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この世が生き地獄であるなら  作者: 人の為に偽る
1/1

大人(コドモ)は自らを壊し子供(オトナ)になろうとしている。

最近飲み屋で聞いたオッチャンの話を自分なりに大きくしてみようとしたものです。すいません文才ないんです。

 ――――――時は2014年。場所は岐阜県の某所。今を挙げるなら、それは師走の足取りを感じるほどに冷え込みが激しくなって、日の入りが早くなってきたある日のこと。


ここで自己紹介をしておこう。こうしてここで駄弁を綴るは、ただの高校生である。


これからの呼称は「俺」で通すことにする。理由はただ打ちやすいからってだけ。


少々の時間を借りるし、返せない。其方の目を汚す幼稚な文章や誤字・脱字が目立つかもしれない。


また、構成を考えていない思いつきで綴るものである。


と、予防線を張ることも飽きてきたので本編を始めたいと思う。


※気持ち悪いな、と思った方はブラウザバック推奨です※



こんな文章でもOK!という方はこのままお読み下さい。










 秋なんて季節、もう無くなったかと感じるほどに季節の移り変わりが激しくなった気がする。


夏は気温が高くなり、6月の梅雨が終わったと思えば、茹だるような熱気と湿気が襲いかかる。


そんな季節が10月頃まで続いたと思えば級に冷え込んでくる。


そうして11月に月が移り変わってしばらく経ったある日のこと。


ここ、岐阜県は山に囲まれた県で、ご存知の通り高山はもうすぐ雪が降るような場所である。


冬になると濃尾平野から渥美半島にかけての地域において、北西の方角から吹く季節風


通称「伊吹おろし」のせいか朝と夜だけに限らず、昼でも風の強い日は地獄のような寒さが襲い掛かる。


そんな伊吹おろしはまだこないが、冷たい風が肌を突き刺すような痛みを作り出していく。


時刻は朝7時50分。電車から降りて数分歩いたところで指先が冷え込んできたことを不快に思った俺は


不便だがポケットに手を突っ込んで風の当たりを防ぐ。


―――――寒いな。もう、そんな季節か。


ついこの間まで焼けるような熱気に晒されていたと思ったが気づけばこの寒さだ。


そして俺も、気づけば高校三年生となっていた。


1年前を思い出そうとしても、どうでも良いことだったのか、特に何も覚えていない。


2年前など尚更だ。


そんな風に思い返そうとしたが寒さには勝てずマフラーで口元を覆い、赤信号が切り替わるのをじっと待つ。


交差する車線は当然青信号。多くの自動車が忙しなく走り抜けていく。一瞬だけ見える運転手の横顔は


疲れきった顔をしていたり、少し焦ったような顔をしていたりする。


――――――うん?


風に当たり真っ赤になった耳が聞き慣れた者の声を拾う。


「よう、今日もさみーな」


とん、と肩に手が置かれると同時に黒いショートヘアの男が挨拶のようなモノを告げる。


――――――この男は2年前、高校一年生の時に知り合った奴で俗に言うイケメン、リア充と呼ばれる部類の人間だ。最初は人見知りなく、馴れ馴れしく話しかけてくるコイツに苛立ちを隠せなかったし趣味も特技も全く違ったので興味はなかった。しかしこの男。なかなかどうして話の分かる男で、つい愚痴をこぼしてしまったり、少し難しい話題を上げても話に乗っかってくるくらいの変人だと俺は思っている。


