表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/79

第四話 最初の進化

『し、進化! 進化します!』


 俺は思わず声に向かって心のなかで叫んでいた。

 当然だ。この状況で是非もない。既に耐久値も1で風前の灯。

 進化してどうなるかまでわからないが、何もしないよりはましだろ。


――進化形態を選んで下さい


──────────

進化リスト

→スモールソード 

必要PT0

比較的刃の短い鋼の小剣。


→ロングソード 

必要PT0

一般的な鋼の長剣。


→サバイバルナイフ 

必要PT0

狩猟に使える短剣。



現在の形態:錆びた剣

──────────


 

 ざっくりだな!

 てか必要なPTは0なのか。最初の進化だから特別ってとこなのかね?


 しかし判るのは本当、形状だけって感じか。

 細かいことは一切不明だ。

 

 う~ん、つまり小剣か長剣か短剣かって事だよな。

 まぁでもとりあえずサバイバルナイフはないな。

 こんなのどっかですぐに手に入りそうだしな。


 後は小剣か長剣かってとこだけど、こればっかりは俺だけが考えていても仕方がない。

 だから――


『ミラ! なんかその泉の水で進化の条件が整った! 俺は今から進化できるらしい』


「へ? 進化?」


 ミラは俺を両手で構えたまま、疑問の言葉を投げかけてくる。

 ゴブリンからは目を離さずにいるあたり流石だけど、まぁいきなり進化言われても戸惑うか。


『そうだ。時間もないし細かい話はなしだ。とにかく俺は今からスモールソード、ロングソード、サバイバルナイフのどれかに進化出来る! とりあえずサバイバルナイフはないと思うがそれ以外で――』

「じゃあロングソードで!」


 はや! 何この子決断早! 俺まだ全部話してないのに……いや時間ないといったの俺だけど。


 でもまぁ選択肢としては悪くないよな。無難にも思うが、この先に進化があるなら尤もパターンが豊富そうだ。


 と、いうわけで。


『決めたぞ! ロングソードだ! ロングソードに進化する!』

 

――選択【ロングソード】に進化。一度決定するともう戻ることは出来ません、宜しいですか?


『問題ない! 早く頼む!』


 錆びた剣に戻る必要なんてないしな。


――【ロングソード】へ進化します。


「うわっ! な、なに!?」


 ミラの驚嘆。そして俺の身体が何やら光に包まれ、途端に何か温かいものに包まれているような心地の良い感覚。


 そして突然の光にゴブリンたちも慌てふためき出す。

 だが、その時間もそこまで長く続くことなく、段々と光が弱まり収束し、そして――俺の身体がまさにロングソードといった形態に変化し終えていた。


「お、驚いたな。鞘までしっかりついてくるんだね……」


 ミラの最初の感想がそれだった。

 うん、俺もびっくりだ。ただ俺の本体はあくまで剣だから鞘はおまけみたいなもんだろう。

 

 で、形状は自分でよく判るが、十字柄タイプのもので全長は一〇〇cm、柄は銀製のようで、握りやすい加工は施されているようだ。 

 柄頭は金属製のようで、錆びてる時と同じ用にこれで叩きつける事も可能だとは思う。


 しかし、何より輝きが違うなやっぱり。錆もすっかり取れて俺もかなりのいい男になった。

 剣だけど。でもこれならきっと十分ゴブリンとも渡り合える筈だ。


――進化の剣は【ロングソード】に進化しました。

――ステータスが進化にあわせて最適化されました。

――パッシブスキル【シンクロナイズ】がアンロックされました。

――スキルリストに追加いたします。


 うん? また一つアンロックされたな……それにロングソードになってステータスも変化したのだろうか?

 とりあえず確認してみるか。



──────────

ステータス

種別:進化の剣

剣銘 :ロングソード

熟練度:1/10(0%)

耐久値:15/15

重量 :1.5kg

進化PT:100

直接属性

切:17打:10突:12魔:0

補助属性

火:0水:0土:0風:0

光:0闇:0雷:0氷:0

パッシブスキル

【ガイドLV1】【言語理解LV1】【念話LV1】

アクティブスキル

なし

称号

なし

──────────



 おお! 耐久値が全快してる! 

 これだけでも進化してよかったと思えるレベルだな。


 そして地味に武器としてもパワーアップしてる。

 魔が0で補助属性がオール0なのが気になるけど、ロングソードじゃこの程度か……

 

 で、熟練度はこれは左が今の数値で右が最大と見るべきか?

 耐久値の例でいくとそうだよな。

 後は0%が気になるけど……まぁとりあえずそれはいいか。

 

 で、後はスキルリストだけど。



──────────

スキルリスト(パッシブ)

【ガイド】

LV1:取得済み

次のレベルには50PT必要。

【言語理解】

LV1:取得済み

次のレベルには50PT必要。

【念話】

LV1:取得済み

次のレベルには80PT必要。

【シンクロナイズ】

取得には100PT必要。

──────────

スキルリスト(アクティブ)

アンロックなし

──────────



 うん、増えてる増えてる。

 でも、シンクロナイズって……


『ねぇ? シンクロナイズって何?』


――その項目を参照するにはレベルが足りません。


 これもかよ! なんだよこれ~結局ガイドの事をちょっと教えてくれただ、て、うぉ!


「はぁああぁああぁあぁあ!」


 裂帛の気合と共に俺の視界が回る。これ、さてはまた剣た、つまり俺が振り回されてるな! 

 いや、当然か。ゴブリンとだってまだ対峙してたわけだし、俺が考えてる間ぼ~っと待ってるわけもない。


「グギェエェエェエ!」


 で、ゴブリンの悲鳴が俺の耳に届く。

 これは、もしかして?


――進化PTを2得ました。


 おお! なんか手に入った! 

 進化PTか! 

 ……でも2ってわりと微妙だな……まぁゴブリンじゃこんなもんか。


「やった! やったぞエッジ! 凄い! 新品同然だし切れ味も文句無しだ!」


 弾んだ声でミラが言う。

 うん、喜んでくれるのは嬉しいんだけどね。


『そ、それは良かった……とりあえず1体は倒したんだな?』


「あぁナイフを持ったゴブリンをね。残ったのは槍持ちと棍棒持ちだよ」


 そうか、取り敢えずは良かった。しかしこの剣を振る度に視界がぐるぐるするのはなんとかしたいんだがな。

 

 ……シンクロナイズか。効果はわからなかったけど、何か気になるんだよな。

 ポイントも高いし、その分効果が高い可能性も高い。


 何より手にはいりそうなのは取り敢えず取っときたいしな。

 でもこればかりは勝手にというわけにもいかないから……


『なぁミラ。実は一つ取得出来そうなスキルが増えたんだ。【シンクロナイズ】と言うんだ。それをとってもいいだろうか?』


「うん? なんでわざわざ僕に確認するの? それにエッジには助けてもらったし僕から異を唱える事はないよ。それになんか面白そうなスキルだしね」


 ……なんとなくいい笑顔で言われている気がした。

 でもミラがそういうなら俺も躊躇う理由がないな。


『よし! スキル【シンクロナイズ】の取得を頼む!』


 だから俺は例の如く声に向けてそう宣言するが。


――パッシブスキル【シンクロナイズ】を取得すると所有者が固定されます。宜しいですか?


 ……え?

一回目の進化!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