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銀白の錬金魔術師  作者: 月と胡蝶
第二章 学園編
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錬金学園での講義その2~設定集的な物~

錬金術は頭脳派、魔術は感覚派だと考えている人間が大多数だ。

しかしそれは誤りである。

魔術師も我々錬金術師からすれば侮ることのできない頭脳派の人間だ。

そもそもの誤解の始まりは錬金術師が魔術についてほとんど知らないからだろう。


魔術というのは魔力を消費して奇跡を起こす、巷で広まっているこのような情報は断片的にはあっているが正確には違う。

魔術は物体に対してエネルギーや力を奪ったり与えたり制御したりする技術だ。

例えば投げたボールから運動エネルギーを奪えば失速してその場で落ちる。

そして再び運動エネルギーを与えれば同じように動き始め、制御すれば運動方向を指定できる。

熱エネルギーを与えれば燃えるし奪えば凍る。空気に運動エネルギーを与えれば風も起こせる。

こういったエネルギーを与えたときに魔力を消費する。

また奪うときも制御するときも魔力を消費する。

なぜ魔力を消費するとエネルギーを操作できるのかはまだ解明されていない。

とにかく魔力が魔術にとって大きな影響を及ぼす以上は魔境のような魔力が非常に濃密な場所ではコントロールしようとしても周囲の魔力が干渉してしまい、うまく魔術が発動しないことになるのだ。

このような魔術を行使するときの魔術師は脳内で無意識に演算してどの程度のエネルギーを動かせばどういう現象が起こるかを考えている。

以上が魔術も頭脳派であることにつながる。


補足として詠唱についても触れておこう。

魔術師の多くが詠唱を行うことで魔術を行使しているのは周知の事実であると思う。

これは、よりスムーズに魔術を行使するためにどのような魔術であるかを口にしているにすぎない。

よって、相手の魔術を邪魔する際に錬金術を使って爆音を出して相手の詠唱を妨害しようとしても意味はない。

また、一部の魔術師は詠唱なしで魔術を行使できるため注意が必要である。


一応錬金術について改めて説明しておくと、錬金術は光を発する、移動するなどの自然現象を誰でも使える形として再現する技術だ。

そして現象を再現するために我々錬金術師は日夜あらゆる現象を分析し原因を解明している。

例えば錬金術が発展している町ではもはや見慣れたものとなりつつある街頭のランプなどは火の性質を研究して一回給油すれば一晩もつタイプの燃料が使われている。

また、現在は新たな移動手段として蒸気を用いた馬のいらない馬車も開発されている。

馬と比べてより速く、より長く走ることのできる乗り物で自動車という名前が付けられている。

この蒸気自動車の開発が終了した暁には錬金術師の生活水準は飛躍的に上がるだろう。


おおざっぱに魔術と錬金術を比べると、魔術は自分から離れたものを操作するのに長けているが、演算を必要とするため一度にたくさんの作業はできない。

一方で錬金術は自分の手の届く範囲でしか操作できない代わりに同時に起動させることができる。

性質的な観点で言うと錬金術師は勝負の前に考えて武器を作り、魔術師は勝負中に考えて攻撃するということである。

魔術師と戦うときは相手が演算したことによるタイムラグをうまく利用することが重要である。

こういう魔術があってもいいと思います。

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