――――――今では俺の「親友」と呼べるくらいの時を共に過ごしたし、色々と恥を見せたし、見た。この男も俺を親友と呼んだ。それくらいの価値がついてる。


彼もマフラーを巻き寒さに少し身震いしている。


「全く、冬は嫌になるぜ・・・耳は霜焼けで赤くなるし、手も凍っちまうかと思うくらいに冷える。そんでもって、布団から出るのが億劫になっちまう」


ニカッ、と笑いながら俺に話題を振ってくるこの男、「友」とでも呼ぼうか。


友に顔を向けつつ、信号が青に変わったことを確認して歩き出す。


友もそんな俺の行動を見て歩き出す。隣に来て歩幅を合わせてくるあたり、どうやらこの話は俺の返しが必要なようだと察した。


「ああ、本当にな」


と、短く返して前を向いて歩く。校門が見えてくるまで時間は掛からなかったがその短い間にも友の舌が乾くことはなかった。


どうしてここまで話題が振れるのだろうか。俺は適当に返事をして話題を切り上げているのに。


「さみぃー・・・っと、はよざーす!」


校門を潜って教室のある棟まで向かう途中で運動部の顧問と会ったが、この顧問、友が所属していたサッカー部のコーチらしい。もうサッカー部から卒業したというのに、挨拶をする。


「っす」


と、俺も怠けたような声で挨拶をする。顧問はそれに答えることなく、グラウンドのある方へ歩いていく。


「あちゃー、ありゃ機嫌悪いっぽいわ・・・後輩に当たるかもしれないなぁ」


友がすこし焦ったような声であちゃー、と言う。


「・・・なんだ、まだ野蛮人のままなのか」


「ばっ!バカお前!」


俺の問いに対して返ってきたのはひどく慌てた友の声と、俺の口を押さえる手。


友がそのまま顧問の方をチラリと向くが顧問には聞こえていなかったようで、安堵の息をこぼしていた。


「お前なぁ、その挑戦的なスタイル、どうにかならないのかよ」


ジト目で睨んでくるが俺はフイ、と顔を逸らしいつものように短く言葉を返す。


「教師は生徒の模範となる存在だとアイツが言ってただろ。ならそうやって感情をむき出しにして生活するのが教師をやってるのなら、生徒もそうなるに決まってる」


「そりゃぁ・・・そうだけどよぉ・・・もうちょい、遠くに行ってから言えよ」


「・・・教師という権力を振り回して偉そうにしてる奴に、先生なんて称号は必要ないだろ?」


俺のこの弁舌はどうも癖のようなもので、友はまた、始まったという台詞と共に気だるそうな顔をしていた。


しかしすぐに口を閉じ、棟の中に入り階段を昇っていく。3階にあがったところで教室まで歩く。


棟の中は以外と暖かく、風があまり入ってこないせいか少々の温もりを感じられる。


代わりに冷え込んだ耳や手、顔はジンジンと霜焼けが起きたように痛くなっていく。


教室にいくまでの間、会話はなく自分の席に座り、音楽プレイヤーからジムノペディの1番を聞く。


友は俺が貸した小説を開き、読むことに集中しているようだった。


時間は流れていき、ふと時計に目をやると朝のホームルームが始まる時間をさしていた。


――――――また、概念の押し付けと自分を棚に上げた奴の理想語りが始まるのか。


そう思うと少し憂鬱になってくる。だからこそ俺はイヤホンを耳からはずすことなく、今日も眠りにつく。


そうして、耳と目を塞ぎ、情報を遮断する。


――――――別にどうでもいいんだ、似たようなことしか言えない奴らの話なんて聞かなくても。人生の先達であっても在り方を違えた連中など見なくても。考えなくても。そうして、俺は自らを高く見る。周りを低く見て、大人を馬鹿にして。自分は優れていると言い聞かせる。


