番犬と飼い猫
愛子さん出ます!
「彼女の名前はアイコだ。アリアンロッド、イディオン!仲良くしてやってくれないか?アイコ、この二人はアリアンロッドとイディオンだ!ちなみに兄妹だ。」
ルーニベルグさんに紹介された女の子は肩までの黒髪ショートヘアー焦げ茶色の瞳に笑顔が可愛い女の子だった。
「私、間仲愛子と言います!日本人です!」
「勇者に頼んだらどうなんだい?」
「イディオンはすでにアリアンロッドの事で異世界女子に免疫があるだろ?」
「シグレとその子は別だろ!」
愛子さんはお兄様にひとしきりキラキラとした視線を向けたあと私にようやく気が付いたみたいだった。
「女の人ですか?」
「………………」
「嬉しい!仲良くして下さいね!名前聞いてもいいですか?」
「あ、アリアンロッド、時雨、グリゴロールと言います。」
私の名前の時雨はミドルネームのような物にお父様が登録し直してくれていた。
「アーリーちゃんって呼んでも良いですか?」
表情のコロコロ変わる彼女に少し怯えてお兄様の服を掴むと彼女はお兄様にニコッと笑顔をむけて言った。
「あのアーリーちゃんと仲良くなりたいので、お家にお邪魔しても良いですか?」
私は、お兄様の服を掴んでいる手に力を込めた。
「………妹は人見知りなんだ。もう少し仲良くなってからにしてくれないかな?」
「………アーリーちゃんは私とお友達は嫌?」
「………………嫌じゃ………無いです。」
「本当に!嬉しい!仲良くしましょ!」
彼女から少しだけ妹と同じ空気を感じるなんて誰にも言えない。
名前が似ているからだけじゃない………空気が似ている。
少しだけ気持ち悪くなってきた。
私は、お兄様の服から手を離した。
「ルーニベルグ、勇者にも彼女を紹介した方が良い。妹は体調が悪そうだから一旦帰らせてもらうよ。」
「お兄様?」
「顔色がさっきから優れないみたいだね。今日は疲れてしまったかな?家でゆっくりした方が良い。」
「あ、ありがとうございますお兄様。あ、愛子さんごめんなさい。今日は失礼しますね。」
「大丈夫?アーリーちゃんお大事に!」
本当に心配そうな愛子さんに内心、妹と同じ空気を感じてしまってごめんなさいと謝りながら私は家に帰った。
顔色の悪い私のせいでスキロフさんとケーシーさんにまた心配をかけてしまって申し訳無かった。
「スッキリするお茶とリラックス出来るお茶がありますがお飲みになられますか?」
スキロフさんは心配そうにお茶をすすめてくれた。
「スッキリの方をお願いします。スキロフさんありがとうございます。」
「お礼など必要ありませんよアリアンロッド様。」
「でも、ありがとうございます。」
スキロフさんの出してくれたお茶を飲むとようやくホッと出来た。
「ありがとうございます。」
「ですから………」
「このお茶美味しいです。ありがとうございます。」
「………気に入られたなら、いつでもお出しいたします。」
「ありがとうございます。」
スキロフさんに困った顔をされたけど言いたくなってしまったのだから仕方がない。
「シグレ、彼女が苦手ならもう会わないように僕の方から手をまわすよ。」
「大丈夫です。お兄様は心配しすぎです。本当にちょっと体調が悪かっただけです。今日はこの後部屋でゆっくりします。そうしたら、明日には元気になれます。心配かけてごめんなさい。」
私の言葉を信じたのか信じてないのか解らないが、お兄様は仕事に戻っていった。
私が部屋に戻るとケーシーさんが私の顔をのぞきこんだ。
「シグレちゃん大丈夫?」
「………い、妹に………似てた。」
「「?」」
私と妹の事を知らない二人に、妹の事をゆっくりと話した。
私の中にあった色々な思いもこめて途中で家族全員の愚痴も織り混ぜて話したらケーシーさんに泣かれてしまった。
私は、ケーシーさんの涙をぬぐった。
「あの人達から離れられて私は幸せなんですよ。」
「でも、でも………」
「私のために泣いてくれてありがとうございます。ケーシーさんみたいな優しい人と知り合いになれて幸せです。」
私がそう言うとケーシーさんに抱き締められた。
「シグレ、俺らはお前の味方だ。絶対に裏切らない。信用しろ!」
「はい。スキロフさんありがとうございます。」
私は、小さく笑顔を作った。
スキロフさんの言葉は私を安心させてくれた。
「お二人ともありがとうございます。」
「気にするな。本心だ。」
「そうだよ!シグレちゃん!どんな状態だったとしても私達はシグレちゃんを信じるからね!」
私は、嬉しくて泣きたくなった。
溢れる涙を私がケーシーさんにした様にスキロフさんがぬぐってくれてなんだか可笑しくて、私はまた笑ってしまった。
この二人の前では笑えるんだけどな~。
私は、理不尽な私の表情筋が恨めしかった。
「で、異世界から来た女がその妹に似ていると、そう言うんだな?」
「はい。」
「ケーシー。」
「はいな!勿論!」
今、名前呼んだだけなのに解るんだ。
「シグレ、俺はお前に誓う。」
「へ?」
「うちの天使に何か仕出かしたら、番犬の名のもとに噛み殺す。」
「へ?」
スキロフさんは今まで見たことのない殺意をはらんだニヤリとした笑顔を作った。
鋭い犬歯がキラリと見えて背筋がゾクッとした。
「じゃあ私も!飼い猫の名のもとに楽に殺してやらないんだから。」
ケーシーさんは艶のある顔でニヤリと微笑んだ。
「ふ、二人とも!穏便に!穏便に!」
二人はなんだか怖いぐらいの爽やかな笑顔を返して来るだけだった。
私は、この二人を怒らせないようにしようと固く心に決めたのだった。
スキロフさんとケーシーさんの獣感を出してみました。
どうでしたか?
愛子さん死亡プラグ?………




