第十八話:発掘師研修その四
出土したお宝は予想通り新幹線だった。
ランタンの明かりに照らし出されて顔を出しているのは、まぎれもない新幹線の先頭車両だった。
そしてその周囲では、車両に”気”を流して何かを確かめている者や、雄叫びを上げている者、抱きあって喜んでいる者などなど。
その光景は掘り出されたお宝の価値を物語っていた。
「お前は凄いよ。よくこんな深くにある、しかもこれだけの大物を探し当てたな。まったく疑ってなかったって言ったら嘘になるが、しかし実際に自分の目で見てみると、この遺物の凄さが実感できたよ」
「本当ですわぁ、さすが空様――」
女子たちに囲まれて、チヤホヤされて、このとき俺は感無量の極致に浸っていた。
夢心地と言ってもいいだろう。
しかし。
「嬉しそうだな。しかし、これは…… 神話時代の乗り物か? 空、お前なら分かるよな」
「はい。新幹線という電車の一種です」
「となると、中にはアレだな」
神妙な面持ちで山岸さんが遥に視線を投げかけた。
遥も頷いている。
もう少しチヤホヤされていたかったが、新人たちとは少し雰囲気が違う山岸さんと遥に、俺は現実に引き戻された。
「アレって?」
「こういった大きな乗り物には、たいてい神話時代の人々の遺体が入っているの」
「まぁアレだ。新人発掘師には、ちとキツイ通過儀礼みたいなもんだ」
山岸さんによれば、大きな乗り物に限らず、”気”だまりには神話時代に生きた人の遺体が埋まっていることがあるという。
”気”だまりにある遺体は保存状態がよく、たいていミイラ化しているそうだ。
「ようしお前ら! 遺物の周りを掘って引きずり出すぞ。中の検分はその後だ――」
山岸さんの号令が響き、浮かれていた新人発掘師たちが新幹線の周りを掘りはじめた。
新幹線の両脇と上にスペースを作って、全員で途中の広間まで引きずり出す作戦だ。
おそらく数十トンはあろうかという新幹線の車体だ。
埋まったままの状態で引き抜くことはできないという判断だった。
作業は順調に進み、先頭車両を広間まで引きずり出したところでこの日の発掘は終了になった。
先頭車両内には山岸さんの予想通り、二十体を超えるミイラ化した遺体が眠っていたが、もう一両を掘り出したあとにまとめて埋葬することになった。
そして翌日、昼過ぎに事件は起こった。
それはもう唐突に。
これまで、トントン拍子に進んできた発掘作業だったが、最後にとんでもない事態に遭遇してしまったのだ。
試験に合格した後に、心構えとして坑道の崩落事故は説明されていたが、なにも研修中に起こらなくてもと、このとき俺は天に悪態をつきたくなった。
これが何かの物語なら、こんな事態はまったくの蛇足もいいところだからだ。
しかし、起こってしまったことを嘆いてもいいことなど何もない。
車両周りの土砂をすべて運びだし、二両目を先頭車両があった位置まで引きずり出していた時だ。
車両の前方で指揮を執っていた山岸さんが顔をひきつらせて叫んだ。
「危ない! 広間まで撤退しろぉぉぉお!!」
後ろを振り返り、山岸さんの視線の先を追う。
天井に梁のように横たわっていた支柱らしきコンクリートにひびが入り、ミシリという音とともに折れ曲がった。
そして、車両の天井にへの字を描くように落下してきたのだ。
要所要所に設置していた崩落防止の木組みがメキメキと折れ、同時に天井の土砂と、”妖気”までもが降り注いできた。
「ヤバい」
俺はそのとき、思ったことを反射的に口に出していた。
一番”気”力が高い俺が先頭になって車両を引っ張り、ほかの新人発掘師たちは車両の横や後ろに貼りついていたのだが、このままではどう足掻いても間に合わない。
ほぼ全員が生き埋め確定だ。
俺はとっさに車両にありったけの”気”を流し、落下してくる土砂やコンクリート片を全力で押し上げ、そして支えた。
右側中央付近に走った山岸さんは、崩れ落ちようとしているコンクリートの支柱を、これ以上崩れないようにツルハシで支えている。
