001 いろいろ大変そうです。
今作に力を入れてやっていこうと思います!
どうぞよろしくお願いします!!
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お願いします!!
11話までは駆け足ですが、プロローグと思ってください。
私はサラ・リステイン、リステイン王国の第3王女だ。
でも、第3だから実際かなり自由奔放に生きている。
そう。私は転生者だ。前は日本という国の千葉県に住んでいる西井紗楽だった。
仕事はその国の唯一の防衛戦力で大規模災害が発生した際には、真っ先に救助に向かう。
保持するのは戦力ではなく防衛力。国民の安全を最優先に行動する自衛隊という組織。その中でブラックホークという救難ヘリコプターのパイロットをしていた。
どんな組織、どんな部隊よりも真っ先に被災地へと仲間や物資を運び、向かうことが出来るこの職業に誇りを持っていた。
まあ、どんなに人を助け、日々最前線で国防のため戦う覚悟を持って訓練に励んでも、糾弾されることが多いのは残念だった。
それでも、自分なりの信念を持って仕事をしていた。
28歳だった私は友人の結婚祝いに、パーティーをしていた。
久々の休暇と友人との時間を楽しみ、私は床に着いた。
そして、翌日。私が起きる事は無かった。
いや、正確にはどうなったかは知らない。
恐らく、発見されないことは無いだろう。
目が覚めた私は自称神に近い存在の部屋だった。
「サラさん。目が覚めしたか?」
「誰!?」
私は反射的に声の主を探す。すると、普通の女性が立っていた。
「私はセレネティアです。」
セレネティアは私のなんだコイツ?という表情を完全に無視し、全く予想していなかった行動に出た。
「本っ当にごめんなさい!!」
「え?」
いきなり謝りだしたセレネティアは事情を話し始めた。
「なるほど。それで、時空間の歪を相殺してこっちに戻る時に私の魂も一緒に連れてきちゃったと。」
「はい。」
「いや、ふざけんな!」
「ごめんなさい!!」
「あー、いや、ごめん。
なんかそこまで怯えられるとこっちが悪いみたいだし。」
本当に!被害者なのになんで罪悪感を感じなきゃいけないの!?
「それで、埋め合わせと言っては何ですが、もう1度生きる権利を差し上げようと思うのですが・・・」
あぁ、わかった。あれだ。最近よくある異世界転生もののラノベ的展開だ。
となると、やっぱり・・・・・
「ですが、同じ世界にというのは出来なくて・・・・・
文明レベルは下ですが、魔法あり冒険ありの世界にご招待しようかなと。
もちろん、子供として。」
そう。よくあるやつ。
それなら次は・・・
「では、転生する前に質問はありますか?」
あれ?
何もくれないの?チート能力とかないと即刻死ぬ自信があるよ!?
「あの、何か能力くれたりとかないんですか?」
「能力?」
ねぇ!素でハテナマーク浮かべまくるのやめて!
「その、文明レベルが低くて魔法があって冒険がある世界って相当危なくない?」
「まあ、ここの人が何も持たずに行くとしたら生身で銃弾の飛び交う戦闘地域に立っているくらいでしょうか?」
「えっ!?
その世界に生身で送り出そうとしてたの!?」
「ごめんなさい!冗談です。
本当はもう少し低いですが、確かに危ないですね。
それでは埋め合わせになりませんか。どんな能力をご所望ですか?」
「あ、異世界に突如降り立った勇者!みたいなのはいいですから何でも好きなように想像できる想像力とアイテムボックス能力を持った不自由なく普通に暮らせる身分の人にしてください。」
「そんな事でいいんですか。
わかりました。では、新たな人生を楽しんでください。
あと、私、とてつもなく暇なのでたまに話し相手になってください。」
「はい?」
話相手?そんな事どうやって?
「私、たまにその世界行きますから、その時にお願いします!」
「は、はぁ、まあ、いいけど。」
「ありがとうございます!
生まれて向こうの言葉を覚えて活動できるぐらいの10歳にしておきますね。」
「んー。12歳位にして欲しいかも。」
「わかりました。もちろん、サラさんのために生まれた命ですのでご心配なく。では、行ってらっしゃい!」
という訳で今に至る。
かなり豪華な部屋だが危険はなさそうだ。
意識がしっかりして私がまず試したのは想像力がどれくらいなのかを調べた。
色々なことを想像して見る。
「あれ?」
変わらない。転生する前の一般的思考能力しかない。
この件は今考えても仕方が無いのでサラ・リステインの12歳までの記憶を探る。
なるほど。私は第3王女な訳か。
何不自由なく生活できる・・・
確かに条件は満たしている。でも、普通の人って・・・・
あぁ、生物学分類上確かに普通の人だ。
って、どんな解釈してんの!?
いや、過ぎた事はどうしようもない。ん?って事は能力の方も間違ってる可能性が・・・・
ふと、不安になり横になっているベットの枕をアイテムボックスにしまってみる。
「どうやるんだろう?」
とりあえず、収納するイメージをする。
案外上手くいった。
次に取り出すイメージをして枕を取り出すことに成功した。
能力が与えられていない訳では無いことが証明されてしまった。
となると、考えられる可能性はもう一つしかない。
「想像力・・・何でも好きなように想像できる・・・」
ふと、脳裏に最悪の可能性がうかぶ。
「想像を創造だと思った?」
だとしたら事故もいい所だ。高い想像力と地球の知識で商売でもしようと思っていた。
だとしたら、与えられている能力は?
