騎士団長ポレマオと王子殿下
新キャラです。
お父様について歩いていると回りの人達が私を見て振り返るのが解った。
「気にしなくて良いよ!君が天使のように美しいから皆見ちゃうだけだ。」
「う、美しいですか?」
「美しいよ。さすが私の娘だよ。」
「あ、ありがとうございます。」
お父様に褒められて照れてしまう。
「アーリー、手を繋ごうか?」
「手をですか?」
「そうだよ。妻に先立たれてからは私がアーリーと手を繋ぐと思っていたんだけどね!アーリーはイディオンが良いと言って聞かなくて、私は娘と手を繋いで歩く事をして来なかったんだ!だから、手を繋がないかい?」
「はい。お父様。」
私はお父様が差し出した手に自分の手を乗せた。
なんだか暖かな気持ちになれた。
「アーリー、実は嬉しいかい?」
「………はい。なぜ解るのですか?」
「そんな顔をしているよ。」
「は、恥ずかしい!」
「とっても可愛いよ。」
「………ありがとうございます!」
私はお父様とたくさん歩いた。
色んなところを面白おかしく説明しながら歩いていくお父様とのお城探検は本当に楽しかった。
「これから行く所は私の親友のポレマオ騎士団長の所だよ。」
「騎士団長様。」
「そうだよ。」
お父様と一緒に騎士団の鍛練場を横目に騎士団長の執務室を目指す。
その途中、鍛練場から声をかけられた。
「ヴィスコ!どうした!」
「ポレマオ!見て見て!家の天使!」
お父様は私と繋いでいる手を高く上げて見せた。
その後物凄い勢いで鍛練場から出てきた男の人は、がっしりとした美丈夫で40代ぐらいの男の人だった。
「何処に居たんだ!」
「不審者じゃなくて私の新しい娘なんだよ。」
「アーリーはどうした。」
「天に召されて今は天界に居るとディオプロセフ様から言われている。代わりに彼女が私の娘のアーリーになったんだ。」
「よ、よろしくお願いいたします。」
私が頭を下げると彼は私の頭を乱暴に撫でた。
「おお!地毛か!なんて美しい!」
「ポレマオ!アーリーの首がもげてしまうよ!」
「いや~すまない!ポレマオだ!よろしくな!新しいアーリー!」
この世界の人はアリアンロッドさんが天界に居ると言えば安心するようだ。
私はポレマオさんの顔をじっと見つめた。
アリアンロッドさんをアーリーと呼ぶほど仲良しだったと思うのにそれで良いのだろうか?
「………アーリー!そんなに見つめられると惚れてしまいそうなんだが?」
「………じろじろと見てしまって申し訳ございません!」
私はまたポレマオさんに頭を下げた。
「アーリーはポレマオみたいなのがタイプかい?」
「いえ!アリアンロッドさんの事をあっさり受け入れてしまえる事が不思議で………」
「アーリーは生意気だったが良い子だったし、ディオプロセフ様が転生を約束しているって言うならむしろお祝いしたいぐらい喜ばしい事なんだよ!」
「お父様は悲しくないの?」
「普通なら悲しいと思う。でも、アーリーは普通なら天界にいつたどり着くかも解らないはずなのに天界に居ると解っているし、もう次の人生を始めようとしているんだ!君がアーリーの体を使って新しい人生を送るようにね!君に優しくしてやって欲しいってアーリーが言っていたし、悲しむより喜んであげる方がアーリーは喜ぶって知ってるから新しいアーリーを甘やかして可愛がる事を考えられるんだ!」
お父様は私をぎゅっと抱き締めた。
「ヴィスコ、俺にも抱き締めさせろ!」
「君、甲冑着て汗臭そうだ………それに君の加減をしらないパワーでアーリーが潰れたらどうする気かな?駄目だよ!」
ああ、お父様とお兄様はそっくりだ。
「アーリーは俺に抱き締められたいかも知れないだろ?」
ポレマオさんは私にウィンクして見せた。
私は丁寧に頭を下げた。
「大丈夫です。お父様とお兄様で間に合ってます!」
「それは残念だ!」
