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第十四話 魔晶漁り

『横から顔に来る!』

 

 バッグとの距離を半分まで詰めたところで、イカの触腕が伸びてきた。 

 しかもかなり鋭く素早い、俺の念に即座に反応し、ミラが頭を振ってギリギリでそれを躱したが、相手は軟体な触手、ぐにゃりと形を変え、ロープのようにミラの細身を拘束しに掛かる。


 これに巻き付かれたら終わりだ。

 だが、ミラはその動きに一瞬動きが止まる。


『ミラ前に滑り込め!』


 俺の指示に反応し、頭からスライディング。硬い地面なので多少傷が出来る可能性もあるが、こんなところでやられるよりましだろう。


 しかしミラの反応の良さに救われたな。

 

「えやぁーー!」


 て、おいおいマジかよ。ミラの奴、触手から逃れたと思ったら、そこから蹶然し、触手目掛けて剣を振り下ろした。

 確かにそれで切れるなら、それが一番ベストだが――


「キュイイィイイイイイイィイ!」


 イカの悲鳴がミラと俺の耳に届く。

 イカって声出たのかよ……それはそうと、ミラの一撃は見事に巨大イカの触手を切断した。


 よし! これでバッグを手に入れられる確率が跳ね上がった!


――進化PT50を得ました。


――経験値240を得ました。


――レベルが上がりました。


――一連の行動により称号【勇敢な剣士】がアンロックされました。ステータス欄に追加いたします。


 て、マジか! なんかこの触手一本で随分と進化PTとか経験値とか入ったような……それに熟練度も41%まで貯まってるし。


 これは中々美味しいな……これだったらまだ稼げるんじゃ――


「ねぇエッジ。なんかあのイカの周りの水がおかしな事になってるような……」


 ん? ミラの発言で、俺もミラの視線の先を見るが……確かに湖面がやたら波打ち始めて来てるような……やべぇ嫌な予感しかしないぞこれ。


『ミラ! 早くそのバッグを拾ってここを出るぞ! 何かヤバイのが来る!』


「う、うん!」


 言うが早いかミラが残りの距離を詰めて、落ちてるバッグを引ったくるようにしてクルリと反転、地面を蹴り、出入り口目掛けて駆ける!


 が、やべぇ! やっぱり予想通り、湖面の水が津波になってやってくる!


 クッ、このままだと、何か……いや、一か八かだ! 


『称号を勇敢な剣士に切り替える!』


――称号を【異世界パートナー】から【勇敢な剣士】に切り替えました。


「あれ? ちょっと身体が軽くなったような――」


 よっし! ステータス向上率がこっちのほうが上だったか!


『称号を切り替えた! さぁ一気に抜けるぞ!』

「うん! ありがとう!」


 お礼を言われるのはまだちょっと早いけどな。

 何せすぐ後ろまで波が迫ってるんだ。これに飲み込まれたらアウトだぞ!


 そして――後、五歩、三歩、一歩……抜けたぁ!

 

 ミラはそのまま横に飛び退くようにして壁に背を預けた。

 その瞬間、バシャアアアアァアアァアアアァアン! という飛沫音とすぐ横を通り過ぎる鉄砲水。

 

 思わずミラの顔も強張る。そりゃそうか、こんなのに飲み込まれてたら軽く死ねたな……。


「あ、危なかったね……」

『あぁ、でも取り敢えず無事で何よりだ』


 バッグも取り逃がすこともなかったしな。


「うん、それにこれ――」

 

 ミラがそういって上げた左腕には――いつの間にか切り飛ばした触手が握られていた。おいおい! ちゃっかり何拾ってきてるんだ!


「イカのゲソでもお腹を満たすにはいいよね」


 ニッコリといい笑顔で言われてしまった。そんなにイカが食べたかったのか? ま、まあ腹は減ってるのだろうしな。


 それにしても称号が手に入って良かった。そうでなければ確実にこの波に飲まれてしまっていただろう。


「な! なんだポン! 凄い水だポン!」


 て、うん? 