何でも好きなように創造できる創造力・・・
サラは確かに感じた。
自分の第2の人生から平穏の二文字が音をたてて崩れ去っていく事を。
「いや、まだそうと決まった訳では!」
何か手頃であとが残らないもの・・・
そうか、包装なしでグミ出せばすぐ無くなる。
(包装はなしでソーダグミを手の上に)
出来てしまった・・・・・
水とかにしとけば良かった!そしたらまだ、魔法とかのせいに出来たのに!!
これからどうしたものかと考えているとドアがノックされた。
「は・・・・・」
はいと言いそうになって自重する。
私、どういう喋り方してたんだろう?
ふと、サラ・リステインの記憶をたどる。
「入ってどうぞ。」
思ったより普通だ。
なんか持っと見下したうざい喋り方をしてると思った。
流石に王族への偏見がすぎるかな?
メ、メイド!?
まさか、メイドが入ってくるとは・・・
でも、王族ならよく考えればおかしい事は何も無い。
「サラ様、お目覚めでしたか。」
「え、ええ。」
うわ、この喋りかな馴れないなー。
「明日の荷造りは済ませておりますが、何か必要な物はございますか?」
「明日・・・
何かあったか・・・しら?」
危うく、あったかなとか言いかけた。
危ない危ない。
「明日は、王立学園への入学式となります。
全寮制ですので、私共がご用意した衣類当以外に必要な物があればなんなりとお申し付けください。」
「ああ、そうだったわね。
ごめんなさい。起きたばかりで少し寝ぼけていたみたい。」
「いえいえ、お疲れだったのでしょう。」
何このメイドさん!
めっちゃ優しいんだけど!?
「ありがとう。下がっていいわよ。
夕食の時間になったら知らせて頂戴。」
「承知いたしました。
では、ごゆっくりと。」
私の1人になりたい気持ちを察してくれたのか、そういうものなのかはわからないがとりあえず一人になれた。
さて、詳しくサラ・リステインの記憶をたどって今の状況を理解しなければいけない。
まあ、学校に行けるのは有難い。いろいろと情報が入ってくるからね。
思ったよりは普通に3人目の妹だった。
普通に姉ふたりに可愛がられ、父、つまり王からも大切にされていた。
一番上が男子で1人だけなので面倒な事も起きていなかった。
そして、当の私は一人自由奔放にしていた。
政治的な事は兄や姉がやっていて、第3王女の私はフリーだったのだ。これは非常に有難いことだ。
私の下にも一人妹がいるが、私よりしっかりしてるらしい。
私の日課は・・・騎士団に遊びに行ったり、城下町にお忍びで遊びに行ったり・・・それでいいのかお姫様!?
いや、絶対に良くないと思うが私としては動きやすい。
少し、第2の人生に希望が見えた。
安心したらとても眠くなった。
やはり、体は12歳だった。
いや、そんなはずはない。この世界の12歳は日本の感覚でいう高校生位だ。この世界では15歳で成人扱いになるから流石に昼寝って事は無いはずだ。
たしかに転生時の脳への負担うんぬんかんぬんで眠くなっているのはあるかもしれないが、この睡魔の明確な原因はサラ・リステインの記憶の中にあった。
確かに学校楽しみだったかもしれないよ!?
でもね、夜は寝ないと駄目なの!
徹夜とか体に良くない!!
とか自分に突っ込んでいたらいつの間にか眠ってしまっていた。
「まだメイドさん・・・そうだ、ヒルトさんだ。ヒルトさんが来てないって事は夕食の前か。
外も暗くなってきてるな。」
記憶の中からメイドさんの名前を探し当てる。
そのまま、寝起きに強くない私は何を考えるでもなく外を眺めていた。
ん?
おかしい。
徐々にだが空が明るくなっていっている気がする。
あれ。夕食食べ損なったかな?
しばらくして完全に朝になる。
ダメだこれ。どんだけ疲れてたんだ私の体。
「あっ、入ってどうぞ。」
急に扉をノックされ驚いたが、急いでお姫様になる。
「失礼します。
サラ様、朝食の時間でございます。
昨日は疲れて眠られていたようなのでそのままにさせていただきましたがよろしかったですか?」
「もちろんです。ありがとう。
今行きます。服の用意は?」
「こちらにございます。」
2人のメイドが服を持って来る。
服を用意してもらっていることに内心驚きながらそれを着ようとするが、それは叶わなかった。
「え、あ、ちょ!」
「どうかされましたか?」
いきなり服を脱がされ、つい素に戻ってしまった。
「なんでもありません。」
「そうですか。」
その後手早く着替えさせられた私は今家族でご飯を食べている。
が、冷めている。正直言って美味しくない。
確かに王族のご飯は毒見等々の関係で冷めていると聞いたことがあるがここまでとは思わなかった。
パンはいい。
しかし、スープが冷たくていや、生ぬるくて不味い。
今日からこの生活から引き離されると思うと少し気が楽だった。
それから再度メイドさん達による着せ替えをくぐり抜けた私は馬車にゆられて特に何もなく王立学園へ到着した。
嘘です。
王城を出る時王妃、つまり母親とハグをし、兄と姉、妹に励まされた。
ここまでは良かった。
しかし、ここからが長かった。
もう王様号泣。隣で宰相さんがちょっと引いてたのを見てしまった。
いや、馬車で数分の距離にいるのにあれはないわ。
改めて過保護っぷりを痛感した。