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はじける耳障りが才能を感じさせる。
この度、縁あって繋がった仲間たちとリレー小説なるものをさせていただくことになりました。個性豊かな七人でお送りする一つの物語。どんなものになるのか楽しみです。
良かったらどうぞご覧になっていってください。よろしくお願いします。
【第一巡】
一人目:天ノ川 こたろう
「な、なあ。折り入って相談があるんだ」
それはある昼下がりの事だった。色んな種類の蝉達がグラウンドにその声を絶え間無く響かせ、俺の昼寝を阻害する。そんな素敵な昼下がりだった。
だがしかし今日の昼寝の邪魔者は、蝉より厄介な奴だった。
「なんだよ田中。俺は昼寝で忙しいんだ」
「そんな事より聞いてくれ藤崎! 俺は非ッ常ぉぉ~に悩んでるんだ」
こいつ俺の昼寝をそんな事よりで済ませやがった。許さん。
「藤崎、お前だから言うんだぞ? 良いか、俺ってさ……」
他人の心情を読み取る努力をしようとしないこの坊主頭は、まるで国家機密を密告するスパイみたいな口ぶりで、俺にこう言った。
「空気読めてない、のか?」
おめでとう。今その才能を遺憾なく発揮できてるよ。