ガラスのエースミスギくんは天才というほど活躍しない気がする
捻り出した感じです。
どうぞ。
人生で必要なものは無知と自信だけだ。これだけで成功は間違いない
マーク・トウェイン
当方たった今、自信満々で無知を晒した者なんですが、本当に成功間違いないんでしょうか?
そんな気配、微塵もないのですが信じていいですか?信じますよ?信じてるんだからね!
グリフィーに完璧だったはずの自説を、やや被せ気味に全否定された上にポンコツ宣言されてセクハラ認定までされれば、根拠の無い自信には定評のある自分の心もポッキリ折れました。
言葉の刃で切り付けられた自分は、椅子からズリ落ちテーブル下でグリフィーに背を向け、横になり両手で膝を抱えてシクシク涙を流していた。
「そんなに傷つくとは思わなかったのよ、信じられない現象を目にして少し動転してたの本当よ?……大丈夫?……貴方震えてるじゃない」
だめだ新たなる黒歴史を生んでしまった、秘められた力が――の時の自分の顔とか想像したら百回は死ねるわ!
年寄り夫婦に育てられた一人っ子の精神装甲値なめんな!紙なんだよ紙!
バイパ●Ⅱ以下なんだよ!
「私が悪かったの配慮が足りなかったわ、異邦人に私のディアンドル姿は刺激的過ぎたのね、貴方の年頃なら興味を抑えられないだろうし仕方ないわよ」
エロイコスプレ服はディアンドル……メモしとこう。
今サラッと自慢入れやがったな、クソッDとか『パイオニア』基準なら巨乳に入んないんだよ!
パイオニア憲章 第三条に『巨乳とはEからである』と決められてるんだよ!D程度にやられるとは恥だよ。
それに小僧扱いすんな、自分が高1の時は小3だろう?ハナタレじゃねーか!
いや29歳で抑えられないほうが問題だぞ……このままでいこうステイだ。
「貴方は凄く立派よ!誰にも出来なかった事を成し遂げたのよ、そんな所で丸まる必要なんかないわ!胸を張っていて良いのよ、さあ立ち上がって胸を張りない胸を!」
『……貴方は凄く立派よ』何故だろう、何て力強い素敵ワードなんだ!不思議な力が湧いてくるな。
しかし胸連呼しすぎ、これ高等技術でディスってるよね?
「……不躾な視線で不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした、でもムネムネ何回も言わないで下さい」
テーブルという名の心の殻から出て誠実に謝罪し頭を下げる、反省はしたが抗議の意味を込めて牽制球は投げる。
「気の回しすぎよ他意はないわ、頭なんて下げなくともいいのよ私も言い方が悪かったのお互い様にしましょう、それより結界の消失は本当に偉業なのよ、アレは特定の種族を弱体化させる為にジョージ・ハイン様が掛けた呪いのような物なの」
牽制球は華麗にスルーされた。
グリフィー基本的に良い娘なんだよなあビッチクサイけど。
「そのジョージ・ハイン様は立派な方だったと聞いたと思いましたが?」
「勿論、魔法理論や魔法具の制作など多くの功績を上げた立派で偉大な方よ、でもあの方の元々住まわれてた国では、その種族は絶対に認められられない存在だと排斥を強行に訴えだされたの」
随分と狭量な偉人だな名前からして日本人じゃないな何人だ?
そもそもココが別の惑星なのかパラレル的な何かかすら分からんからな、異邦人が特定の場所から来るのかも分からんし、移動中どんな感じなのかすら分らんからな……寝てたし。
特定種族に恨みがあるとか、地球人かどうかも怪しいなジョージ・ハイン。
「異邦人にそんな事が許されるんですか?」
「いいえ通常なら許されなかったでしょう、けど許される状況が出来たのよ!大多数が温厚で義理堅い種族だもの当然多くの人々は反対し王族は諌めたわ!
