ひょんな事から死にました。
こんにちは!始めましての方もそうでない方も楽しんでいただけたら嬉しいです。
私の家は名家だ。
大きな家にお手伝いさんだって何人もいる。
その家で私は不良品と呼ばれて育った。
理由は笑わないこと。
私の表情筋は死滅してしまっているのか、動こうとしない。
妹が良く笑う子だから、私は不良品。
妹は私を゛髪が黒くて長くて目が真っ黒で色が白くて笑わないなんて市松人形みたい!゛と言って笑う。
そんなゲスい笑顔なら出来なくて良いと本気で思う。
そんな家だから、私は家に帰りたくなくて学校の図書室で時間を潰す。
校庭ではサッカー部の声が響いている。
私は本を見る息抜きにサッカー部を見たりもする。
サッカー部の中でも2年の梨元照太郎先輩は目立つ。
黒髪短髪、切れ長の黒目は女の子にキャーキャー言われる容姿だしサッカーの技術もずば抜けている。
たまに目があう気がするのは自意識過剰だろうか?
その日、家から逃げるように学校に行くと下駄箱に手紙が入っていた。
『貴女に言いたい事があります。放課後図書室で待ってます。梨元照太郎。』
ヤバい。
やっぱり見ていたのがバレた。
きっと゛気持ち悪いから見るな。゛って事だろう。
悪いことをしてしまったな~放課後謝ろう。
私はその程度に思っていた。
放課後、何時ものように図書室に行くと梨元先輩はすでに居た。
私は梨元先輩に近づいた。
「天宮時雨さん!」
名前を呼ばれたその時だった梨元先輩の足下に半径2メートル位の場所が蒼白く光を放った。
魔方陣?
私は最近読んでいたファンタジー小説の様だと漠然と思っていた。
自分の足がその魔方陣に乗っているなんて意識すらしていなかった。
「天宮さん!」
梨元先輩が私に手をのばしたが私はもう立って居られなくて意識を手放した。
気がつくと私は真っ暗な中に居た。
閉じ込められてるんじゃなくて宇宙空間を漂っているような………
いや、宇宙空間体験したこと無いですけど。
「し、時雨ちゃん、ごめんなさい。」
小さな男の子の声だった。
振り返るとそこには青空のような髪の毛に海のような瞳の男の子が泣きそうな顔で立っていた。
「………どうしたの?」
「僕の世界の人のせいで………時雨ちゃんを殺しちゃった。」
「………。」
泣きそうな男の子は私に抱きついて言った。
「時雨ちゃんが一緒に飛ばされたなんて僕知らなくて!直ぐに解れば体に帰してあげられたのに………1年もたっちゃった。」
「一緒に飛ばされた?」
「勇者召喚に巻き込まれたんだよ。召喚の魔方陣は一人用だったの!時雨ちゃんの足が乗ってたなんて気がつかなくて時雨ちゃんの魂だけこっちに飛ばされちゃった。」
男の子は目から涙を流しながら続けた。
「時雨ちゃんの体は向こうに残ったけど脳死判定されちゃって………ぞ、臓器提供されちゃった。時雨ちゃんの体のお陰で5人の人が幸せになったけど、時雨ちゃんを体に帰してあげられなくなっちゃった………」
男の子の話に私は涙が溢れた。
「ごめんなさい!本当にごめんなさい!」
「大丈夫。」
「でも泣いてる!」
「これは嬉しいからだよ。5人も救えたなんて不良品の私には上出来だよ。人の役に立たなら本望です。」
こんな時、泣くことしか出来ない自分の顔が嫌になる。
「し、時雨ちゃん………時雨ちゃんはもとの世界に帰って輪廻の輪に乗る?それとも、僕の世界で暮らす?僕のせいだから時雨ちゃんが僕の世界を選んでくれるなら僕は時雨ちゃんのために出来ること全部するよ。」
「………」
「ちなみに、輪廻の輪は今世と繋がっているらしいよ。」
「貴方の世界に行きたいです!」
私の選択肢は1つだけだった。
今世が最悪だから輪廻の輪が繋がっているなら私の家族と縁を切るなら別の世界に行くしかない!
私の速答に男の子はニコッと笑った。
「僕の名前はディオプロセフだよ。」
「………覚えられませんでした………もう一度。」
「ディオプロセフ!ディオで良いよ!」
「ディオ君ですね。」
「じゃあ、僕の世界の死にたてホヤホヤの令嬢が居るからその子の体に時雨ちゃんの魂を入れるからね!あっ、ちなみに僕は神様だよ!」
「へ?」
ディオ君の言葉は私の理想としていた事では無いことを言っていた。
私は待って欲しかった………
だが………次に私が目を覚ました時、私は天宮時雨ではなくなっていたのだった。
頑張っていきたいです。
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