ポレマオさんは豪快に笑って見せた。
なんとも清々しい人だ。
「騎士団長様~天使様を俺らにも紹介してください!」
「「「お願いします!」」」
騎士様達がわらわらとよってきた。
「おお!お前ら良い度胸だな!アーリーを紹介して欲しいなら俺を倒せねえとな!」
「へ?」
「お前らが近付いて良い女じゃないことを体に刻み付けてやる!」
そう言うとポレマオさんは肩にしょっていた大剣を引き抜いた。
回りの騎士様達が真っ青になって蜘蛛の子を散らしたように逃げ出した。
「ポレマオ、ほどほどにね。」
「俺が行かなかったらお前が出ていくんだろ?うちの若いやつらを使い物にならなくされたら困るからな。」
「私はもう、若くないからそんなに頑張ることは出来ないよ。」
「娘のためなら何でもやるだろ?」
「それはね!でも、私が出るよりイディオンが黙ってないかな?」
「あの、冷静沈着なお前の息子か?」
「さっき、アーリーとのデートをかけて勇者と本気の殺し合いをしていたよ。」
「………それはそれは………」
ポレマオさんの呆れたような顔に私も同感です。
私はまたもポレマオさんを見つめた。
「なんだアーリー?俺の事好きになったか?」
「………ポレマオさんは嫌いじゃ無いです。」
ポレマオさんはいい人だと思うと言う意味をこめて私はそう言った。
「おいおい、俺が好きになっちゃうだろうが!」
「ポレマオ。私と殺し合いをする気かな?」
「じ、冗談だろ?」
お父様の笑顔がお兄様そっくりですってば!
「仲良くしないと、嫌いになっちゃいますよ。」
私はさっきお父様に教えられた言葉を言ってみた。
「………なんだ、この可愛い生き物は?」
「勿論、私の娘だよ!アーリー、そろそろ魔導局に戻ろうか?」
「はい。ポレマオさんさようなら。」
「今度は一人で来いよ!保護者が煩くてゆっくり話も出来ないからな!」
「………お父様とお兄様が良いと言うなら、お邪魔します。」
「今、2度とここには来ないって言ったか?」
「気のせいじゃないでしょうか?」
ポレマオさんは、また豪快に笑ったのだった。
お父様と一緒に騎士団を後にして歩いているとお父様が突然私を柱の影に押しやった。
「ここで静かにしてて。」
お父様の笑顔に私は柱と一体化することを決めた。
お父様は暫くするとお父様は廊下に片膝をついて頭を下げた。
「ヴィスコ………お前が天使を連れて歩いていたと報告をうけたが?」
「何の話でしょうか?私は娘と歩いていただけでございます王子殿下。娘が私にとっては天使に他ありませんが………美しい女性を数多く見てきた王子殿下が見てまで天使かと言われれば別ではないでしょうか?」
「ヴィスコは娘が可愛くて仕方ないようだな。」
「勿論でございます!」
「………その娘、見てみたいな。」
「お断り申し上げます。」
「………」
「王子殿下、もし万が一私の唯一無二の宝をあなた様が気に入ってしまったら私は全力で娘を守ります。」
「嫌われたものだな。」
お父様はクスクスと笑い言った。
「何人もの彼女が居ると噂の王子殿下でなければ喜んで娘を会わせてさしあげます。」
「………それは、身辺整理してから出直せって事だろうか?」
「その通りですよ。」
暫くの沈黙の後王子殿下と呼ばれた男の人はハハハっと笑った。
「ヴィスコは厳しいな!あいにく女には困ってないから一人の女のために他を切る気にはならんな。お前の娘はまたの機会にでも遠目から見させてもらう事にするよ。」
男の人が見えなくなるとお父様はクスクスと笑いながら私の方に来て言った。
「バカな男で助かったね。あんなのに目を付けられたら面倒以外のなにものでもない。さあ、アーリー急いで安全な所へ行こうか?」
「はい。」
私は王子イコール危険人物だと教わってお兄様の待つ魔導局に急いだのだった。
人数増えすぎか?




