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すれ違いは会う気がなければ発生しない

 30年に渡り女性の心を研究してきたにもかかわらず、未だ答えることのできない大きな疑問は、女性は一体何を求めているのか?である



 フロイト



 30年足らずしか生きてない自分にはチョット何言ってるかすら分かりません。




 自分の知らない外タレの可能性に賭けて、一代決心で写メを要求してみたが理解される訳もなく事態は更に悪化していた。


 散々怒鳴り散らしていた外人女性、仮の名をバーバラとしよう。


 バーバラが喚いている間、自分はアーとかウーとか言いながら身振り手振りで何とかコミュニケーションを取ろうとしたのだが。

 最終的には手を指して「でー」とか、お尻を指して「おー」とか完全にゼスチャーゲームになってしまっていた。

 完全に手詰まりになって自分が途方に暮れていると、バーバラが絶叫してブチギレ凄い勢いで家に帰ったかと思うと、サークレットみたいなワッカを持って来て、やるから自分に被れと身振りで要求してきた。


 イヤ無理だろう、厳ついオッサンに蛇みたいなのが絡まった、あからさまに怪しいデザインしてるし。


 世間様に後ろ指さされるような格好してはイケませんて婆ちゃんが言ってたし、トラップ臭が強すぎるし、そもそもがダサイでしょそれ?


 バーバラは満面の笑みでワッカを手にしてにじり寄って来る。


 手を体の前で激しく交差させ拒絶の意志をアピールするが、バーバラには分からないのか鼻先20cmまで接近してくる。

 イカンこの距離は危険だ。


 思わず仰け反り完全にビビッて目を逸らすと、その僅かな隙にバーバラが飛び掛かってきた。


 バーバラは左脇でヘッドロック仕掛けて、自分の右耳辺りに胸をグイグイ押し当て締め上げてくる。


 組み合ってすぐに、腕力で負ける事は万が一にも無いと確信したがこれはマズイぞ、柔らかいし超いい匂いがするぞ!チクショー抵抗する意志を折りにきてるな。


 狡猾な罠だがこの程度の接触で自分を懐柔しようとは、童貞の中学生でもあるまいし片腹痛いわ。

 

 そう言えば接触と生殖って紙一重だよな?アレだ新入社員の頃の黒歴史を思い出す。


 まだピュアハートだった自分は色っぽい大人な先輩のOLさんに

『ファックスしておいて下さい』と言うのが恥ずかしくて『ファクシミリしておいて下さい』と言い換えようとしたが、

 極度の緊張で『ファックしてみせて下さい』と盛大に誤爆し、今年の新入社員の中に初対面の人にSEXを見せろと強要したド変態が居るらしいと噂されたアレに近いな――



 クッ、駄目だ物凄い精神的揺さぶりだ、もう抗う事はできない、しょうがない今はこの感触を楽しむのだ。



 無抵抗でグッタリと脱力した自分の頭にバーバラがワッカを被せ、何かごにょごにょと呟く。


 「がぁぁぁぁっ」


 突然視界が黒く染まり、目の奥深くに釘を突き刺されたかのような激痛が襲ってきた。


 未体験の激痛にバーバラを振りほどき、両目を覆い蹲まり、痛みに必死に耐える、どれ程続いたか正直分からないが自分には永遠に感じられる時間だった。






「 ――――ねぇ――」



「――ちょと!ねえ大丈夫?」


 バーバラに肩を揺すられ頭の血がサーと下がるような感覚とともに気意識が覚醒してきた、自分は仰向けに横たわっているようだ。

 まだ少し朦朧としていたがゆっくり目を開くと、バーバラが不安げに眉をよせ覗き込んでいた。


「――ち近いですよ、もっと離れて」


 バーバラは不本意ですという感情を隠そうともせず、ふん!と鼻を一つ鳴らして離れていく。


「何なんですか、このワッカは?」


 頭から忌々しいワッカを外しながら尋ねるが、やっぱり特大サイズの地雷だったじゃねーかコレ!


「それは知識神タイラー・ハラー様の力を借りて、自身の知識を分け与える魔道具よ」


 クイズダ●ビーか?


「チョット何言ってるか分かりません」


「エッ、今までちゃんと喋ってでしょう?何でかなぁ失敗したのかしら?」


 正面からボケを潰してきやがったよ、可愛く首なんか傾げやがって普通の男なら『こうかはばつぐんだ!』になるところだろうが、こっちの属性は『ブスで巨乳』だ大したダメージは受けてないぜ。


「違いますハラ・タイラとかマドウグとかの意味が分からんて事です」


「知識神タイラー・ハラー様よ、子供でも知ってるでしょ!そんな事も知らないとか……貴方、もしかして異邦人じゃない?」


「いや日本人です、イホウという国は聞いたことないですねアフリカ辺りですか?」


「それこそ意味が分からないわ、異邦人は異なる場所から訪れた人の事よ、それと魔道具は魔法を使って様々な力を宝石や鉱石から引き出す為の道具よ、ちなみにその『転写のサークレット』は私の師匠から譲り受けた物凄く貴重な物なんだからね!」


 うわ胸張って――だからね!だってよ、今度はツンデレですよ攻めるねー、こっちは天然でイホウ国とか言っちゃって恥掻いてるのに。


 OKバーバラ……一気に情報ぶち込んできやがったな、ゆっくり一個一個処理しよう。


 腕を組んで目を閉じ大きく息を吸う。


 まず異なる場所から訪れる人って何だ?こっちは屋敷ごと引っ越ししてるっての、スゲー引っ越し業者だな!アートでもサカイでも日通でも無理だろアリさんの巨大化したアカイさんの力でも絶対に無理だよ!

 まさかの漂流●室系だったのか……取り敢えず保留して次の議題だ。


 魔法だと……普通なら電波だよこの子、南無ーで済む話だが先程からバーバラとスムーズに会話が成立してる事には薄々気が付いてた。

 理屈は分からんがなんたらのサークレットの力は本物なんだろう、頭が爆発するかと思うほどの激痛が伴うシステムには断固抗議したいがな。


 ファンタジー要素も入ってくるのかよ、叔父さんによって幼少から英才教育を施された真正SEGAっ子である自分にとっては超苦手ジャンルなんだよなぁ、ドラク●シリーズはやってるし好きだがSEGAに正統派のロープレとか皆無だからな……


「そんなに悩まなくても大丈夫よ、異邦人の事情は大体分かってるわ!私が色々教えてあげるから貴方は心配しなくていいわ」


『私が色々教えてあげる、私が色々教えてあげる、私が色々教えてあげる』REC完了。


 バーバラたんマジ天使じゃねーか!こんなに良い子だったとは自分も人を見る目が無いな。


 ドエライ災難に遭遇してヘコみそうだったが。

 バーバラとの出会いが希望になった何度感謝してもしきれんな、いやまだ正式に感謝の意を伝えてなかったぞ不味い!

 礼を逸しては日本男児失格だろう万感の思いを込めてお礼を言おう。



「――ありがとう…………バーバラ」






「……バーバラって誰?」

出かけるので次話は遅れます。

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