左側後方中ほどで指揮を執っていた遥も俺と同じことを考えたようで、アルミ製の車体を通して彼女の持ち上げようとしている”気”を感じ取ることができた。
坑道の天井すなわち車両の真上では、あふれ出た”妖気”と”気”が触れ合って対消滅を起こし、バチバチと閃光が走っている。
”気”は体から離れると、とたんにその力が減衰してしまうのだが、特に金属中を通してやれば、減衰することなくその力を伝えることが可能だ。
両手から車体の中へ。
そして車両の天井から、落ちてくる土砂やコンクリート片を、流した”気”で固定し、坑道の天井部分の今にも崩れ落ちようとする土砂とともに上方に持ち上げる。
あふれ出る”妖気”との対消滅で、俺の”気”も減っているが、元々の総量が桁違いなので気にはならない。
気にはならないが、支えている重量は途方もない重さだ。
それでも、落下しようとする土砂に”気”をうまく絡めることで、坑道両脇の地盤へと重さを分散し、なんとか土砂の崩落を食い止めることに成功していた。
イメージ的には落下しようとする土砂をアーチ状の橋のように”気”で固定する感じだ。
しかし。
「くッ! ひ、広間までッ、駆け抜けろぉぉおッ! 遥! お前もだぁぁあ!!」
その重さは想像を絶するものだった。
車両から手を放すことはできない。
そうしたらとてもこの重量は支えきれない。
遥の力も足しにはなっているが、先に退避してもらわないと、絶対に彼女は助からないだろう。
俺以外の新人発掘師たちはすでに走り去った。
残るは俺と山岸さん、それに遥だ。
しかし。
「なっ、なに言ってんのよ! あんたにだけ任せられるわけないじゃない。私は引率なのよっ!」
「ダメだ、聞いてくれ遥。このままじゃ持ちそうもない。それに、遥が退避してくれたほうが楽になるんだ。俺に考えがあるッ!」
「……」
「遥ぁ! 頼むから早く退避してくれぇぇぇぇぇ!!」
それはもう魂の叫びだった。
このままだと、あと三十秒も持ちこたえられない絶対の自信があった。
情けない自信だが、無理なものは無理だ。
「ッ! わかったわ。あんたも絶対退避しなさいよ」
「山岸さんもッ!」
「分かった空。何か考えがあるんだな」
「はいッ」
俺の考えはこうだ。
新幹線の車両は二十五メートルほどだが、その上すべての土砂を支える必要はない。
俺と遥が車両の前後にいるので、今までは車両の上部すべての土砂を支えていたが、遥と山岸さんが退避してくれれば、自分の上だけを支えれば済む。
冷静に考えれば誰にだって分かる簡単なことだ。
「空っ、無理しないで」
「すまん」
そう言って駆け抜けていった遥と山岸さんを横目に、俺は自分が脱出するタイミングを見計らっていた。
まずは車両の後方から徐々に”気”を抜いていく。
一気に自分の周辺以外の”気”を抜くと、大きな崩落が起こって、その余波を受けそうだと思ったからだ。
もくろみ通り、”気”を抜いた車両後方部分から徐々に崩落が進行し、車両に添えた両手からその振動がガシャガシャと伝わってくる。
同時に、限界に迫っていた”気”力にかなりの余裕を取り戻した。
あとはタイミングを見計らって脱出するだけだ。
そう思った時だった。
俺の後方、すなわち広間に通じる唯一の脱出路が、一瞬にして崩落により塞がってしまった。
崩落の余波に注意を払って慎重に”気”を抜いてきたつもりだったが、そうは問屋が卸してくれなかったらしい。
八方塞がりならぬ一方塞がりであるが、唯一の脱出路を発たれたとあっては万事休すだった。
しかも、崩落で飛来したコンクリート片が腰のランタンに直撃し、あたりは完全な暗闇に包まれてしまった。
もはや視覚は完全に断たれ、”気”による感覚でしか周囲を視る手段がない。
俺の周囲五メートル四方はまだ崩落していないが、このまま天井の土砂を支えていても、もはや意味がないような気がする。
あえて意味を見出すなら「土砂まみれにならずに済む」くらいだろうか。
ならばどうすべきか?
