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銀白の錬金魔術師  作者: 月と胡蝶
第二章 学園編
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金髪ロリっ娘の正体

受験生の皆さん、センター試験がんばれっ!

その一年生が連れて行った先は校舎の裏側。ほとんど人目につかない場所だ。

シルイトについて行ったコンフィアンザを含めた三人以外にここにいる人はいなかった。


「そこの一年生!ますたへの狼藉、見過ごせません!」


シルイトと一緒の昼ご飯を邪魔されたことへの怒りに燃えるコンフィアンザだったがその一年生は涼しい顔である。


「ますたとは?」

「あなたが袖を引っ張って引きずり回したそこに倒れている容姿端麗頭脳明晰運動神経抜群の貴公子の事ですっ!」

「ますますわからなくなった」

「~っ!」


そのままではとんでもない方向に話しが進んでいってしまうと察したシルイトは話に介入することにした。


「あのさ、今更俺に敬語を使えとか言わないけどいくつか質問はさせてくれないか?」

「もしかしてぎんいろはきんいろがぎんいろの袖を引っ張ってここまで連れて来たことの理由を聞きたいの?」

「金とか銀とかもうわけわかんなくなってるけど、その色はいわゆるあだ名ってやつなのかな」

「あなたはぎんいろ。わたしはきんいろ」


そこまで一年生、もといきんいろが話すとコンフィアンザははっとしたような顔をした。


「そういえば聞いたことがあります。今年の一年生のトップはおかしな名前で受験をしていたと」

「そうか、それがあんたか」

「いかにもきんいろは一年生のトップ。あなたたちとは格が違う」

「私も一年生の時はトップでしたし、今年もトップです」


また話の方向がずれていきそうな二人でうんざりしてきたシルイトだったが予想外のところから助っ人が出て来た。


「あら、楽しそうにおしゃべりしているわね」


出てきたのは今年三年生の女生徒、オスカリダ。

ブラッキーモードのニタニタ笑いはせずに普通の生徒のようなたたずまいである。

今年もAクラストップだったのは確認済みだ。


「くろいひと」

「ゴールディアンちゃん、ひさしぶりね」

「ひさしぶり」

「え!?あの、オスカリダ先輩」

「なにかしら」

「ガチですか?」

「ええ。ガチよ」


シルイトと同様にコンフィアンザも驚いた表情を見せていた。

確かに自分のことをわざわざ金色と呼ぶのは髪の色だけのせいではないと思っていたがまさか本当の名前からもじってきたとは。

となるともう一つ疑問が湧き出る。なぜゴールディアンはシルイトのことを銀色と呼ぶのだろうか?


「じゃあ、ゴールディアン・・」

「きんいろ」

「へ?」

「私のことはきんいろと呼びなさい」


オスカリダと同じように学園での顔というやつなのかもしれない。

しかし、明らかに名前とわかるオスカリダと違い、金色と呼ぶのはいじめのようでシルイトも気が引ける。


「どうしてもそう呼ばないとだめか?」


ゴールディアンはうなずいた。


「ぎんいろがそう呼んでくれたら私もぎんいろのことをぎんいろと呼ぶ」

「別に呼ばれたくないし。そもそもなんで銀色なんだ?」

「簡単なこと。ぎんいろはぎんいろの力を使うから。そこのにんぎょうもぎんいろだし」

「正確には銀白色なんだがな・・・それにしてもフィアを人形呼ばわりするのはちょっと失礼じゃないか」

「にんぎょうはかわいいくて、おにんぎょうさんみたいだから呼んでみた。だめ?」

「もしかしてフィアのあだ名か?悪口じゃなく?」

「そう。にんぎょうと呼ぶことにする」

「ああ、そうですか」

「それじゃあ、ほら」

「なんだ」

「きんいろって呼んで」

「はいはい、金色。これでいいか?」

「よろしい♪」


ゴールディアン、もとい金色には何を言っても通じないとうすうす感じ始めたシルイトであったが、一方でコンフィアンザはゴールディアンの次の言葉にぎくりとした。


「ぎんいろ」

「なんだ?」

「ぎんいろの分もお弁当作ってきた。学食はえいようバランスがわるいから、一緒にお弁当たべよ?」


その言葉にハッとなったコンフィアンザ。

言われてみると学食、それも特に男子が食べるようなものは野菜が少なく油が大量に使用されている。

マスターであるシルイトにはもっと健康志向の食べ物を食べてもらわないといけなかったのだ。


「えっと・・、フィア?せっかく作ってきてくれた弁当を無駄にするのも悪いしここは金色と食べてもいいかと思ってるんだけど、そっちはどうする?」


ただならぬ気配を発するコンフィアンザに少し低姿勢で声をかけるシルイト。

何回かシルイトとゴールディアンの二人を交互に目で見たコンフィアンザだが少しため息をついてから声を発した。


「私の至らなさが原因でこのような事態を引き起こしてしまったのも事実です。ここはおとなしく引いてゴールディアンに譲ろうと思います」


その日の午後からコンフィアンザが冷めてもおいしい料理を研究しだしたのはまた別の話。


かくしてこの学園には錬金魔術を扱うシルイトとコンフィアンザ、堕ち人兼勇者であるリクト、宰相の娘であるファナティス、そしてアポストルズの上層部であるブラッキーとゴールディアン、これら一同が在籍しているという異様な状態がうまれていた。



今年も荒れそうである。


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