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第四十七話 梯子

 サメの魔物を何とか倒し、ミラは足場に戻った。ダメージは結構大きかったのか、すぐにポーションを飲み干す。


 それから残ったエイを倒す必要もあるということで、戦闘となったわけだけどな。


 しかし、あのエイに関して言えばサメ程厄介ではなかったが、しかし地味な戦いになった。

 

 エイの方が楽だったのはミラの運動神経と洞察力のおかげというのもあるけどな。それと足場が続いていたことか。


 何せ最初は狭い足場に悪戦苦闘していたミラも、足場での行動を繰り返す内に段々と動きも軽快になり、しまいには蟹歩き状態でも普通に歩いたり走ったりしているのと変わらないぐらいにまで動き回れるようになった。


 その為、エイが飛び上がりながら放ってくる魔法攻撃も危なげなく躱せるようになった。


 そしてこのエイに対する攻略法だが――飛んで撃ってきた魔法を躱して、落ち際に俺で斬るというなかなか地味なものだった。


 その為か、何か結構時間が掛かってしまう。


『な、なんか地道な作業だな……』

「うん、でもしょうがないよ。水の中だと電撃を受け続けることになるし」


 まあ、確かにそうなんだけどな。とはいえ地道に斬り続けて5回目ぐらいに例の声が聞こえてくる。


――進化PTを5得ました。


――経験値を40得ました。


『おっと倒したみたいだな。それにしてももらえる経験値やポイントは少しだけどこっちのほうが高いんだな』

「う~ん、確かにあのサメの方が大変だったけど、でも水の中だとエイの方が電撃とか厄介だしね」


 まあ、それもそうか。地道ながらもミラが危なげなく倒してしまったからそうでもなさそうに見えるけど、使ってくる魔法で言えばエイの方が嫌らしいしな。


 そんなわけで、それからも足場を利用して進むミラだけど、こっからさきはエイがよく現れたな。正直素材とかがあれば回収したいところだけど、その為には水の中にも潜らないと駄目だしな。


 流石にそれは今のミラだと厳しいから結局魔晶の回収も出来ずじまいだ。


 とは言えエイを倒している内にミラのレベルも上がったようだ。



──────────

ステータス

名前:ミラ

レベル:13/30↑1

経験値:225/1874

HP:100/152↑14

MP:144/144↑14

疲労:25%

状態:正常

マナ:750


力:59↑4

体力:65↑3

精神力:63↑4

魔導力:61↑3

素早さ:69↑3

器用さ:63↑4


攻撃力

切:120↑3打:114↑4突:118↑4魔:74↑3

火:0水:0土:26風:0

光:0闇:0雷:0氷:0

防御力

切:55↑1打:58↑2突:51↑2魔:31↑2

火:14水:0土:0風:0

光:0闇:0雷:0氷:0 


パッシブスキル

【進化の剣の恩恵LVMAX】


アクティブスキル

【スキル共有LVMAX】


装備品

武器:バスタードソード

防具:蜥蜴革の胸当て、蜥蜴革の兜、蜥蜴革の手袋、蜥蜴革の具足

盾 :蜥蜴革の円盾


所持アイテム

ウェストバッグ、HP回復ポーション(中)、HP回復ポーション(大)、魔火筒、土の結晶×2、風の結晶×2、強化の薬(小)、鉄壁の薬(小)、耐久値回復の薬、解毒剤×2

──────────



 ミラに聞く限り今のステータスはこんな感じだな。これで少しでもこの先楽になるといいんだけどな。


 で、エイを倒しながら進んでいると、細い横穴を抜けて広い空間に出た。

 何か既視感があるなと思ったんだけど、あれだ、ゴブリンロードを倒した後、水門を開けるための仕掛けを作動した時に上から見た場所だなここは。


 そして、そこには足場らしきものはもうない。更にサメの背びれが多数動き回っているな。 

 どうやら本来のサメの縄張りはこのあたりのように思える。あの一匹はこっから紛れ込んだってところか?

 

 ただ、どっちにしろこの状況で水の中に飛び込むのは自殺行為だな。


『さて弱ったな。足場がない以上、もう泳ぐしかないわけだが、流石にこれだけサメがうようよしてる中飛び込めないだろ?』


 ミラに問いかける。だが、どういうわけかミラは水面から目を背け、足場沿いの壁に注目していた。


『……聞いてるのかミラ?』

「あ、ごめんね。うん、勿論聞いてるけど、壁のここが気になっちゃって」


 ミラが壁の一部分を指差して言う。確かにその部分だけ若干色が他の壁と異なる気がするな。本当しっかり注意して見ていないと気が付かないレベルだとは思うけど。


「……う~ん、押しちゃえ!」

『は? ちょ、おま! 罠だったらどうするんだよ!』


 思わず強めな念をミラにぶつける。だけど時すでに遅し、ミラの行為によってその一部が壁の中に押し込まれていった。

 

「うん、その時はその時だよ!」


 そしてグッと拳を握りしめて見せる。いやいや、それで足場が崩れるとか天井が落ちてくるとか、そんな罠だったらシャレにならないんだが――


 とは言え俺の心配は杞憂だったようで、特に何かがミラの近くで起きる様子はない。

 

 ただ、その代わりに少し離れた位置で、ガコンッ! という高い音がどこかからか響いてきた。


『どうやら今ので何かが起動したみたいだな』

「うん、多分こっちの方だね」


 ミラが狭い足場から器用に音のする方を覗き込んだ。すると、前にミラが仕掛けを作動した場所から水面に向けて梯子が下りてきている。


「あの梯子を昇れば上に戻れるね」

『ああ、これは便利かもな。あの上に行けば薬師の店に向かえるしな』


 それからミラと相談して、このまま無理をしてサメの群れの中に飛び込んであてもなく泳ぎ続けるぐらいなら、一度昇って何か使えそうな薬がないか改めて聞いて見たほうがいいという話になった。


 あの梯子までならタイミングが合えば、サメにやられることなくいけそうだしな。


「じゃあ、行くね」


 そして、サメの群れが梯子のある方から遠ざかり、ミラが泳ぐルート上にも被らない絶好のタイミングを狙いミラが飛び込む。


 それにしてもこうと決めたら思い切りがいいな。そのままバシャバシャと泳いでいくと、流石にサメも気がついたようで背びれが近づいてくるけど、計算通り追いつかれる前に梯子に手を掛ける事ができた。


 スイスイと昇っていくと下ではサメが顔を出して歯をむき出しにしていたな。なんか恨めしそうにこっちを見てる。今落ちたら間違いなく食い尽くされるな。


 勿論ミラのそんな姿みたくないけど。


「ふぅ、到着~」


 そして崖の上まで這い上がると、見覚えのある仕掛けが目に入った。


 うん、間違いなくあの場所だな。


「さて、それじゃあ、またアロマとテラピーの店に向かおっか」

『ああ、そうだな』


 改めてミラと俺はあの薬師の店に向かう。何か役に立つ薬でもあればいいんだけどな――

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