”気”という異能を得る前の、つまりこの時代に来る前の俺がこの状況に置かれたとしたら、間違いなく生を諦めていただろう。
しかし、異能の力を得た今の俺ならば、この絶望的に見える状況でもなんとかなってしまうような気がしている。
というか、このまま生き埋めになっても、モグラみたいに穴を掘って抜け出せる自信があった。
しかし、とあることに気がついた俺は、自力で脱出するという選択肢を選ぶことができなかった。
なぜか?
簡単なことだ。
広間に脱出せずに、車両の中に逃げ込んでしまった人間がいると、分かってしまったからである。
それが分かったのは”気”を抜いている途中だった。
車体越しに伝わってきた人間の”気”。
しかもそれは、覚えがある”気”だった。
もちろん阿古川哲也などではない。
女子だ。
位置は車両の後方。
崩落で車両が押しつぶされないように気を配りながら”気”をコントロールし、俺は車両の中へと飛び込んだ。
支えを完全に失った天井が崩れ、車体は完全に土砂の中に埋まっていく。
ガコガコミシミシと嫌な音が続いていたが、数秒で完全な静寂が訪れた。
光はない。
が、車両の中の様子は把握できている。
あちこちの座席やその下に、遺体があることも感じ取れた。
そして、車両の後方中ほどの通路に、うずくまるように這いつくばる女子がいる。
「鈴音ちゃん!」
俺の呼びかけに、うずくまっていた鈴音ちゃんが顔を上げた。
表情は全く分からないが、彼女の”気”からは安堵が伝わってくる。
「空さん、ですか?」
「はい」
その声からは、感じる”気”と同様に明らかな安堵が感じられた。
ここで自信ありげな爽やかスマイルを見せれば、彼女のハートは陥落間違いなしなのだろうが、暗闇な現状が憎たらしいことこの上ない。
「よかった。でも……」
「この中は俺が潰れないようにしているから安全です。車両の前のほうで救出を待ちましょう。うごけますか?」
「はい」
「そのままゆっくり前に進んでください」
少しばかり土砂が入り込んでいるが、今俺がいる周りの席には遺体がない。
通路に遺体がないこともすでに確認済みだ。
途中何か所か窓の部分から土砂が入り込んでいるが、通路までは達していなかった。
鈴音ちゃんは、四つん這いで俺のほうにゆっくり近づいてきている。
手探りで通路の位置を確かめるようなことはしていないので、彼女も”気”で物や人の位置が分かるのだろう。
そして。
「大丈夫だった?」
「は、はい。あっ、あのっ……」
「ん? どうしたんだい」
「い、いえ、わたしたち、どうなるんでしょう……」
声のトーンからすると、鈴音ちゃんは不安なのだと思う。
表情が読み取れないので勘でしかないが。
というか、この状況になって不安を覚えないほうがおかしいだろう。
俺はそんな彼女を安心させようと、自信ありげに状況を説明した。
「きっと大丈夫だよ。さっきから探っていたんだけど、崩れ落ちた土砂をみんなで外に運び出しているみたいだから」
「そんなことまで分かるんですか?」
「あ、うん。崩落はこの先二十メートルくらいまでだから、数時間で助けが来るはずだよ」
「すごいです。空さん」
そう言った鈴音ちゃんは、明らかに安堵しているようだった。
そして、明らかに俺を頼りにしている。
俺はと言えば、頼りにされて凄いと言われ、嬉しい照れ笑いを浮かべていたのだが、彼女には見えていないだろう。
「でも鈴音ちゃん、どうしてみんなと逃げなかったの?」
「わたし、一番後ろで押してたんですけど、天井が崩れだしたとき、思わず中に飛び込んじゃったんです――」
小さいころから発掘師にあこがれていたという彼女は、もちろん崩落事故の危険性は承知の上だったそうだ。
しかし覚悟していたとはいえ、いざ事故に遭遇してみると、その恐怖は想像以上だったらしい。
”気”という異能がない時代の人間なら、崩落事故に巻き込まれれば、生きたまま救助される確率は低いだろう。
