ。悪いな。」

 嘘でしょ・・・

 誰か、誰でもいいから嘘って言って!!


 入学式で挨拶と言えばどう考えても全員の前で王女様から御挨拶を的展開だ。

 そこで変なスピーチをしたらまずいのは確かだ。

 今から舞台袖で考えるしかない!!


『では、学園長先生より御挨拶をお願いします。』

 式は始まっている。

 恐らく、学園長先生の話はそこそこ長いはず。

 普通なら聞くだけで辛い先生のスピーチがとてつもなく有難い。


「生徒諸君、君たちは3年間この学校で様々な事を学ぶことになると思う。

 3年後、卒業生となった君たちの前で今と同じよう別れを言えることを楽しみにしている。

 それと、私を見た目で判断するなよ?

 そして!

 この場にいる全員が3年間共に学び生活する仲間だ。

 ただ、まだ諸君が知らない仲間がいる。」


 えっ!?この流れで私?

 待って!とりあえずスピーチは出来たけど心の準備が!!


「サラ・リステイン!我国の第3王女だ!

 では、挨拶を頂こう。」


 飛び出しそうになるほど鼓動が早くなる早くなる心臓を抑えながら、1歩ずつステージ中央に進んでいく。

 この初めのキャラ設定が重要だ。

 王家の名に傷がつかないようにかつ、友好的な事をアピールしなければならない。


「皆さん、サラ・リステインです。

 本来なら、皆さんと家族の皆様にお祝いを申し上げるべきなのでしょうが、控えさせていただきます。

 私達の中には様々な人がいます。王族、貴族、平民、裕福な者、貧しい者、健康な者、そうでない者。」


 ここでわざと間をあける。

 会場がざわめく。

 これは賭けだ。うまく行かなかったら第3王女としても一生徒としても終わる。


「ですが、それは昨日までです。

 今日からは、私達は全員同じ学生で同級生で学友です。

 だから、私は今日から皆さん全員との繋がりを大切にし、この3年間を素晴らしいものにそして、3年間、いえ、卒業した後でも助け合うことの出来るそんな関係を築いていきたいと思います。

 そして、3年間の過程を終えた後、共に身分にとらわれずに全ての人が笑って暮らすことが出来る国にしていけることを祈っています。

 その先駆けと言っては何ですが、皆さん、今日から私の事はサラとお呼びください。

 以上を持って挨拶とさせていただきます。

 皆さん、よろしくお願いします。」


 きまった。

 空気は最高だ。

 これでとりあえずは落ち着ける。


 私は舞台袖に引っ込むとそこにあった椅子に座り込んだ。

 ふと気がつくと、ヒルトさんが泣いている。

「えっ!?どうし・・・・どうかしたのですか?」

「サ、サラ様、ご成長なされたのですね。あんなにご立派なお話をなさるなんて・・・」

 そういえば、ヒルトさんは私の事をわが子のように接してくれていた。

 これで、ヒルトさんはやっぱりいい人だったということと、私が入学式の挨拶という困難を切り抜けたことを意味していた。


「が、学園長先生。」

「おぉ、見事なスピーチだったぞ。自由奔放に遊んでるお姫様とばかり思っていたが、私の思い違いだったようだな。

 なかなか面白かった。次も期待しているぞ?」

 学園長先生はいいものを見せてもらったと笑っていた。しかし、学園長先生。なかなか侮れない。

 彼女は別れ際、すれ違いざまに私にしか聞こえない声で言った。「賭けに勝ったな。」と。


 そして、少し行った所で振り返った。

「ホームルームはAクラスだ。

 その後、選択で授業内容は変わるが一応クラス単位で動く時はそのクラスになる。うまく馴染むことだな。」

「ご助言、ありがとうございます。」


 学園長先生と別れた私はヒルトさんにも別れを告げ、一人クラスへと向かった。

「失礼します。」

 私が教室に入るとクラスメイトは既に教室に帰ってきていた。それぞれバラバラに話をしていたが、先生だと思ったかほかの理由かはわからないが視線が集まった。


 しかし、誰も寄ってこない。

 予想外だ。でも、よく考えればあまりおかしくない。いくら入学式のスピーチで仲良く使用としたところで所詮は王女。

 話しにくいに決まってる。

 

 どうすれば・・・

 そうだ、話し方を王女様っぽく無くしたらいいんだ。

「あ」

「おいお前ら席につけ。」

 後ろから声がして全員が座る。私以外。


「が、学園長先生!?」

 私は思わず声を上げてしまった。

「何を驚いている。さっさと席につかんか。」

「あ、はい。」

 クラスに笑いが起こる。


「じゃ、ホームルームを始めるぞ。とりあえず自己紹介から。

 まずは、私からだな。知っているとは思うが私はここの学園長だ。その私が何故ここの担任になったかと言われると原因はそこのお姫様だ。」

「えっ!?私?」

「誰もやりたがらなくてな。

 じゃあ、そのお姫様に自己紹介をしてもらおうか。」


 あ、早速ですか。

「皆さん、改めてサラ・リステインです。この国の第3王女という立場にありますが、入学式で言ったとおりそんな事関係なく皆さんと仲良くしたいと思っています。

 そこで、校内では極力喋り方を普通にします。皆さんよろしくね。」

 またクラスがざわつく。

「あー、お前らそういう事らしい。という訳であんまり緊張せず過ごしていいぞ。

 はい、じゃあ後は端から自己紹介始め〜。」


 1クラス20人か。それが4クラスだから80人か。全員おぼえられるかな。

 とりあえず、クラスメイトは覚えよう。

「よーし、終わったな〜。

 次に授業内容を選んでもらう。今からいう4つの中から選んでくれ。

 家庭、技術、剣技、魔法がある。剣技や魔法は王国騎士団や冒険者になりたい者、身を守る力をつけたい人がはいる。ただ、魔法は潜在的な能力も少なからずかかってくるから心しておけ。

 逆に、家庭では家事などもやるが、作法当の勉強が多い。

 そして、技術だがこれは職人志望向けだな。

 ちょっと時間やるから考えろ。

 むろん、一週間は移動自由だから安心しろ。」


 なるほど。

 じゃあもちろん魔法でしょ。


 あ、でも、お姫様的にまずいかな。いいよね。自分を守る力をつけるとか言っとけば。

 でも、魔法の才能あるのかな・・・


 ・・・・


 最悪、神様から貰った能力を使おう。そうしよう。

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