 間違いなく誰かの声が聞こえたような……。


「エッジ、今のって……」

『あぁ、多分俺達がゴブリンを相手にしていた辺りから聞こえてきたと思う、疲れてるだろうけど――』


「ううん、大丈夫、行ってみよう!」


 ミラは表情を引き締め直し、俺を右手で構えたまま声のした方へ脚を早めた。


 その先には、なんというか奇妙な種族が水浸しになった身体でプルプルと震えていた。

 寒いからとかではなく余分な水気を飛ばそうって魂胆なようだな。


 なんというか犬みたいな? いや、というよりは狸みたいな奴と言ったほうがしっくり来るだろうか?

 

 一応見た目は人のようでもあるのだが、まん丸の瞳に黒い鼻、そしてやけに身長が低い。

 見た目100cmあるかないかといったところだろうな。


 頭にフード、衣装はポンチョのような形状のもので、肩でやけに大きな頭陀袋を背負っている。

 よく見ると頭のフードの上からでも獣耳のようなものが生えてるのが判るな。

 狸の耳みたいのが盛り上がって形どっている。


 で、その謎の小人は、一旦は濡れた身体をプルプルさせた後、作業に移った。

 見ているとどうやらミラが倒したゴブリンから魔晶を抜き取っているみたいだった。 

 どうやら最初の部屋で倒したゴブリンから魔晶を抜き取っていた犯人が早速判明したようだ。


「あの……」


 そこで、ミラが相手の横から声を掛ける。

 どうもこいつ俺達の事に気がついていなかったみたいだ。


 声を掛けたミラにそいつが顔を向けると、ギョッ! とした感じに目を大きくさせて、で、スタコラサッサと逃げていった。


「……あ」


 ミラが右手を前に突き出した状態のまま固まっている。

 相手の動きが予想以上に敏捷だった為、驚いた形。

 

 まぁ向こうからしたら見ず知らずの相手が剣を握りしめたまま話しかけてきたら、そりゃ逃げるか。


『向こうに逃げていってしまったようだな』

「そうだね~」


 ミラが割りと軽い口調で言う。視線の先にはさっきの選択で選ばなかった方の細い道が見えていた。


『どうする? 追いかけるか?』

「う~ん、別にそこまでしなくてもいいんじゃない?」

『しかし魔晶を持って行かれたぞ』

「そうだけど、あれもここじゃ使いみちもないしね」


 微苦笑を浮かべながらミラが応えた。

 まあミラがそう言うなら、もう俺から特に言うこともないけどな。


「それよりもこのバッグ何か入ってるかも……」


 そう言ってミラがバッグの口をあける。どうやらボタンで止める仕様のようだな。

 そして――


「あ! ラッキーこれ多分、【魔火筒】だよ」

『魔火筒?』


 聞き慣れない言葉に俺は思わず聞き返す。


「そうそう、これは魔法具の一つで、発動させると燃え種がなくても地面に焚き火を起こせるんだよ」


 俺に説明しながらも、ミラは筒の持ち手部分にある透明な細長い箇所に目線を移した。

 目盛りのようなものが付いていて、3分の2程が青く光っている。


「これなら後数回は使えそうだね」


 どうやら目盛りが空になったら使用不可らしいな。


 そしてミラは鼻歌交じりにあのバットの骸を回収、さらに最初に倒した2匹の場所まで戻り、そこで早速魔火筒を使用した。


 ミラの言う通り、筒から飛び出た小さな火球が地面にあたり、かと思えばその場所に焚き火のように炎が発生する。


 ちなみにミラの話では、火球自体には殆ど殺傷力がないようだ。

 

 そして蝙蝠の翅は毟り取り、頭や爪なんかは切り落としてから、火の中に放り込む。

 丸焼きって奴だな。ついでにさっき手に入れたイカの触手、ゲソも吸盤を削ぎ落としてから火の中に放り込んだ。


 それから焼けたのを見計らってナイフで突き刺し取り出して、バクバクと齧り付きだす。

  