しかし、今の時代の人間ならば、防御姿勢をとって呼吸できる空間さえ確保できれば、高確率で救助まで耐えられる。
鈴音ちゃんによれば、発掘師の資格に”気”力の下限があるのは、なにも妖魔との戦いだけを想定したものではなく、崩落事故に巻き込まれても生還できる確率を上げるための意味合いも含まれているらしい。
”気”力が高い御堂家に生まれた鈴音ちゃんは、本妻の娘でなかったということと、発掘師へのあこがれもあり、小さいころから発掘師になるための勉強をしていたそうだ。
話を聞いてみれば、話題はほとんどが発掘師についてであり、彼女の知識の深さが伝わってきた。
そして、発掘師にあこがれていたというだけあって、遥への憧れも強く、襟首を掴まれてネズミのなかかに放り込まれたというのに、彼女へのあこがれは揺らいでいなかった。
「空さんは遥さんの実家に住んでるんですよね。羨ましいです。でも、遥さんとはどうやってお知り合いに?」
「遥の祖父は猟師なんだ。そして、彼女は祖父の手伝いを猟師小屋でしていた。俺は森で行き倒れていたところを遥の祖父に助けられたから」
「そうなんですか…… !?」
話をさえぎるようにゴツッ、ゴツッという音が聞こえだした。
そして、車両前方から入り込んできていた土砂が崩れはじめる。
どうやら外に出られそうだ。
「助けが来たみたいだ」
「よかった……」
ゴツゴツガラガラという音が次第に大きくなり、そしてとうとうオレンジ色の光の筋が入り口の上のほうから射しこんできた。
「空っ!」
その声は遥のものだった。
彼女には”気”を伸ばして俺が生きていることを伝えていたのだが、少し大げさすぎないか? と、思えるほどの叫び声だ。
俺が車両の外に出ると、大きな歓声が上がり、人目をはばかることなく遥が抱きついてきた。
「助かったよ、遥。もう一人も無事だ」
「空…… 怪我もないみたいだし、とりあえずは無事でよかったと言っておくわ。でも、どうしてあんな無茶をしたの。心配したんだから」
遥は今にも泣きだしそうな顔をしていた。
俺が生きていると分かっていても、その言葉通り心配だったんだろう。
「ごめん。でも、あの状況じゃ俺がああするしかなかった」
「分かってるわ。御堂さん、無事だったからよかったようなものの、貴女の行動がもとで空が残らざるを得なくなったこと、忘れないでね」
後ろめたさがあるのだろうか、俺の後ろに隠れるようにしていた鈴音ちゃんは、遥の注意を受けておずおずと遥の前に出た。
「ごめんなさい。わたしのミスで空さんを危険な目にあわせてしまいました」
「理解しているのならこれ以上言わないわ。以後気をつけるように。でも、ホントに二人とも無事でよかった」
鈴音ちゃんは、遥の安心したような顔を見て、ようやく笑顔を取り戻したのだった。
そして、それを確認したように山岸さんが声を上げた。
「まぁアレだ。こうして全員怪我ひとつなかったことだし、発掘の危険性も十分に理解できたと思う。いいか、一度崩落した場所は再崩落の危険性が高いことを忘れるな――」
山岸さん曰く、普通なら崩落した現場の遺物は、その危険性から諦めるそうだ。
しかし、この新幹線の車両は、諦めるにはあまりにも惜しすぎるということだった。
再崩落しないように土砂を取り除きながら、崩落防止の木組みを今まで以上に注意深く、頑強に施すだけの価値があるそうだ。
しかし、今日は時間も遅いということで土砂の排除はここまでにして、車両前方の崩落部分に崩落防止措置を施すことになった。
その作業にはけっこう時間がかかったが、陽が沈んで二時間ほどで終了し、この日の作業は終了した。
そして翌日、作業は再開され、崩落防止措置に時間はかかってしまったが、夕方には無事に二両目を広場に引きずり出すことに成功していた。
成功していたのだが……
「で、なにか言いたいことはある?」
新人研修の現場で誰がこんな光景を予想していただろうか?