今までもそうだったように、これからもそうやって生きていく。


――――――それが人間たる在り方で、そんな俺もやはり

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――間違っている。


権力の高い者に媚び諂い、己の意見を殺し、無茶難題を出されそれを乗り越えるために躍起になり、自分より権力の低い者に自分の価値観を押し付ける。


間違っている。


ならば正しさとはなんだろうか、聖人のような者になることだろうか、法に従うことだろうか。


いや、そんなことを引き合いに出す時点でやはり間違っているのだろう。


――――――間違っているといいながらも、正しくあろうとは思えない。模範がないからだ。


模範を立てられてもそれは歪んでいて、捻じれていて、砕けていて。本物なんて在りはしない。


・・・・・・どれだけの時がたっただろうか、ふと頭を硬い板状のもので叩かれ、考えに耽っていた俺の思考が途切れる。それと同時に僅かな痛みを感じる。


「・・・?」


ぐい、と顔を上に向けるとそこには初老の、白髪まみれの髪を持つ国語科の教師がいた。


――――――国語、ということは4限目か・・・。随分と長い間浅い眠りを続けていたようだ。


「おう、就職先の内定とれたからって油断してると痛い目にあうぞ?」


しわがれた声で俺に注意をしてくる教師はニヤリ、と不敵な笑みを浮かべる。


イヤホンを外し眠気を覚ますため目を軽く擦る。そして少し欠伸をし、教科書だけを取り出し、ページを開く。


「たーく、じゃ、次 お前読め」


「・・・っす。・・・えーと? この世が生き地獄である。死ぬことは他人に迷惑をかけてしまうが故に死ねず、努力、努力と言えどその先に見えるものは常闇であり、終わりはない。また、他者に気を使い、使われ生きていき、変わらぬ日常と変わっていくハードル。焦燥と倦怠感のみが己の身を包む。下らぬことで身を呈して疲弊し、下らぬことで己を殺す。そこに残ったのは、死という変わらぬ安堵と恐怖、そして堕ち続ける自らの心のみである」


「おう、次」


「・・・・・・・・・・・・・・」


俺の読みは終わったのでまた、うつ伏せになり寝る。


昼休みに入り食事を取り、午後の授業を欠席すべく屋上に行く。


5限目の始まりを告げるチャイムを屋上のフェンスに手を掛けて聞いている・・・。


フェンス越しに見える街並みと遠目に見える山。首をぐるりと回しても遠くには山しか見えない。


――――――まるで、牢獄だ。


巨大な塀で行動を規制され、日々押し付けられた日課をこなしていく。


――――――――――――――――――こんな思考を持つ高校生は、歪んでいるのだろう。


少しアニメや漫画の見すぎだとでも言われるのだろう。それでも、こう思ってしまうのだ。


少し傾いてきた日差しが寒空を暖かく照らす。街並みにも光が映る。


寂れた街も、少し美しく見えてしまう。


この世は生き地獄であり、そう思ってしまう者は心が歪んでいるといわれる。


自分の考えすら間違っているといわれ、論じる自由され奪われる。


自由はあるといわれるが、本当の自由はないんじゃないのか?


――――――そして俺は、本当の自由なんてものを知りはしない。


独立戦争を、フランス革命を起こした者たちが勝ち取った自由も。戦争で歪んだ。


抑えられていた者たちがかつての自分たちがされていたことをする立場になって、良い思いをする。


そしてまた、自由を勝ち取るために廻っていく。ここ日本は、そんなものとは余り関わりがない。


だから、自由を知らない。 アメリカの奴らも、フランスの連中も・・・。 こうして世界は間違えていくのだ。


故にこの世は生き地獄である。


だからこそ、俺も間違えるのだ。この地獄の中で、自らを他より高く見るから、間違え続ける。


間違っているといわれても、分かっていても。それでも尚、選択肢は間違っていく。


己の歩いた道を振り返れば、赤い線で不正解をつけられたモノ(選択)ばかり。


そんな己の間違えを虚ろな目で、空っぽの目で、見据えて、また、前を向いて歩く。


俺の正しさは、他人から見た間違いなのだから――――――――――――。


だから、歩く。 これまでも、これからも。 生き地獄をより行きやすく、過ごし易くするために。


俺は間違え続けるのだ。

適当な文章ですいません。あとオッチャンの話をそこまで覚えてないです。宗教系のネタもぶっこもうとしたんですがそれはさすがにアレだと思ったのでやめときました。

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