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集いて交わる僕たちの日常(仮題)  作者: 煉瓦猫ぷぅ
6/6

もう何がなんやら

六人目:たの

 田中はふらっとその場から離れた。

 俺は一瞬理解が遅れた。遅れたというかなんというか。っていうか声の主は誰だ。

 その人物は田中を膝蹴りし華麗なるバク宙をして着地をした。

「ふぅー」

 俺は目を疑った。黒ニーソとミニスカート。この学校の生徒だろうか。まったく身に覚えがない。というか可愛い。

 田中は白目を剥いて痙攣をしている。それはもう俺の知っている田中じゃない、そう(田中っぽい何か)だ。

 何がともあれ命拾いしたのだ。常識的考えて御礼を言わないといけない。

「ありがt」

「あんた死にたいわけ」

「は」

 もう訳が分からない。助けてもらったとはいえなんだその口ぶりは。可愛いは前言撤回だ。

「にしても、まだこんな生き物がこの世界にいたとわねぇ」

 彼女は(田中っぽい何か)の方を向く。すると(田中っぽい何か)が動き出す。

「フ、フジサキィギイテグレヨ……」

 その姿は(田中っぽい何か)ではない。(何か)だ。

 片目は白目を剥き、下をだし、四つん這いになっている。鼻毛はさっきよりも長い。こいつ人間じゃねぇ。

「き、きめぇ……」

「これ、あんたの友達」

 彼女が(何か)に指をさして問う。

「友達ってか……まぁうん」

「あんたもまぁ悪趣味だね。こんな友達持つなんて」

「いや、ちょっと前まではまともな空気読めないヤツだったんだけど」

「あーそっ。じゃあ、悪いけどあんたの友達殺すね」

「は!!???」

 彼女は俺のリアクションなど見もせず。(何か)へ走り出した。

「美少女ローリングかかと蹴り!!!」

 意味の分からない技を言い、高々とジャンプする。

 そして……


 ザシュッ


 (何か)が真っ二つに裂けた。あれ、人間のかかとってあんなに切れ味いいっけ。


「もう、何がなんやら」


 俺の頭はオーバーヒートした。

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