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銀白の錬金魔術師  作者: 月と胡蝶
第二章 学園編
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課外授業 その2

そして来る当日。例のクラスのトップ五人を含めて全一年生が集まった。

他の生徒もすでにパーティーが決まったらしく、あちこちでまとまって行動している姿が見えた。

基本的に三人から五人のパーティーが多く、二人だけなのはシルイト達のみである。


そんなシルイト達を見越してか一人の教師が近づいてきた。


「ウィスターさんにワイバー君だね」

「はい」


基本的にシルイトが近くにいるときはコンフィアンザはおとなしく一歩引いてコミュニケーションは全てシルイトに任せることになっている。

コンフィアンザも毎晩宿でコミュニケーションの練習はしているのだが、心の機微というものがまだ理解できていないようだ。


「パーティーメンバーは二人だけかな?」

「そうですが?」

「君たちだけ二人パーティーだと不利だろうから一つ上の学年の人を一人助っ人として呼んだよ」


そういうとその教師は後ろを振り向き一人の女子生徒を呼んだ。

やってきたのはボブカットの黒髪に黒い瞳で端正な顔立ちの少女。

表情はニコニコとしており愛想がよいように感じる。

ネクタイの色から彼女が二年生であることがわかった。


「はじめまして。私の名前はオスカリダといいます。今日はよろしくね」

「オスカリダさんはAクラスのトップなんだが、今日の課外授業の助っ人を募集したときにわざわざ立候補してくれたんだぞ。特に女の子は助ける一年生がどういう人か当日になるまで分からないからな。そんな中で立候補してくれたオスカリダさんに二人も感謝するように」

「ありがとうございます、オスカリダ先輩」


シルイトは感謝の言葉を、コンフィアンザは礼で感謝を示す。


「いいのよ、別に。私もあなたたちに興味があったから」

「それじゃあ先生はもう行くぞ」


オスカリダが意味深な言葉を発した直後、オスカリダを呼んだ教師はどこへともなく去っていった。

オスカリダの発言を聞いたコンフィアンザは警戒心を強めたような眼差しでオスカリダを観察しだしたが、シルイトは逆に目をキラキラさせながらオスカリダを見た。口元には若干の笑みがこぼれている。

それを見てコンフィアンザはさらにオスカリダへの警戒が強まるものの、そのタイミングでちょうど先生による探索開始の合図が出された。


「それじゃあ、二人とも行こっか」

「はい」「はい」


かくして波乱の課外授業が始まる。




・・・と思いきや、授業は意外とスムーズに進んでいた。

目標である薬草もあともう少しで既定の個数を集められるところまで来たし、ここまで目立った魔獣も現れなかったのでオスカリダに何かバレる心配もなかった。


「二人は付き合ってるの?」


唐突にオスカリダが質問を始めた。

あまりに良いペースで進んでいるから退屈でもしたのだろう。

シルイトもこれくらいの他愛のない質問なら答えるのにも苦ではない。


「まさか、違いますよ」

「本当なのかな?ねえ、フィアちゃん」


コンフィアンザの方を向いたオスカリダにつられてシルイトもそちらを見るとコンフィアンザは顔を赤く染めてうつむいていた。


「フィ・・ア、えっともう少し免疫を付けた方が良いかもな。これくらい女子トークとやらならたくさん出てくる話じゃないか?」

「あら、フィアちゃんは耐性がないだけなのね。てっきりシルウィス君との関係を想像して照れたのかと」

「はっは、そんなわけないじゃないですかそれを言ったら・・・ん?」


シルイトは何かに気付いたのか急に立ち止まった。


「どうしたのシルウィス君」

「あの、俺たち先輩に名前教えましたっけ?」


ほのぼのとしていた空気が一気に冷めていく。

いつの間にかコンフィアンザも銃こそ出していないものの臨戦態勢だ。


「どうしたの?急に。私は先生に教えてもらっただけよ」

「誰を助けるか当日まで分からないとおっしゃっていました。名前を教える時間はないはずです」


「あら、いやだねえもう。それくらいのことでこんなに殺気が溢れるなんて。自分の部下はきちんと管理できないと危ないわよ、ウィスターム」


次の瞬間、コンフィアンザは銃を取り出し、オスカリダへ向けて放った。

許可は出されていないため、ゴム弾のみの使用となる。

しかし、その攻撃はオスカリダの胴へ確かに当たったのだが全く効いた様子はない。


「さすがにその程度の弾じゃあ気絶させることもできないわよ」

「ますた、許可を」

「・・・・」

「ふぅーん。やっぱりその娘、あなたの許可がないと満足に攻撃もできないようね」

「はっ!」


コンフィアンザは自分がミスをしてしまったと思って驚きつつもそっとシルイトの顔をうかがう。

しかしシルイトは若干の笑みを残しつつも特にとがめることはなかった。


「やっぱりあんた、ブラッキーだな」


いつの間にかオスカリダの服装は黒のローブに変化しておりフードから覗く口元には例のニタニタとした笑みが張り付いていた。



今後の話もプロットは完成しているんですが、文章をもう少しブラッシュアップしたいので今後は毎日更新が厳しくなると思います。


この課外授業のエピソードの文章も修正するかもしれないです。

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