二台の車両が収まった広場の片隅に、山岸さんが大きな体を小さく丸めて正座をしている。
その正面で遥が腕を組み、鬼の形相で山阿岸さんを睨みつけていた。
研修生たちはそれを取り囲むように全員で山岸さんを睨んでいる。
「なにもありませんです遥さん。私が悪うございました」
「ほう、お前でもそんな殊勝な態度ができたんだな。だがしかし、特級発掘師の引率としては失格だ――」
山岸さんが延々と遥の叱責を受けている構図なのだが、これにはもちろんそれなりの理由があった。
最初の崩落現場の土砂を取り除いたときだ。
最初に折れたコンクリートの支柱。
その上部にぽっかりと大きな穴が開き、陽の光が射しこんできたのである。
なにかに気づいたようにその穴を登って行った遥は、降りてくるなり山岸さんに詰め寄っていた。
理由を知りたくなった俺は、空いた大穴によじ登ってすべてを理解する。
大穴から地上に出てみれば、そこは確認の時に山岸さんが掘った部分だったのだ。
もともとこの大穴の部分に土はほとんどなく、岩やコンクリート片が詰まっていたのだが、山岸さんが確認のために穴を掘った衝撃で、それらを支える形になっていた支柱にひびが入っていた可能性が高い。
遥はすぐにその答えにたどり着いたのだろう。
結局その時は、まだ危険な作業が残っていたため、遥は山岸さんを軽く怒鳴りつけただけだったが、車両を広間まで引きずり出した後、件の場面と相成ったわけだ。
「――まぁいいわ。今日のところはこれくらいで勘弁してやる」
ようやく遥の叱責が終わり、今日の作業は車両の中の遺体を埋葬したところで終了した。
山岸さんは元気なく、しかし積極的に遺体の運び出しに参加していたのが痛々しかった。
そして、翌日に車両の分解と運びだし、馬車での運搬を終えて俺たちの新人研修は終了したのだった。
「お前の底力を思い知ったよ。俺には到底到達できない領域にお前はいるんだな。しかしそれにしても、お宝も凄い量だった。この馬車二台で三往復だろ」
とは解散前の阿古川哲也の言葉だった。
さらに、身をていしてみんなの窮地を救ったと受け取ってくれたのだろう。
野郎どもからは完全に妬みの視線が消え、女子たちからは神聖視するような視線を投げかけられるようになってしまった。
これはこれで嬉しいことなのだが、特に女子たちにもっと積極的に声をかけ、フレンドリーな関係になりたかったと、少しだけ後悔した。
そして、お宝の査定は後日になるいうことなので解散と相成ったわけなのだが、三日後に通知された査定金額は、一人あたり二十一万五千円ということだった。
俺の生まれた時代の金額で二百万円強の大金である。
新人二級発掘師の、しかもたった一週間の研修で得た報酬としては、まさに破格と言っていいだろう。
いろいろとアクシデントには遭遇したが、話しと違って強力な妖魔が出現することはなかった。
しかしこうして、俺の発掘師人生はスタートしたのだった。