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丸く収まったこの世界  作者: 榊屋
第五章 失って気づくこの世界
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11-虎郷-


「今の感じじゃ、どうやら外に出たメンバーは他にも居るな。だが、全員は一緒に行動していない。多分『レッドテイル』は一緒に行動していたと思うけど」

「ともかく今は虎郷さんを助けるのが先決です」

「じゃあ警察に花咲を届けるべきだね」

「俺はすぐに虎郷のところに行く」

 そんなミニ会議のすぐだった。

「私がどうかしたのかしら?」

 と、何事もなかったように虎郷が帰宅した。

「虎郷・・・・・・大丈夫なのか?」

「大丈夫って・・・・・・何が?」

「え、お前・・・・・・木好さん追いかけたんじゃ・・・・・・?」

「・・・・・・一也・・・・・・!?」

 明らかに驚いた虎郷。

「どういうこと?」

「お前・・・・・・新聞読んでないのか?」

 俺がよく分からないながらも、虎郷に告げると虎郷はダッシュで家の中へと入り込んだ。


「・・・・・・?」

 状況が理解できない俺達は全員首を捻りながら家の中に入った。


「そんな・・・・・・じゃあ、一也は今、外に居るってこと!?」

 新聞を呼んだ虎郷は俺の方を見た。

「そりゃ・・・・・・そういうことになるよな」

「・・・・・・」

 虎郷は黙って、Uターンして玄関に戻る。

「っと」

 海馬がその虎郷の肩を掴む。

「行くな」

「私の勝手でしょう」

「その前に、お前がどこにいたか・・・・・・教えろよ」

「それも私の勝手よ」

「違う」

 海馬が言う。

「俺達は仲間だ。隼人が居ない今、バラバラになるわけにはいかない」

「大丈夫よ。構わないで」

「構うよ」

 音河も会話に参加する。

「構わないわけ無いじゃん。私達は全員そろって隼人を助けるんだ。火水は居ないとダメだ」

「・・・・・・でも」

「ダメです。どうしても行くと言うのなら、私達全員が全力で押さえつけます」

 雅が強く睨む。確かに4人がかりなら勝てるだろう。雅と海馬も居るし。だが、ここはそういう場合じゃない。

「言われっぱなしだぞ、虎郷」

「・・・・・・はぁ・・・・・・」

 虎郷は溜め息をついて、うなだれる様に椅子に座り込んだ。

「全くね。確かに言われっぱなし。そして私には反論する言葉も思いつかないわ」

「そうか。そりゃ良かったな」

「ええ・・・・・・全くね」



「私は王城君に会いに行ってたの」

「隼人に!?」

 虎郷が居なかった理由の予想外さに驚く。

「どういうことだ?」

「朝、私が新聞を取りに行ったら、黒いリムジンが止まってたわ。誰かと思えば、東先輩よ。で私が出ると同時に東先輩が出てきて、有無を言わさず私を拉致したわけ」

「拉致・・・・・・」

 誰かに見られてたら事件物だぞ。東先輩は行動が荒いな。

「で、中にいたのは王城君で、そのまま車の中で用件を済まされたわ。そしたら、嘉島君が外に出てきたから、仕方ないから遠くでおろしてもらったのよ。本当は王城君とあったことは秘密にしておく予定だったんだけど」

「何で?」

「それは言えないわ。王城君だって仲間なの。王城君の行っていた事を考えれば今言うべき事ではないわ」

「そんな・・・・・・」

 俺が虎郷の言い分に対して反論しようとしたが、

「一理ある」

「それもそうだね」

「納得です」

 という3人の意見により

「まあいいか・・・・・・」

 という考えに落ち着いた。


「これからどうするんだ?」

「とりあえず、花咲を警察に連れて行って現状について聞いてみよう」

「そうするか」

 俺達は気絶した花咲を抱えて警察署に行く事にした。


 しかし、俺達が見た警察署は、まるで倒壊した建物のようになっていた。

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