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第十一話 この先どうする?

『直接属性と補助属性について教えてほしい』


――直接属性は直接攻撃に関する属性。


――補助属性はある条件下の攻撃に関係する属性。


 とりあえずミラには待ってもらって俺は念でこれまで不明だった部分について質問してみた。

 で、直接属性はまぁ予想通りだったが補助属性はいまいち謎だな。

 何か条件があるってことか……。


『パッシブスキル、アクティブスキル、称号の違いは?』


――パッシブスキルは常時発動型スキル。


――アクティブスキルは任意発動型スキル。


――称号は付けることで効果が得られるスキル。


 これもまあ、思っていたとおりだな。

 

『称号は一つしか付けられないの?』


――現状は一つのみ可。


 現状はという事は後から変わるかもしれないって事か?


『俺が進化する条件は?』


――次の進化に必要な条件は以下ふたつ。


・神秘の泉の水を剣に掛けること。

・熟練度が最大値に達していること。



 足りなかったのは熟練度って事か……しかしやっと2になったばかりなんだよな、先が長い気もする――


『ここはどこだ?』


――【第23迷宮魔妖の洞窟】。


 おお! ここにきてかなり重要そうな新情報だ!

 魔妖の洞窟、それが今いる俺達の場所って事か。

 その第23迷宮って……どうなんだろ? それだけ迷宮の数があるって事か?

 う~ん、よく考えたらそこだけ判っても仕方ないよな……


『ここの迷宮ってそもそも何?』



――その項目を参照するにはレベルが足りません。


 これは駄目か……もう1レベルあげれば判るのかな? そもそも次のレベルまでいくらPTが必要なのか? ちょっと確認してみる。


──────────

スキルリスト(パッシブ)

【ガイド】

LV2:取得済み

次のレベルには800PT必要。

概要:進化の剣をサポートする為のスキル。

【言語理解】

LV1:取得済み

次のレベルには50PT必要。

概要:言語が理解できる。

【念話】

LV1:取得済み

次のレベルには80PT必要。

概要:念で相手に言葉を発信できる。

【シンクロナイズ】

LV1:取得済み

次のレベルには1000PT必要。

概要:装備者とシンクロ(同期)する事で能力を引き上げる。対象の変更は不可。装備者のHPが0になるか剣の耐久値が0になるとどちらも死ぬ。

【剣術】

取得には50PT必要。

概要:剣術に長けるようになる。

──────────

スキルリスト(アクティブ)

アンロックなし

──────────


 ガイドたか! 800PTって……いや、それよりもシンクロナイズが意外ととんでもなかったーーーー!


 はぁ? 何それ? つまりこのスキルで装備者が固定されたら命も共有してるって事かよ……俺の耐久値がなくなってもミラが死ぬって……。


 やべぇ……まさかここまでとは思ってなかった。 リスク高すぎだろ……とはいえ流石にこの事はミラに黙ってはおけないよな……。


 だから俺はミラに今の質疑応答で知り得た情報を伝えるが。


「え? そうなんだ。じゃあ僕は死なないように、そして剣も壊れないように気をつけないとね」


 ……わりと反応が軽かった。


『え? それだけ?』

「ん? どうして?」

『いや……なんで先に教えないんだ! て、責められるぐらいはするかと』


 しかしミラは俺の不安を、あははっ、と笑い飛ばした。


「そんな事で責めないよ。だって僕がそれで構わないって言ったんだし」


 いや、まぁ確かにそうだけど。だからって普通命まで共有するとは思えないだろうしな……。

 でも無理してる様子も感じられないか……でも、既に決定してしまってるしこれはこれ以上言っても仕方ないのは確かだけど。


「それにしても、第23迷宮か……」


『ん? もしかして何か知ってる?』


「いや、ぜ~んぜん」


 頭の後ろに腕を回しあっさり言いのけられた。

 剣じゃなきゃずっこけてたぞ。

 

『ところでミラは別にずっとここにいたいわけじゃないんだろ?』


「ん? まぁ確かにそうだね……でもエッジとだったらいてもいいかも」


 にこやかにそんな事を言うけど、おいおい……まぁそれは冗談だろうな。 

 とにかく第23迷宮とある以上、この迷宮を出るには恐らくこの数に関係する迷宮を突破するしかないって事だ。

 俺は特に目的があるわけでもないが、ミラと折角知りあった上、今となっては運命共同体だ。


 ここはミラの為にもこの迷宮を出る道を目指すべきだろう。尤も殆ど俺の予想でしか無いから、実際にどうやれば出れるのかは謎が多いけど、でも――


『そもそもこの迷宮から脱出する方法はあるのか?』


――その項目を参照するにはレベルが足りません。


 これだよ。なんとなくそうくるかなと思ったけどな。でもないと断言されてない以上、やはり方法はあると考えるべきだろうな。


『うん、まぁ取り敢えず目的は出口を目指すって事でいいかな……ミラも目的は迷宮からの脱出だろ?』


「……うん、まぁそうだね」


 ……? なんだろうか? そこまで乗り気ではないような、でもかといってここに本気で居たいとも思ってはいない気がする。


 まぁでも取り敢えず動かないと仕方ないしな。

 あ、そういえばもしかしてこのガイドのおかげで称号も判るようになったのかな?