ところがある時、あの方の支持者と一部の好戦的な部族が衝突したの、そこからはあっという間に周辺国を巻き込んだ種族間全面戦争に発展したそうよ――
彼等は寡兵でも数々の強力な御業を持ち、様々な部族特性で抗い戦争は膠着したの、その膠着状態を打破する為に彼等の信仰対象であるケーモナズロックを特殊な結界で覆ったのよ、当初その行為にどんな意味があるのか誰にも分からなかったの、しかしそれは予想もしない劇的な効果を発揮したわ――
――彼等の祝福が失われ御業の効力が無くなったの、戦う力を大きく落とした彼等は瞬く間に戦いに破れて、降伏した者は愚者の烙印が与えられ逆らう力を完全に奪われ、難を逃れた大多数の者も土地を追われたの」
……ヘビーだ
ここまで戦闘などグリフィーとの、イチャイチャしてるのと同じレベルでの掴み合いしか発生して無かったので、お気楽系ファンタジーRPGだと思ってたのにイチャモンレベルで弾圧戦争を仕掛けて蹂躙OKとか、中●共●党チックなプレイが可能な戦略ファンタジーSLGだったとは恐いな。
知らない単語が所々出てくるし矛盾って程じゃないけど違和感がある部分もあるが概要は掴めた。
「ちょっと分からない所があるんですが……まず種族とか部族とか言い換えてるのはなぜです、別々の存在なんでしょうか?」
「いいえ大きくは同じよ彼等は獣人種と呼ばれる種族で、部族によって違う獣の特徴を身体に宿してるの、国を持たず部族ごとに別々の集落で暮らし、戦う時には種族特性で姿を変え戦闘能力を高める優れた種族よ」
固定型の獣●記だな、MD版ならまだ大丈夫だがPS2版の変身システムだと上手く付き合う自信がないなアレはグロすぎる……あっクマーさんは別です。
ジョージ・ハイン氏もそこら辺に引っかかってキレちゃったのか?
「なるほど、じゃあ御業とか祝福とは何ですか?」
「祝福は誰もが神殿に行けば簡単にその種族を守護する神々から与えられるものよ、普通は生まれて直ぐに与えられるわ、
逆にどの神の祝福を得ているかで種族が決まるとも考えられてるの、極々稀にに生まれる異種族間のミックスなどは身体的な特徴が判りに難い場合が多いわ、そこで祝福の神で種族を見分けるのよ、
一度与えられた祝福は失われたりしないんだけど……ジョージ・ハイン様が作られた魔法具『愚者の烙印』は祝福を持たない者の反抗する意志を奪い命令に忠実な下僕にしてしまうの――
次に加護とは『成人の儀式バーンジ』を行うと、神々より『神任の役』を得られるの役には星の数ほど種類があって経験や成長とともに種族や役に由来する御業が芽生えてきて使えるようになるのよ」
成人の儀式でバンジーって飛ぶのか?まあいいスルーだこの空気でボケれるか。
神任の役がジョブ、御業がスキルだろうなロープレ的嗜好の神様だな過保護だろ、でもフォローはナシだ。
愚者の烙印の事を聞く手間が省けたがジョージ・ハイン氏の心の闇が濃すぎて吐きそうだ、本当に偉人なのか?クソ野郎としか思えなんだが……。
「ケーモナズロックが信仰対象というのは?」
「あそこから来たんだから知ってると思うけど、頂上に小さな石祠が有ったでしょう?
あれが獣人種を守護する慈愛神ケーモナ様が祀られた祠なのよ、神話の時代には慈愛神ケーモナ様が住まわれていたと伝承にあるの。
結界が無くなったから研究者として私も早く行ってみたいわ」
ねーよ、有るとしても屋敷の下か畑の下だよ。
「夜が明ければ屋敷へ戻るつもりでしたので御一緒しますか?」
色々親切に教えてもらったしお礼の意味でも歓待したいと思うし、まだまだ親切にされていたい。
ここでも別段構わないが屋敷以外は全てがアウェーだ、自分のホームに移動して少し安心したい。
「ありがとう嬉しいわ!貴方の家に行けば姪のバーバラさんにも会えるんでしょう?お話しを聞いた時から会ってお話ししてみたかったのよ楽しみだわ!」
「…………バーバラは……今はいない」
このお話しはノープロット、オチと途中のポイントを箇条書きしただけで、後はチャネリングのみで出来ています。
かなり難しくなってきました。