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迷宮で目覚めたら、何故か進化の剣だった  作者: 空地 大乃


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第三十八話 第二の進化

 正直この進化先は結構重要だろう。この選択によってミラの今後が大きく作用されるといっても過言ではないからだ。


 先ず選ぶ武器によって明らかに戦闘スタイルに違いが出てくるだろうな。

 とりあえずこの4種類は大きく分けてまず二分し、レイピアとカトラスは明らかにスピード重視手数重視となる得物。それは軽いという点で明らか。


 それでいてカトラスについては薄刃の曲刀、レイピアは細身の長剣で刺突に特化、扱い方については対極的とも言える代物か。


 何せカトラスは曲刀というぐらいだから恐らく突きには不向き、薄いという点で打撃にも向かず、切るに特化した武器であると考えられる。


 一方でレイピアは説明からして突きに特化してるとあるからな。だけど、細身の長剣とあるから切るのには不向きなのだろう。勿論打撃武器として扱うなんて以ての外だと思われる。護拳が付いているとあって盾以外にも防御の選択肢は増えそうではあるがどこまで役立つかといったとこだしな。

 

 どちらも属性一つに特化した武器ってところか。条件次第では強そうだし、何より軽いのであれば動き回りながら攻撃するミラにはあってる気もする。


 ただ、攻撃力の面ではどっちも不安があるな。特にいま相手しているゴブリンロードのような硬い相手にどれだけ通用するか――


 一方ブロードソードとバスタードソードは感覚的にはバランスがいい気もする。特にブロードソードは単純にロングソードの強化版といった雰囲気もあるし、威力を高くした上、これまでと使い勝手が変わらないのであれば一番無難な選択とも言えるかもしれないな。

 

 ただ無難すぎて一体どれぐらい強化出来るのかが不明だ。そこまで大きな強化が出来るのか? 場合によっては熟練度の低いうちは殆ど今と変わらないって可能性もありえる。


 バスタードソードはこの中では一番強力そうな武器だ。リーチが長く片手でも両手でも扱えるというのがポイントか。実際のところは今のロングソードでも両手で扱うことは可能だ。ただ、柄が若干両手で持つには短いので両手でずっと扱うには厳しい。


 だからこそ、ミラも基本は片手持ちで利用しているんだろうけどな。しかしバスタードソードならわざわざ両手でも片手でも扱えるとあるだけに、そこは考慮されて柄も長くなる可能性があるな。


 ただ――やはり重量があるという部分がどうしても気になるところか。わざわざそう付け加えられているのだから、当然今のロングソードよりもかなり重くなるのだろう。


 足を活かした戦い方をするミラにとってはこれはネックと言えるだろうな。だけど、重量がある分、単純な威力なら一番といえるのだろうけど。


 ……とは言え、これを俺だけで考えていても仕方がないな。ミラとも相談しないと。


『――と、いうわけでどの進化がいいかなって話ではあるんだけどな』


 俺はミラに進化出来る4種と自分の推測ではあるが、それぞれの剣の大まかな特徴と考えられうる利点と欠点を伝えた。


 利点に関して言えばレイピアとカトラスは軽く扱いやすいという点。ブロードソードは今とそれほど変わりなく使えるであろうという事と、バスタードソードはやはり1発の威力の高さだ。


 対して欠点は、レイピアとカトラスはそれぞれ特定の属性にのみ特化しすぎていること、及び殺傷力の低さの懸念。

 ブロードソードは無難な分大きな変化が望めない可能性があること。

 バスタードソードはやはりその重さだ。


 それらを踏まえた上でミラが出した答えは――


「うん、ならバスタードソード(片手半剣)にする」


 これであり、そして正直俺は面食らったというか、かなり驚いた。正直言うとミラがこれを選ぶ可能性は低いと思っていたからだ。


『ミラ、理由を聞いていいか?』

「う~ん、正直かなり単純なんだけど、やっぱり威力の高さかな。ほら、僕ってちょっと攻撃力が物足りない気がするじゃない? バスタードソードならその欠点を補えるかなって」

『ちょっと待て、俺の話を聞いていたか? 確かに攻撃力は補えるかもしれないけど、長所の足が生かせなくなる可能性があるんだぞ?』


 念で確認を取る。まさかと思うが重さを失念してたってことはないよな?


「勿論僕だって重さについても考えたよ。でも片手でも扱えるってことはそこまで無茶な重さじゃないと思うんだ。それに重いのが欠点とも思えない。剣が重ければ持っているだけでも何か鍛えられそうだし」

『鍛えられそうってお前……』


 俺は若干の呆れの滲ませて念を飛ばす。まさに今これからゴブリンロードと戦うことになるというのに鍛えられるも何もないと思うが。


「……エッジが心配しているのは判るよ。特に今は目の前のゴブリンロードとの戦いもある。でも、だからこそ目の前のことばかりじゃなくてこれから先も考えないといけないと思うんだ」


 ……先?