 な、なんとも逞しいな……


『う、旨いのか?』

「う~ん不味くはないけど、やっぱり塩とかがないと味気ないね。イカも何かつければもっと美味しいのだろうけどな……」


 そういいながら、水筒の水もグビグビ飲んだ。

 水もまた汲みに行かないと駄目だな。

 本当はあの湖が近くていいんだけど、流石にもうあのイカも容赦してくれない可能性もあるしあまりに危険だ。


 神秘の泉まで行って汲むほうが結局安全だろうな。


「……エッジは食べれないもんね」

『ん? あぁ別に俺のことは気にしなくていいぞ。そもそも腹が減らないんだからな』


 少し申し訳無さそうにしてるミラだが、むしろこういう場なら腹が減らないのは一つの利点だ。

 それよりミラにはしっかり食べて体力を回復してもらわないとな。


 そしてバットとゲソ料理も食べ終えると、少し眠そうにしてたので休むといいと告げた。

 こんなゴツゴツした場所じゃ快適な眠りは期待できないだろうが、それでも寝ないよりはマシだろう。


 太陽の光も望めない洞窟内だけに、時間の感覚が全く掴めないが、戦いに次ぐ戦いで疲労も溜まってるみたいだしな。


 だから最後にお互いのステータスを確認し終えた後、ミラには寝てもらうことにする。

 何かあったら俺が起こせばいいし、俺は今のところ全く眠くない。

 まあ剣だから眠気も感じないんだろうけどな――




──────────

ステータス

種別:進化の剣

剣銘 :ロングソード

熟練度:2/10(41%)

耐久値:13/20

重量:1.5kg

進化PT:64

直接属性

切:19打:12突:14魔:0

補助属性

火:0水:0土:0風:0

光:0闇:0雷:0氷:0

パッシブスキル

【ガイドLV2】【言語理解LV1】【念話LV1】【シンクロナイズLV1】【鉄の精神LV1】

アクティブスキル

なし

称号

【勇敢な剣士(付加中)】【異世界パートナー】【倍返しの反撃者】【ゴブリンキラー】

──────────

スキルリスト(パッシブ)

【ガイド】

LV2:取得済み

次のレベルには800PT必要。

概要:進化の剣をサポートする為のスキル。

【言語理解】

LV1:取得済み

次のレベルには50PT必要。

概要:言語が理解できる。

【念話】

LV1:取得済み

次のレベルには80PT必要。

概要:念で相手に言葉を発信できる。

【シンクロナイズ】

LV1:取得済み

次のレベルには1000PT必要。

概要:装備者とシンクロ(同期)する事で能力を引き上げる。対象の変更は不可。装備者のHPが0になるか剣の耐久値が0になるとどちらも死ぬ。

【鉄の精神】

LV1:取得済み

次のレベルには50PT必要。

概要:精神が強くなる。

【剣術】

取得には50PT必要。

概要:剣術に長けるようになる。

──────────

スキルリスト(アクティブ)

アンロックなし

──────────



──────────

ステータス

名前:ミラ

レベル:7/16

経験値:32/521

HP:33/65↑11

MP:58/58↑10

疲労:45%

状態:正常


力:31↑6

体力:37↑7

精神力:34↑6

魔導力:34↑7

素早さ:41↑8

器用さ:34↑6


攻撃力

切:52↑7打:43↑6突:50↑7魔:0

火:0水:0土:0風:0

光:0闇:0雷:0氷:0

防御力

切:26↑3打:28↑3突:24↑3魔:0

火:5水:0土:0風:0

光:0闇:0雷:0氷:0 


パッシブスキル

【進化の剣の恩恵LVMAX】


アクティブスキル

【スキル共有LVMAX】


装備品

武器:ロングソード

防具:草臥れた革の胸当て

盾 :樫の円盾

──────────

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