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魔法局

短めです。

その日、私はお父様に呼ばれて魔法局に足を運んだ。


「いらっしゃいませ天使様。」


魔法局の魔導師さんにお出迎えされて私はお父様の執務室に向かった。

ノックの音のあと、どうぞとお父様の声がした。


「いらっしゃいシグレ。」


私が執務室に入るとそこにはお兄様も居た。


「実はねシグレ、君に魔法局勤務を頼みたいんだ。」

「「へ?」」


私とお兄様が間抜けな声をもらすと、お父様はニコニコと笑った。


「この間見せてもらったシグレの魔力は濃密でムラがない、だからこそ魔法局にむいていると思うんだ。シグレが嫌じゃなかったら是非私達と一緒に働いて欲しいんだ。」


お父様の笑顔は何を考えているのかを悟らせてはくれそうになかった。


「父上。」

「イディオンはこれで、シグレが何処で何しているかヤキモキしなくてすむだろ?」

「………いや、まあ、そうなんですが………王宮も安全では無いと言いますか………」

「大丈夫だよ!危険な事はさせないからね。まあ、シグレの戦闘能力はうちの局員の中でも上の方だけどね。」

「いや、そう言った事ではなくて………王子とか勇者とか………」


お父様はお兄様を見つめて柔らかい笑顔を作った。

お兄様はそんなお父様を見て口元をひきつらせた。

そんな二人を見つめて私は呟いた。


「私でも役にたてますか?」

「勿論だよ。」


お父様はニコニコと笑った。

私はお父様に頭を下げた。


「よろしくお願いします。」

「こちらこそよろしく。」


お父様のニコニコに私もつられて笑顔を作った。





お父様の言う事によると、後日正式な辞令が出ると言う。

私は何だかワクワクした気持ちで王宮をあとにするため長い階段を下ろうとしていた。

その時、私は浮遊感に襲われた。

背中に押された感触が残っている。

これはヤバイかも知れない。

私は顔を腕でかばい階段を転げ落ちた。

ようやく下まで落ちて、身体中の痛みに顔をしかめる。


「ストーリーではアーリーは死んでるはずでしょ?それなのに何で貴女は生きてるの?」


階段の上で私を見下ろしているのは愛子さんだった。


「死んでるはずなんだから、今ここで死んでも問題無いよね?」


ああ、愛子さんの目は殺意でいっぱいだ。


「イディオン様は私が攻略するんだから‼」


私は痛みに絶えながら起き上がろうと試みたが無理そうだった。


「シグレ‼」


そこに響いたのはお兄様の声だった。


「お前!シグレに何て事を‼」


お兄様は愛子さんを睨み付けると私のもとえかけ降りて来てくれた。


「シグレ‼大丈夫かい?すぐに治癒魔法をかけるからね。」


お兄様の治癒魔法に少しだけ痛みが薄らいだ時愛子さんが近寄ってくるのが見えた。


「どうして?どうして私じゃなくてその子なの?」


お兄様が愛子さんに視線を向けた。


「イディオン、代わるよ。」


その時、私の横にお父様が現れてそう言った。

魔法でここまで来てくれたのだと何となく解った。


「大丈夫だよ。私の得意魔法は治癒魔法だからね。」


お父様の言葉に私は安心して意識を手離したのだった。

愛子さん暴走です。

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