『つまりミラの中ではこれから先を見据えた場合、他の選択はありえないってことなのか?』

「そうなるかな。例えばカトラスとレイピアは僕の中では真っ先に選択から外れたしね」

『このふたつをか? しかし俺としてはミラにはよく合ってるとも思えたんだけどな』

「確かに軽くて扱いやすいという点は一見すると僕にあってそうにも思える。でも、エッジは欠点で一つ大事なことを見逃してるよ」

『……大事なこと? 一体何がだ?』

「耐久値だよ」


 あ、と思わず念で声を漏らしてしまった。確かにそこは失念してたかもしれない。


「エッジにとって耐久値は僕のHPと同じだ。0になったら壊れてしまってエッジの命は尽きちゃうんだよ。だから僕にとって耐久値はかなり重要だけど、その点で言えばレイピアとカトラスはかなり低いと僕は思うんだ。だって薄刃に細剣だからね。少なくとも今より高くなるとは考えられない」


――確かにな。おまけに軽いとあれば当然その分耐久値は犠牲にしていると、少なくとも俺は真っ先に考えないといけないことだったな……。


「それに突きか切る、どっちかに特化というのも先を考えれば結局攻撃パターンを狭めているだけだと思う。自由度が低いという点でもやっぱりこのふたつはありえない」

『なるほどな……』


 俺はミラの説明を聞き改めて納得。確かにそう考えるとカトラスとレイピアは選択肢から外して正解かもしれない。


「ふたつを外せば、後はブロードソードかバスタードソードかってことになるんだけど――正直ここでブロードソードを選ぶのは守りに入りすぎてると思うんだ」

『……守り?』

「そう、守り。だって変化が少ないし無難すぎるからね。でも先を考えるならそれじゃあ駄目だと思う。だから僕は今後の可能性を信じてバスタードソードにしようと思ったんだ。確かに重いという点は気になるところだけど、でもそれぐらいは順応して使いこなせるぐらいじゃないと、これから先を考えたら厳しいと思うし」


 ……なんか、ミラもこの短い時間でしっかり考えていたんだな。俺の話を聞いていなかったんじゃないか? とか口にしてしまった自分が恥ずかしい。


『判ったよミラ。それなら俺、次はバスタードソードに生まれ変わろうと思うよ』

「うん! 僕、絶対使いこなして見せるからね!」

 

 いい笑顔でミラが答えてくれた。俺も期待に答えたいな。


 さて、とりあえず比較の為今のステータスを確認しておいて――



──────────

ステータス

種別:進化の剣

剣銘 :ロングソード

熟練度:10/10(MAX)

耐久値:8/60↑5

重量:1.5kg

進化PT:100

直接属性

切:46↑10打:36↑9突:39↑8魔:0

補助属性

火:0水:0土:0風:0

光:0闇:0雷:0氷:0

パッシブスキル

【ガイドLV2】【言語理解LV1】【念話LV1】【シンクロナイズLV1】【鉄の精神LV2】【剣術LV3】【マナ換算LV1】【両手持ちLV2】【スタン効果LV2】

アクティブスキル

【鞘攻撃LV1】【燕返しLV1】

称号

【勇敢な剣士】【異世界パートナー】【返しの名人】【ゴブリンバスター(付加中)】【芸達者】

──────────


──────────

ステータス

名前:ミラ

レベル:12/24

経験値:1230/1673

HP:110/118

MP:110/110

疲労:25%

状態:弱毒

マナ:750


力:46

体力:53

精神力:50

魔導力:49

素早さ:56

器用さ:50


攻撃力

切:94打:82突:90魔:0

火:0水:0土:0風:0

光:0闇:0雷:0氷:0

防御力

切:49打:51突:45魔:25

火:14水:0土:0風:0

光:0闇:0雷:0氷:0 

──────────



 そして一応ミラにも基本的なステータスは確認しておいた。さて、こっからどう変化するかだが。


『よし! 俺はバスタードソードに進化するぞ!』


――選択【バスタードソード】に進化。一度決定するともう戻ることは出来ません、宜しいですか?


 ああ、大丈夫だ。


――追加属性の確認。【バスタードソード】への進化と同時に結晶を加えることで属性を強化出来ますが行いますか? 属性の強化には最低5つの結晶が必要です。


 ……はい? 属性の強化? それに結晶? おいおい、また妙なのが出てきたな。

 

 でも、結晶ってあれだよな。土の結晶とか、風の結晶とか。

 う~ん、しかし5つとなると今用意できるのは土の結晶だけだな。でも品質とか関係ないのかな? 特に何も言ってないから関係ないのか。


『これって後でも追加出来るのか?』

――進化の時のみ可。


 つまり今だけかよ……そういえばドゴンも俺に属性を加えるのは通常の方法では無理だと言ってたな。それはこれのことを言っていたのかな?


 まあ、でも加えないよりは加えた方がいいのだろうな。


『ミラ、土の結晶を5つ俺の傍に置いてもらっていいかな』

「え? あ、うん、判った」


 不思議そうな顔はしていたけど、とりあえずこれで準備は出来たな。


『よし! なら土の結晶を加えるぞ! これで頼む!』


――【バスタードソード】へ進化します。

――土の結晶を確認。数量問題なし、融合し品質に合わせて土属性を強化致します。


――正常終了。


――進化の剣は【バスタードソード】に進化しました。

――ステータスが進化にあわせて最適化されました。


――パッシブスキル【切断上昇】がアンロックされました。

――スキルリストに追加いたします。


――一連の行動により称号【土の加護】がアンロックされました。ステータス欄に追加いたします。

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