 

 称号リストとか出てたりするのか?



──────────

称号リスト

【異世界パートナー】

装備者のステータスが僅かに上昇する。

【倍返しの反撃者】

カウンターを決めた際の威力が倍。

【ゴブリンキラー】

ゴブリンを相手にした時の攻撃力が上昇。

──────────


 出てきた! しかも説明付きだ!

 ふむ、それにしても効果は色々あるんだな……ゴブリンキラーはゴブリン専用ってところか。

 

 でも通常のゴブリンなら今のミラがそこまで苦労することはないしな……リーダーが出た時に付け替えるかどうかってとこか。


 倍返しもカウンター限定で考えるとタイミングが難しいところだな。

 称号の切り替えに掛かる時間も大事だとは思うが……う~ん取り敢えずは能力が底上げされるという異世界パートナーが無難ってところか。


 一応ミラにも確認とるが、そうだよね~、と同意見だ。

 だから一旦はこのままでといったところだ。


 さて、それじゃあって事で少し休憩した後、俺達はもう一つの出入り口から出てみることにする。

 一体どんな光景が広がっているやら……






◇◆◇


「ギェギェ!」

「ギャイ! ギャイ!」

「キー! キー!」


 扉を抜けた直後目に入ったのはゴブリンとソレを襲っている蝙蝠の存在だった。

 全くいきなりこれかよ……。


 ちなみに蝙蝠とは言ってもただの蝙蝠ではなさそうだけどな。

 まあ、ほぼ間違いなく魔物だろうけど。

 この蝙蝠、大きさは翼を広げて1メートルちょいってところか。

 

 それなりに大きいのが全部で3匹、それをゴブリン2体が相手してる形か。

 どうやらこの迷宮は魔物同士でもぶつかり合うことは普通にあるようだな。

 まぁミラもゴブリンの死体はゴブリンが喰うって言ってた程だしな。


「あれは、イビルバットぽいかな……」

『知ってるのかミラ?』

「うん。あれも魔物で超音波を撒き散らしながら移動してるのが特徴。眼は見えてないみたいだけどそれで位置を掴めるし、それに超音波で相手の精神に干渉して目眩を引き起こしたりして結構厄介なんだ。動き素早いしね」


 確かにな。飛膜をパタパタさせてゴブリンの頭上をちょこまかと飛び回っていて、動きは中々素早い。

 なんか、パッとみるにはゴブリンの方が強そうなんだけどな。


 でも実際は逆で、苦戦してるのは明らかにゴブリンだ。

 ゴブリンは棍棒持ちと槍持ちだが、いくら攻撃してもイビルバットとやらには当たることなく、全て空振りしている。

 しかもその合間にゴブリンの1体の膝がカクッと折れ、その隙に2匹のイビルバットがゴブリンの顔を前後から交差し飛膜に備わった爪で切り裂いた。


 中々えげつない攻撃だな……怪鳥の如き悲鳴を上げてゴブリンが地面を転がり、その間にもう1体のゴブリンに3匹が噛み付いた。


『血でも吸ってるのか?』

「ううん。あの魔物は血は吸わない筈だから――」


 と、ミラが発した直後ゴブリンから細かな肉片が飛び血飛沫が上がった。

 喉も食い千切られてゴブリンの1体は絶命する。

 

 その後は地面を転がったゴブリンもイビルバットがおいしく頂いてしまった。

 あれ、肉食なのかよ……。


『もしかして見つかったらヤバイかあれ?』


「う~ん、魔物としてはそこまで手強い類ではないはずだけど、それにあのバットは一応肉は食材になるはずなんだ」


 食べるのかよ……あ~でも重要っちゃ重要か。

 何せこんな迷宮の中だ。俺はともかく、ミラの食事の確保は必須事項。

 ならは贅沢いってもいられないわけで――


「!? キー! キー!」

「キシャー!」


 と、考えていた矢先にイビルバットに気づかれちまったな。


「やるしかないみたいだね……」


 そしてミラは背中からスラリと俺を抜いて身構えた――

 


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